春夏秋冬を唄った童謡でわかる日本の風習のルーツとは

春夏秋冬を唄った童謡でわかる日本の風習のルーツとは

春夏秋冬を唄った童謡でわかる日本の風習のルーツとは

2月20日(火) 20:00

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春の桃の節句や夏の七夕など、日本には季節の行事や祭りが多くある。そして、この行事や文化に関係する童謡や唱歌で日本の春夏秋冬を感じることができる。

「年の始めのためしとて…」の「一月一日」や「あかりをつけましょぼんぼりに…」の「うれしいひなまつり」といった歌の歌詞から、その季節の行事に隠された願いやルーツを紹介するのが、 『歳時記を唄った童謡の謎: こんなに深い意味だった』 (合田道人著、笠間書院刊)だ。

◾️ひな祭りに見る「花見」のルーツ

本書では、お正月の節句、春の桃の節句、夏の七夕など、誰もが口ずさんできた童謡の歌詞に込められた意味や想い、曲が作られ歌われた背景などを「歳時記」を切り口に、「童謡の謎」で知られるシンガーソングライターの合田道人氏が解説する。

3月3日は女の子のお祭り、桃の節句のひな祭り。女の子の節句は子どもが健康に育ってほしという願いと、行く行くは幸せな家庭に嫁いでいけるようにという祈りの行事だ。元々は3月最初の巳の日に行われていた。この祭りのルーツは水浴びにある。まだお風呂がない時期、やっと春が訪れて川や海の水に浸かって冬の間の汚れた垢を洗い落とす。体をきれいにすることで、罪汚れも清め流されるということだ。水浴び後に家族や親戚縁者が集い、その年の健康や幸福を祈って貝を拾ったり、花を愛でたり、酒を飲む行事が開かれた。これが潮干狩りや花見につながっていく。

平安時代になると、水浴びの風習から、代わりに人形に穢れをつけて水に流す「流しびいな」の習慣が生まれた。「びいな」は紙や木などで作った人形で、これがのちの「ひな人形」に変じたのだ。

◾️童謡「どんぐりころころ」の「どんぶりこ」とはどんな意味?

秋に歌われる童謡といえば「どんぐりころころ」だろう。大正10(1921)年発行の歌唱集『かはいい歌唱』で発表されたが、世の中に急激に広まったのは、昭和22(1947)年に小学校2年生の音楽教科書『二年生のおんがく』に初掲載されたからだ。

「どんぐりころころどんぶりこ」という歌詞で始まるこの歌の「どんぶりこ」とは、どんな意味なのか。現代人の感覚だとあまりピンとこない歌詞かもしれない。

「どんぶりこ」は、音を立てて水に落ちるという意味の歌詞。その後に続く「おいけにはまって…」という歌詞を見ると意味がつながってくる。山にある木から勢いよく落ちたどんぐりの着地点が「どんぶりこ」と音を立てて、お池にはまったということだったのだ。

子どもの頃から知らずに歌っていた童謡の秘密を知ることができる本書。春夏秋冬を感じられる童謡から、新しい発見があるかもしれない。

(T・N/新刊JP編集部)

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