<おっさんずラブ-リターンズ->「幸せになって!」と願わずにはいられない…登場人物全員が愛おしいドラマ

「おっさんずラブ-リターンズ-」第3話より/(C)テレビ朝日

<おっさんずラブ-リターンズ->「幸せになって!」と願わずにはいられない…登場人物全員が愛おしいドラマ

2月23日(金) 9:00

田中圭主演、林遣都・吉田鋼太郎らが出演するドラマ「おっさんずラブ-リターンズ-」(毎週金曜夜11:15-0:15ほか、テレビ朝日系)。2月16日に放送された第7話は、吉田演じる黒澤武蔵が余命宣告を受けるという衝撃の展開で幕を閉じ、もうまもなく最終章へと突入する本作の魅力を改めて紹介する。
【写真】結婚式で幸せな笑顔をみせる春田と牧

■一緒にいるための選択をしていく春田と牧が愛おしい

2016年に放送された単発ドラマが話題を呼び、2018年に連続ドラマ化。2019年には映画化、さらに航空業界に舞台を移したパラレルワールドドラマも放送されるなど、多くの人に愛される「おっさんずラブ」シリーズ。

現在放送されているのは、「天空不動産」を舞台に33歳ポンコツ独身サラリーマンの春田創一(田中圭)と、イケメンで仕事ができる後輩・牧凌太(林遣都)、男気溢れる理想の上司・黒澤武蔵(吉田鋼太郎)ら大人たちの純度の高い恋愛模様を描いた“初代おっさんずラブ”の続編だ。

数年の遠距離恋愛を経て、ようやく再び一緒に暮らせる様になった春田と牧の新居に、早期退職後、家政夫として第二の人生をスタートさせた黒澤が上がり込んでくるところから物語はスタートした。


ラブラブな新婚生活を夢見ていた春田だが、課長に昇進した牧は以前よりもさらに忙しく、すれ違う日々が続く。家事の分担や価値観の違いなどで些細な喧嘩も増える中、春田への未練を残す黒澤が家を出入りすることに牧も心中穏やかではない。

どんなカップルも「いつまでも幸せに暮らしましたとさ、終わり」とおとぎ話の様にはいかず、結ばれた後には現実の暮らしがある。視聴者の誰もがその幸せを願ったラブラブな春田と牧だって、例外ではないのだ。

だけど、それが面倒だったら究極離れればいいわけで、それでも一緒にいるのは相手が本当に大事だからこそ。色々な問題は日々起きるけれど、その都度イライラしたり苦しんだりしながらも一緒にいるための選択をしていく春田と牧の姿はやっぱり愛おしい。そんな選択の先にある2人のイチャイチャシーンは毎回多幸感に溢れており、特にマリッジブルーを乗り越え、春田と牧が“きのこの山派か、たけのこの里派”で盛り上がる場面からの結婚式に、「良かったねえ」と思わず知り合いのような気持ちで泣いてしまった。

たかがフィクションと言ってしまえばそれまでだが、そうは思えず、2人に感情移入してしまうのは田中と林の演技が巧みだからこそ。真面目なシーンはもちろんのこと、コミカルな場面も春田も牧も一生懸命だからこそ可笑しみがあるのであって、ただ闇雲にふざけているのではない。2人の芝居には愛がある。だからこそ、これだけ多くの人に愛されるのだろう。

■新キャラの和泉&菊之助が物語のスパイスに

無事に結婚式を執り行い、大事な人たちの前で愛を誓い合った春田と牧。そこには黒澤はもちろんのこと、彼の後任で部長となった武川(眞島秀和)、シングルマザーとなったちず(内田理央)や、二世帯住宅で暮らし始めた栗林(金子大地)と蝶子(大塚寧々)、4人家族になった舞香(伊藤修子)と鉄平(児嶋一哉)ら、前作からのお馴染みのメンバーが。

さらには、中途採用で入社してきた春田の歳上の部下・和泉幸(井浦新)と、天空不動産の近くで、移動式おかかおむすび専門店「おむすびごろりん」を営む六道菊之助(三浦翔平)も式に駆けつける。今作から新たに登場となった2人は春田と牧の新居の隣で同居しており、当初、その存在は謎に満ちていた。

しかし、物語の中盤で和泉は元公安警察、菊之助はその後輩で現役の公安警察であること、同時に、春田に瓜二つの恋人・秋斗を任務中に失った和泉の悲しき過去が明らかに。秋斗への思いを引きずったまま生きる和泉を菊之助はそばで支えている。


そこには密かな恋心があり、これがまた切ない。和泉は秋斗の面影を春田に重ねていて、いつもそばで支えてくれている菊之助の優しさや自分に送られている熱を帯びた視線に気づいていないのだ。そんな2人の微妙な距離感から溢れる大人な雰囲気はこの作品のスパイスとなっている。

7話のラストでは、菊之助がついに和泉へ自身の思いを打ち明けた。その反応が気になるところだが、どうか和泉を一途に思い続けてきた菊之助にも、大切な人を失ってどこか常に空虚な気持ちでいる和泉にも幸せになってほしいと願わずにはいられない。

■「幸せになって」と願わずにはいられない登場人物たち

幸せになってほしい。それは、この作品に登場するキャラクター全員に抱く感情だ。忙しく働きながら息子の吾郎(佐藤大空)を一人で育てるちずはある日、過労で倒れてしまった。そんな状況下でも、家族で海外旅行中の舞香と鉄平に迷惑をかけたくないと自分からは一切連絡しないちず。

一方で、春田がうっかり口を滑らせ、状況を知った舞香と鉄平は急遽旅行を切り上げて帰国する。罪悪感でいっぱいのちずに舞香がかけた「あなたが苦しい時は私も苦しい」「私たち6人で家族じゃない」という温かい言葉や、吾郎がちずの普段履いているパンプスの汚れを袖でこっそり拭う姿に胸がいっぱいになった。


ほかにも、栗林が結婚式の前夜に夜遅くまで働いている牧に「この仕事は他に代わりがききますけど、春田さんには牧さんしかいないでしょ!」と喝を入れて家に帰らせたり、その妻である蝶子も春田や牧のことだけではなく、和泉や菊之助、別れた元旦那である黒澤のことも変わらず気にかけていたりと、みんな本当に人がいい。自分のことより、他人のこと。そんな彼らを観ているだけで何やら自分の心まで綺麗になってくる。


そして誰よりも幸せになってもらわなければ困るのが、黒澤だ。お節介で時に暑苦しく感じることもあるけれど、黒澤は周りの人間に湯水のごとく愛を注ぐ男。新たな任務に向かう菊之助に自分が育ててきたぬか床を「これで生きて帰る理由ができましたね」と渡す場面では、彼の変わらぬ理想の上司っぷりが伺えた。ダダ漏れだが、春田への思いを押し殺して牧との幸せを願う姿にも、もはや愛しみを覚える。

だけど、家に帰ると一人ぼっち。そんな黒澤の孤独も印象的に描かれる中での余命一か月という宣告に衝撃が走った。あの瞬間、誰もが嘘であってほしいと願ったはず。「勘違いでした」という展開を期待してしまうが、果たして。


もうまもなく最終章へと突入するが、まだまだ回収されていない見どころが満載のドラマ「おっさんずラブ-リターンズ-」。TVerでは第1話〜第3話と、最新話が無料で配信されている。まだ観ていない方、一度観た方も視聴の上で最終回に臨みたい。

■文/苫とり子




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