“引っ張りだこ”の人気者たちだが、ますます目にする機会が増えそうだ。芸人の頂点を極めるのはいったい!?
お笑い界に、激震が走っている。『週刊文春』による一連の報道で『
ダウンタウン
』の
松本人志
(60)が突然、活動休止を発表。テレビ各局が対応に追われているのだ。
「松本のレギュラー番組は、相方の
浜田雅功
と一緒に出演するものも含めて7本。他にも、『M-1グランプリ』『
キングオブコント
』の審査員や、『THESECOND〜漫才トーナメント〜』のアンバサダーなど、芸人たちの未来を左右する賞レースにも深く関わっていますから、現場の混乱は続きそうです」(芸能プロ関係者)
■バカリズム、中居正広、浜田雅功が
すでに、2月3日に放送される『
IPPONグランプリ
』(フジテレビ系)は
バカリズム
が“代理チェアマン”を務め、『
まつもtoなかい
』(同)は
中居正広
、『
水曜日のダウンタウン
』(TBS系)は浜田のみの出演で収録が行われたことが分かっている。
「1月19日に松本不在での初の収録が行われた『
探偵!ナイトスクープ
』(朝日放送テレビ)は、“探偵”の
間寛平
と
カンニング竹山
が“局長代行”を務めたと、竹山自身が明かしています」(芸能記者)
だが、これらは、あくまで一時的な措置に過ぎない。芸能リポーターの城下尊之氏は、こう言う。
「1月22日、松本さんが文藝春秋社を提訴し、5億5000万円の損害賠償を請求していくことが明らかになりました。どんなに短くても、最初の判決が出るまで1年半から2年。最高裁まで争うとなると、5年はかかるといわれています」
その間、いつまでも代理や代役で番組を続けるわけにもいかないという。
「当然、看板のすげ替え、番組の刷新が必要になってきます。これをきっかけに、テレビ界の勢力図が大きく変わることになりそうですね」(前同)
■島田紳助が引退したときは今田耕司が引き継ぎ
では、“ポスト松本”には、どんな芸人がふさわしいのか。
「2011年に
島田紳助
が引退したときには、
今田耕司
が3番組を引き継いだのをはじめ、紳助が所属していた吉本興業所属の芸人らが、その穴を埋めました。
しかし、今回の『週刊文春』では、第2弾、第3弾と告発が続き、松本個人のみならず吉本の体質にも批判の目が向けられつつある。テレビ局も頭が痛いでしょう」(前出の芸能記者)
■夏目三久と結婚、関係も良好
そんな中、“ポスト松本”として最も注目されているのは、大みそかに放送された『第78回
NHK紅白歌合戦
』の司会を初めて務めた、
有吉弘行
(49)だといわれている。
「有吉は、レギュラー番組本中、冠番組が12本を数える、言わずと知れた超売れっ子。むしろ、MC力としては、松本以上にテレビ界からの支持があるとも言えます」(テレビ局編成担当)
■NHK紅白歌合戦の司会を務め
妻の
夏目三久
との関係が良好なのも、評価が高い。
「そもそも、結婚前から女性問題で芸能マスコミをにぎわせたことがほとんどなく、いろんな意味で“任せて安心”です」(前同)
お笑い評論家のラリー遠田氏は、「仕事の間口がとても広いのが、現在の有吉さんの強み」と指摘したうえで、こう続ける。
「『
有吉の壁
』(日本テレビ系)のような、純粋なお笑い番組はもちろん、女性タレントと絡むバラエティやトーク番組の回しも巧みで、『有吉のお金発見突撃!カネオくん』(NHK)のような教養バラエティもこなしています。
さらに紅白の司会まで経験して、もはや国民的な存在と言えるでしょう」
■“笑いのカリスマ”の後継者
オールマイティで総合力の高い有吉だが、もちろん“笑いのカリスマ”の後継者としての資格も十分。
「『
猿岩石
』時代のネタの印象はほとんどありませんが、『IPPONグランプリ』で2度の優勝経験があり、大喜利でも、しっかり力を示していますからね。
『有吉の壁』は、若手芸人たちが、そんな有吉を笑わせるために細かなネタを見せる番組。多くの若手芸人の目標となっています」(芸能プロ関係者)
■好感度が高い伊達みきお、富澤たけし
そんな有吉の他に、好感度の高さから、
サンドウィッチマン
(
伊達みきお
・
富澤たけし
