玉木宏は「本当に気遣いの方」ドラマPが明かす撮影秘話&“検察審査会”というテーマへの思い<ジャンヌの裁き>

ドラマ8「ジャンヌの裁き」北川P、中島Pにインタビューを実施/(C)「ジャンヌの裁き」製作委員会

玉木宏は「本当に気遣いの方」ドラマPが明かす撮影秘話&“検察審査会”というテーマへの思い<ジャンヌの裁き>

2月23日(金) 18:00

玉木宏が主演を務めるドラマ8「ジャンヌの裁き」(毎週金曜夜8:00-8:54、テレ東系ほか)。同作は、玉木演じるシングルファーザーが圧倒的強者である検察に立ち向かう姿を描くエンタメ司法ドラマとなっている。今回WEBザテレビジョンでは、今作を手がける北川P、中島Pにインタビューを実施。制作秘話や撮影現場の様子、クライマックスにかけての見どころなどを語ってもらった。
【写真】個性豊かなキャラクターが集まる検察審査会メンバー

■今回の企画は実は“先輩の置き土産”ただ、非常に面白さを感じた

――今回、検察審査会をテーマにドラマを作られたきっかけは何だったのでしょう?

北川:正直なことを言うと、企画を立ち上げたのは2023年3月に弊社を辞めた大ベテランのプロデューサーだったんです。その企画が通り、置き土産のような形で我々が担当することになりました。

その人に「どうして審査会だったんですか?」と尋ねたところ、一度不起訴になった事件が検察審査会によって覆った記事を新聞で読んだそうで。それをきっかけに興味を持ち調べると、桜を見る会や賭け麻雀など、審査会によって覆った事案をいろいろ見つけたと。

その時に「こんなに社会的に注目度の高い事件を扱っていたんだ。しかも一般市民の人たちが法律のプロに異議を申し立てている。これは非常に興味深い」と思ったとのこと。それをきっかけに企画を立てたと言っていました。

――検察審査会という名前だけは、確かにニュースで聞いた記憶があります。

北川:そうですよね。少し調べていくと、すごく大事件に関わっている司法機関だったと。そしてそれを構成しているのが一般の方たち。非常に面白いなと思いました。

■「あまり見ない珍しい玉木さんだなと思いながら見ています」

――置き土産の企画から、お二人で広げていかれた形だったのですか?

北川:そうですね。企画に主演の玉木さんが乗ってくださり、そこから玉木さんをイメージして膨らませていきました。

――剛太郎というキャラクターも、玉木さんありきで広げていった役だったのでしょうか?

北川:玉木さんに相談する段階で、少女漫画家という設定は既にありました。ですがそれも、玉木さんがやってくれたら面白そうという気持ちがあったというのはあります。

百戦錬磨の俳優さんですが、優柔不断で涙もろいキャラクターはなかなか無かったと思うので、我々はあまり見ない珍しい玉木さんだなと思いながら見ています。

――玉木さんにオファーをされた理由を教えてください。

北川:かっこいいからです!

中島:先ほどあった通り、ギャップといいますか、僕らも一視聴者としてそういう玉木さんを見たかったというのはありました。視聴者の皆さんにも楽しんでいただけるかなと。

■西浦監督による演出には、良い意味で「こうなる!?」と驚きも

――劇中で剛太郎が動物に例えているように、審査会メンバーの役がキャラ立ちしていますが、そこはどのように作っていったのでしょう?

北川:これも実は、元々企画の段階で審査会メンバーは動物キャラだったのですが、正直僕は成立しないと思って変えようとしたんです。ただ、西浦監督との本打ちの中で「いけるんじゃないか」という空気感になり、監督におまかせしようと決めました。

審査会の核として割と重い事件を扱っているので、フィクションすぎるキャラクターと、そういったリアリティ部分との折り合いをどうつけるかをずっと悩んでいたのですが、監督の振り切り方と芝居の持っていき方がとてもスムーズで、うまくいった気がしますね。

中島:監督がキャラクター設定を詳細に作られたことが本当に功を奏していて、さすがだなと思いました。バリエーション豊かなので、いろいろな人がいる審査会になりましたし、本人たちもすごく分かりやすかったのではないでしょうか。

衣装合わせの段階から、監督は審査会のイメージが見えていたのだと思います。例えば、神山わこ役の糸瀬七葉さんに対して、匂いを嗅ぐ芝居を「現場でやってもらうから練習してきて」と伝えていて。

彼女たちもキャラクターを理解しやすく、2話、3話と重ねていくうちに「私はもうちょっと言っていいかも」「俺のキャラ的にこれは言わないな」と、皆さん自分のキャラクターを理解して演じていましたし、その上さらに西浦さんの演出がハマったなと感嘆しました。

北川:ハマったね。多分演じている本人たちもびっくりしていたと思います。

中島:こういったテーマを扱う作品は重くなりすぎると見ていただけないので、ある程度エンタメにしていかなければとは思っていましたが、西浦マジックと言いますか…台本と出来上がった作品を見比べた時に、俳優部・スタッフ全員が良い意味で「こうなる!?」とびっくりしたと思います。

■注目ポイントは「正義は今だ」の言い回しの変化

――撮影現場での玉木さんはどのような様子ですか?

