まるで自分がコートのなかにいるような迫力の『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』など週末観るならこの3本!

原作で人気のエピソードの1つ、「烏野高校VS音駒高校」を描く『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』/[c]2024「ハイキュー‼」製作委員会[c]古舘春一/集英社

まるで自分がコートのなかにいるような迫力の『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』など週末観るならこの3本!

2月17日(土) 14:30

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、バレーボールに懸ける高校生たちの熱い青春を描く人気漫画の劇場版第1部、アリ・アスター監督&ホアキン・フェニックスのタッグが放つオデッセイスリラー、俳優、東出昌大の狩猟姿を追ったドキュメンタリーの、全身全霊な姿を映す3本。
【写真を見る】烏野対音駒の“もう一回が無い試合“が始まる(『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』)

■手に汗握る緊迫の試合展開…『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(公開中)

人気バレーボール漫画作品「ハイキュー!!」のアニメ版の約3年ぶりとなる新作。本作で描かれるのは、原作でも屈指の人気を誇る春高バレー3回戦「烏野高校VS音駒高校」の試合。小柄ながら常人離れしたスピードとジャンプ力を持つミドルブロッカーの日向翔陽(声:村瀬歩)は、天才セッター影山飛雄(声:石川界人)との「変人速攻」で次々と強敵を倒す。そんな烏野高校の前に音駒高校が立ちはだかる。練習試合でお互いの手の内を知る因縁の両者。音駒のセッター孤爪研磨(声:梶裕貴)は、日向の変人速攻を封じることができるのか…。

ダイナミックなアングルでボールが打ち付けられる音が響く試合シーンは、まるで自分がコートのなかにいるような迫力。手に汗握る緊迫の試合展開。個性豊かなキャラクター。それを演じる日野聡、入野自由、細谷佳正、林勇ら人気声優の揃い踏み。そしてエモさを倍増させるSPYAIRの主題歌「オレンジ」。これぞ「ハイキュー!!」と呼ぶべき作品。(映画ライター・榑林史章)

■映画的迷宮へ導かれる…『ボーはおそれている』(公開中)

『ヘレディタリー/継承』(18)、『ミッドサマー』(20)と、悪夢的な体験を届ける傑作を撮り続けたアリ・アスターだが、この新作は「悪夢」そのものをテーマにしたと言っていい。主人公が母親のもとへ向かおうとする、ただそれだけの物語にもかかわらず、次々と降りかかる災い、アクシデントでホラーのような恐怖も与える第1章から、この監督の異様な脳内世界を擬似体験させられる。現実と主人公の幻想のボーダーも消え、前2作とは比較できない映画的迷宮へ導かれる感覚だ。

さらに第2章以降は、悪夢がブラックジョークと化し、ほとんどコメディになったり、劇中劇、アニメ、過去の名作へのオマージュ…と、何本もの映画を味わっている錯覚もおぼえる。観る人それぞれの解釈が試される作品だが、軸になる家族ドラマには意外や意外、この監督の作風が強く感じられ、フックさえ見つければ誰もが共感しやすかったりも。主演ホアキン・フェニックスは“安定”の暴走的怪演で、3時間近くにおよぶシュールな状況を全身全霊で駆け抜けていく。(映画ライター・斉藤博昭)

■生き様がこれでもかと刻まれている…『WILL』(公開中)

俳優、東出昌大が狩猟しながら暮らす姿を1年間、追い続けたドキュメンタリー。ファストフードやコンビニのお弁当など、便利で安易に食べ物を得ることで、私たちがつい忘れかけていた命をいただくという行為。東出は撃った鹿やイノシシを電気もガスも通ってないような場所で、丁寧に皮を剥ぎ、肉を削ぎ、汗まみれになりながら、手間と時間をかけて、解体していく。有害鳥獣駆除にはノルマがあり、撃ち殺されても、ほとんどが食べられることなく、死骸として埋められる。が、東出は真摯に動物と向き合い、命のやりとりをする。その緊迫感。とはいえ、かっこいい姿ばかりを映しだすわけではない。

やっと獲物を仕留めて、奇声を発してはしゃいでみたり、子どもの鹿を撃って、涙ぐんでみたり。ネットニュースで叩かれた女性たちと楽しそうに過ごす事もあれば、週刊誌に突撃取材され、なぜか彼らを家に泊め、「簡単に人を信用しちゃダメです」と叱られたり。カッコつけようとする姿もカッコ悪い姿も全部、曝けだす140分。彼の生き様がこれでもかと刻まれている。(映画ライター・高山亜紀)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。

構成/サンクレイオ翼


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