早期発見と正しい治療で完治できるようになった、がん。病魔を克服した著名人の貴重な体験談やアドバイス。
「1月23日、阪神の原口文仁内野手(31)が、19年1月に手術を受けた大腸がんが“完治”を迎えたと、SNSを通じて明かしました」(スポーツ紙記者)
手術から5年、再発もなく、嬉しい節目を迎えた。
■大友康平や見栄晴も
一方、ロックバンド『HOUNDDOG』の
大友康平
(68)は腎臓に腫瘍が見つかり、3月に予定していたコンサートを中止すると所属事務所が発表。また、タレントの見栄晴(57)が生放送で下咽頭がんステージ4を公表するなど、有名人のがん報道が相次ぐ。
日本人の2人に1人ががんを患い、3人に1人ががんで死ぬ現代 。実は、本誌記者Y(65)も一昨年4月、直腸がんのステージ4と診断された。直腸と転移していた肝臓の切除手術を受け、現在は抗がん剤治療中だが、担当医師からは「直腸がんステージ4の患者は抗がん剤を使っても約半数が30か月で死亡する」と告げられた。幸い、抗がん剤が効いて肝臓と肺への転移は今のところ抑えられているが、平均的な“余命”は、あと10か月。そんな記者にとって、各界著名人たちのがん闘病や克服記は他人事ではないのだ。
■鳥越俊太郎はこまめな検診と免疫力を高める食事
例えば、ジャーナリストの鳥越俊太郎(83)も、記者とほぼ同じ65歳のときに大腸がんに羅患した。
「切除手術をしたが、2年後に肺に転移。さらに、その2年後には肝臓へ転移しました。それでも、その都度、切除手術をして寛解。12年にはホノルルマラソンにも挑戦し、現在は自身の闘病体験を伝え、がん患者を支援する活動にも精力的ですね」(芸能記者)
こうして、島越氏ががんを克服できたのには2つの理由があったようだ。
「一つが、最初のがんを切除した後も検診をこまめに受けたこと。これで肺と肝臓のがんが早期発見できた。もう一つが、免疫力を高める食事を心がけたこと。朝はヨーグルト400グラムと、バターを薄く塗った食パン1枚とコーヒー。夕食では必ず納豆と卵と野菜、たんぱく質源の豚肉を食べたそうです」(前同)
また、「マラソンや講演などで積極的に動き、この中での人との触れ合いで生きるパワーをもらった」とも発言している。
■村上弘明は早期発見
鳥越氏のケースはがんを患い、転移しても20年以上、元気に生きられるという好例だが、早期発見で、大腸がんを克服したのが俳優の村上弘明(67)だ。
「妻から“今年は人間ドック行ったの?”と、せき立てられ、しかたなく行くと、初期の大腸がんが見つかったんです」と、19年にテレビ番組で告白。幸い患部は小さく、切除手術だけで寛解したのだが、村上氏は「初期がんですんだのはカミさんに言われ、早めに検診を受けたおかげ」と話している。
■小西博之「萩本欽一の言葉」
「僕の場合は、腎臓がんと診断された2005年、担当医から“余命何年というより、すぐに死んでもおかしくない状態で、言ってみれば余命ゼロです”と宣告されたんですよ」
こう語るのは、『欽ちゃんの週刊欽曜日』『
ザ・ベストテン
』(いずれもTBS系)の司会者として人気だった俳優の小西博之(64)。04年秋、食欲、性欲、睡眠欲がなくなり異変に気がついた。体重も約20キロ落ち、12月に突然、血尿が出た。病院で調べると、腎臓に巨大な腫瘍があることが分かった。“余命ゼロ”は、このとき言われたのだが、「その頃は、まだ40代前半ですからね。夜になると、死が目前なんだと涙がポロポロ出るんですよ」
こんなとき、ふと思い出したのが、20年以上師と仰いできた
萩本欽一
(82)の言葉だった。
「人生は幸せと不幸が交互にやってくるんよ。不幸を嘆いて落ち込んでもいいけど、その不幸を拒絶しないで、しっかり受け止めなさい」
悲しみの中、この言葉で「がんも自分の細胞だ、よし治療に専念しよう」と気持ちを切り替えたという。
■保険の重要性
05年2月の手術は左の腎臓とリンパ節の切除、加えて肺の肋骨を2本切断する大手術となった。術後の痛みをこらえながら、病院内ウォーキングなどのリハビリをこなした。
「タバコをやめて酒も控えました。運動もしっかりやるようになったんですよ。それに気持ちを上げるため、退院すると、部屋中に“元気になって○ ○をするぞ~”なんて張り紙を掲げたものでした」(小西氏)
病魔を完全に振り切った小西氏は、「がんにならないためには検診をしっかり受けること、がんになったときに困らないように、がん保険に入っておくこと」を勧める。
「手術代はけっこう高額です。僕も、たまたま保険に入っていたおかげで、なんとか対応できました」(前同)
■野口五郎は内視鏡で手術
ともに67歳の野口五郎と
桑田佳祐
は、野口氏が18年に、桑田氏が10年に食道がんになった。
「野口さんは内視鏡で手術を受けて4日後に退院。次の日は、おかゆを食べられるほど元気になり、19年の年明けから通常通り仕事をしています」(夕刊紙記者)
桑田氏は10年8月上旬に手術を受けて芸能活動を一時休止していたが、その年の大みそかには『
NHK紅白歌合戦
』にスペシャルゲストとして出演し、本格復帰を果たした。食道がんは転移が早い、厄介な病気だが、この2人が初期の段階で発見できたのは、検診をしっかり受けていたからだろう。