北川:役者さんの中には、せりふ量が多かったら、集中して皆さんとなるべく話さないようにしている方もいますが、あれほどせりふの量が多いのに、玉木さんはそんな感じが全くなく。トコトコとその辺を歩いて、誰かと話している姿をよく見ました。

中島:そうですね。すごくフランクな方です。

北川:そのおおらかさで引っ張る…というか、受け止めていた感じがしました。

中島:今回、キャリアが長くない役者の方も結構いたのですが、そういう意味では、彼らに「こうしなさい」と直接言うわけではなく、お芝居や空気感で引っ張っていくみたいなところはあったかなと思います。

お芝居の面でもあとは例えば子役二人と、あまり親しくなりすぎても緊張感がなくなってしまうけど、親子の関係を築くという部分でどこまで距離感を詰めて過ごすかなど、とてもバランスを考えられていました。あらゆるシチュエーションにおいて、さまざまな方への気遣いが隅々まで行き渡る方だなという印象です。

――審査員メンバーの方たちは撮影現場でどういった様子でしたか?

北川:裏でもめちゃくちゃコミュニケーションを取り合っていました。とても仲が良かったと思います。特に、高森健一役の入江甚儀さんと豹谷誠役のスチール哲平さんが、劇中で席が近かったことや同世代だったこともあり、盛り上がる時はその二人が中心になっていましたね。

あとは、兎川うさ美役の松本海希さんが、飴ちゃんを配るキャラクターなのですが、元々どの現場でも実際にご自身で飴を持参してキャストやスタッフに配られていたそうで。毎朝、役者とスタッフに美味しい飴を配ってくれて、キャストとスタッフの橋渡し的存在になっていました。

■注目ポイントは「正義は今だ」の言い回しの変化

――個人的に気に入っているシーンやせりふはありますか?

北川:全話通してのポイントとしては、個人的に二つあります。

ひとつが「正義は今だ」というせりふ。第1話で剛太郎が「正義は今だ」と言うのですが、「正義って非常に曖昧模糊な価値観だから言い切るのって危険だよね」とみんなが思いつつ、でもメッセージとして必要なタイミングで、あの言葉を言わせているんです。それが2話以降、少しずつ言い回しが変化しています。そこを各話見てほしいなと思います。

そしてもう一つが、各話で出てくる事件関係者の思いや弱さ。今回はドラマなのでちゃんと昇華されますが、無念のまま闇に葬られていること、見過ごされている方って多分たくさんいると思うんです。それを各話で感じ取ってもらえたらと思っています。

中島:僕は、今までそんなにやる気のなかった審査会メンバーが、剛太郎を中心に一生懸命取り組んでいる姿に打たれて積極参加していくようになる、変わっていく姿にとても感動しました。ただ、そういった形に前のめりになっていくからこそ、第6話では悲しい事態に直面するんですよね。ですが、団結力が芽生えてくるシーンはとても好きな部分です。

あとは、第1話でおしの沙羅さん演じる鳥井千加子がめちゃくちゃいい仕事をしたなと思っていて。彼女が酔っ払いの芝居をしたことで「このドラマはこういう風に笑って見ていいんだ」「審査会って面白いものなんだ」と視聴者の方に教えられたと思います。

そして、やはりココリコの田中さんが巨悪を演じてくださったのがうれしかったです。お芝居は前々からやられていますが、優しい男性の役が多かった印象があって。これまでのテレビ出演が盛大な振りになっていると感じるくらい、悪がすごく効いていると思います。

■「検察審査会という、一般の方々を救う最後の砦があることを知ってもらいたい」

――クライマックスにかけての見どころを教えてください!

北川:検察審査会の中に裏切り者がいたり、それが判明したりと、第5話から縦軸にドライブがかかってきています。

検察審査会 VS 検察という構図がはっきりしていく中で、どういう悪い人間が出てきて、そして田中さん演じる桧山とどう相対し、どう落とし前をつけていくのかというのが、第7話、そして第8話になっています。

中島:第6話が、事件を解決したことで不幸になる方が出てしまうという、今までにないパターンの終わり方をしました。剛太郎たちは、これまで自分たちが信じる正義のために、人のために審査会を頑張ってきたけれど、自分たちの下した判断が人を不幸にしてしまう。

それをきっかけに、第7話で審査会がバラバラになってしまうんです。そこから第8話で、また剛太郎を中心にもう一度…という働きかけがあり検察に立ち向かうところは、これからの見どころかなと思います。

――最後に、放送を楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。

北川:検察審査会という、一般の方々を救う最後の砦があることを知ってもらえるとうれしいです。ただ、楽しみ方は見てくださった方のものなので、良い意見はもちろん、悪い意見も受け止めます!

中島:この作品を見て、意外と身近なことなのかもしれないと思っていただけたらいいなと思っています。

審査会メンバーになる確率は、0.007%。昭和23年に立ち上がってから今まで、補助員も含めると60数万人が審査員に選ばれています。人数を聞くと「自分もいつか選ばれるのかな」と感じますが、年間1万4000人にひとりしか当たらないので、選ばれるかというとそうではないことが大半だと思います。ですが、実際に審査会に参加している一般の方がいて、堅苦しくない身近なものなんだよということが伝えられたらうれしいです。




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