「野口さんは毎年受けている健康診断で、がんが発見されました。桑田さんはがん発覚の6年前に父親を、その4年後の08年にお姉さんをがんで亡くしています。そのため、周りにも検診を勧めるほどでした」(前出の芸能記者)
■主演映画を降板したが
『独眼竜政宗』や『
ラストサムライ
』などで激しい役どころを演じる
渡辺謙
(64)は30歳の頃、血液のがん・白血病を発症し、当時、撮影中だった主演映画を降板したことがある。
「白血病は一時治まったんですが、5年後に再発。さらに16年には胃がんになりました」(前同)
胃がんは早期発見で摘出し、手術後の経過も順調だったが、5年生存率が50%以下とされる白血病も克服している。
「謙さんは、競泳の
池江璃花子
(23)さんが白血病を公表したとき、“僕も同じ病気でなぜ今自分がと、絶望しました。でも、今の医学を信じ、自分の生命力を信じ、前を向いて焦らずにしっかり治療に専念して下さい”といった内容のエールを送っています。絶望せず、周りと自分を信じ、今できる治療に専念すること。こんな病気への心構えがあったからこそでしょうね」(芸能記者)
■池江璃花子は日本選手権で優勝
渡辺氏からエールを送られた池江氏は19年2月、白血病で入院したが、12月には退院。翌年8月の東京都特別水泳大会で復帰。その翌年の日本選手権水泳競技大会では、50メートルと100メートルのバタフライと自由形計4種目で優勝している。医療関係者も目を見張るほどの回復だった。
「彼女は抗がん剤治療の他に、造血幹細胞移植という新しい治療を受けたそうですが、合併症もきつい治療法ですから、治療中から治療後まで、医師団も一瞬も気が抜けなかったと思います」(医療関係者)
■信頼できるドクターに巡り会えた仁科亜季子
がん克服は本人の強い意志に加え、医療技術の質も大きく作用する。4回のがんを乗り越えてきた女優の仁科亜季子(70)も、「信頼できるドクターに巡り会えたことが、4度のがんを克服できた理由だと思います」と、ウェブメディアのインタビューで語っている。
「38歳、最初の子宮頸がんのとき、一見、武骨そうな男性の医師が“僕も命がけで闘うけど、君も命がけで、がんと闘ってね”と語りかけたそうです。熱い言葉が彼女を奮い立たせたんでしょうね」(前出の元芸能記者)
■“引き算”だけでない“足し算”
フジテレビ出身で、現在はフリーアナウンサーの
笠井信輔
(60)は19年秋、悪性リンパ腫のステージ4と診断された。
「頻尿や排尿痛を感じて泌尿器科を受診すると、前立腺肥大と診断されたんですが、セカンドオピニオンを受けると悪性リンパ腫だったんです」(笠井氏)
すぐに入院して抗がん剤投与を始めると排尿障害は改善され、全身の痛みも楽になったが、副作用で、だるさや食欲不振に悩まされ、髪の毛も眉毛も抜けた。
「私はがんの標準治療で、医療費も高額療養費制度を利用したんですが、抗がん剤投与後4か月で、医師から完全寛解ですと言われました。ステージ4でも諦めなくてよかったと、つくづく思いました」(前同)
がん告知を受けると、新しい仕事もできなくなると“引き算”ばかりを考えたが、“足し算”もあることに気がついた。
「SNSを通じて励ましてくださる方もいましたし、家族との時間も取れるようになりました。料理なんか、したこともない高校生の三男が“おばあちゃんに習ってきた”って、昔懐かしい卵焼きを作って持ってきたことも。ちょっと涙が出そうになりました」(同)
医師や看護師との関わり方も、「受け身でなく、できるだけ自分の体調や要望を伝えることが大切。自分も病気の治療に関与している意識を持つことで、医療者もより高い治療を行える」(同)と気がついたという。
■光免疫療法など治療の進化
がんにかかる人は増加しているが、一方で、死亡率は年々、下がり続けている。
「例えば、20年に世界で初めて日本で承認され、21年に保険適用となった、光を当てて、がんを治す光免疫療法など、がん治療の進化は著しい」(前出の医療関係者)
がんは、もはや“不治の病”ではない。多くの有名人がそうであったように、諦めなければ勝利が待っている 。
■手軽で安い「がん検査」のススメ
病院で受けるがん検査は、バリウム検査や内視鏡検査など、苦痛が大きいうえに時間のかかるものが多い。しかも症状のない人が受ける場合は基本的に自由診療なので費用も10万~20万円と高額。
そんな中、意外ながん早期発見法が注目を浴びている。それが体長1ミリ線虫を使った検査法だ。線虫は胃や大腸、すい臓など、消化器がんの匂いに95%以上反応し、その精度は腫瘍マーカーなどを大きく上回る。検査は簡単で、尿を検査機関に郵送で提出するだけ。検査費用も1万4000円程度だ。
がんの匂いに反応するように訓練された「がん探知犬」を使う検査法もある。犬の特殊な嗅覚を利用し、医療機関でも発見が難しい早期がんを、ほぼ100%で探知。検査は尿や呼気を提出するだけでよく、料金は3万円程度だ。日本医科大の宮下正夫教授が研究を進め、「ドッグラボ」という会社が、この検査を行っている。
【画像】国民病がんを克服した芸能人
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