=ともに49)こそ、今のテレビにマッチした人材だという声も多い。背景には、コンプライアンスの遵守が求められる時代ということがある。
「テレビ局としては、スポンサーのことを考えると、不祥事を起こさないのが第一条件。各種アンケートで“好きな芸人ランキング”の上位に常にランクインし、23年まで6年連続で、『日経エンタテインメント!』の“タレントパワー芸人部門”でトップに君臨する、サンドの需要は、より高まるのでは」(テレビ誌記者)
■M-1グランプリ敗者復活から逆転優勝した実力
07年の『M-1グランプリ』で敗者復活から逆転優勝した実力の持ち主で、ネタでは伊達がツッコミ、富澤がボケを担当しているが、
「バラエティ番組では、むしろ伊達がボケたがり、富澤がツッコむようなシーンも実は多く、それぞれがボケとツッコミを使い分けられるのも、重宝される理由でしょう」(前同)
■新番組を任せるなら
現在、テレビのレギュラー番組は10本。すでに、有吉に負けない超売れっ子だ。
「純粋にお笑い力を競う番組よりも、ゲストとゲームを楽しむ『
バナナサンド
』(TBS系)や、ある分野に詳しい子供が、その知識を披露する『サンドウィッチマン&
芦田愛菜
の博士ちゃん』(テレビ朝日系)など、ゴールデン・プライム帯の、家族で安心して楽しめるバラエティ番組で力を発揮しています」と言う前出のラリー氏は、
「松本さんの代役というよりも、松本さんの番組が終了して、新たに始まる番組を任されることが多くなるのでは」(前同)
■吉本勢は大悟&ノブが筆頭
一方で、実力者ぞろいの吉本勢こそが“ポスト松本”の最右翼とする声も多い。
千鳥
(
大悟
・43、
ノブ
・44)は、その筆頭だろう。
■2度の不倫報道
「大悟は、これまでに2度の不倫報道がありましたが、なんとも憎めないキャラクターで、ほぼ無傷で、これをクリア。
現在、コンビで出るレギュラー番組は8本にまで膨れ上がりました。昨年の『
FNS27時間テレビ
』(フジ系)の総合司会をこなしたのも大きいですね」(前出のテレビ誌記者)
担当番組の特徴は、世の中のあらゆるものの未知なる“笑いしろ”を探る『
千鳥かまいたちアワー
』(日テレ系)や、芸人たちが、ふだん披露しているネタとは一味違う、クセのスゴいネタを披露する『千鳥のクセスゴ!』(フジ系)など、お笑い色の強い番組が多いことだ。
「よく見ると、千鳥の番組の多くは単なる司会業ではなく、彼らが面白いと思うことが面白いんだということを、視聴者に示していくような番組です。これこそ長年、松本さんがやってきたことで“笑いのカリスマ”たるゆえんでした」(ラリー氏)
■『人志松本の酒のツマミになる話』を担当も
令和の時代に、それを実現できるパワーのある芸人が、千鳥だという。
「『
人志松本の酒のツマミになる話
』(フジ系)では、すでにレギュラー出演していますし、お酒好きのイメージもありますから、そのまま、大悟さんが担当するのが、しっくりきます」(前同)
M-1グランプリの決勝の放送直後にネット配信される、『M-1打ち上げ』のMCを務め、若手芸人たちの良き相談役にもなっており、この点でもポスト松本の資格はありそうだ。
■見事に逆転を果たした川島明
だが、この“令和版BIG3”を脅かす存在も数多い。
「『
くりぃむしちゅー
』や『
バナナマン
』ら中堅の実力者たちはもちろん、21年春の番組スタート当初は、誰もがうまくいくはずがないと思っていた、朝のバラエティ番組『
ラヴィット!
』(TBS系)を成功させた『
麒麟
』の
川島明
も、名MCとして頭角を現してきました」(テレビ誌記者)
■好調なアンタッチャブル
また、19年に10年ぶりにコンビ活動を再開して以来、好調な仕事ぶりの『
アンタッチャブル
』も、需要がありそうだ。
「昨年4月からは、ゴールデンタイムに『ひらけ!パンドラの箱アンタッチャブルTV』(フジ系)がスタート。10月からは土曜朝の情報番組『サタデープラス』(TBS系)のMCも務めています」(前同)
■かまいたちも27時間テレビの総合司会を務め
また、千鳥ともに『27時間テレビ』の総合司会を務めた『
かまいたち
』をはじめ、次世代の面々も、スキあらばと下克上を狙っているに違いない。
まさに戦国時代さながらだ。
「まだ誰も知らないような芸人さんが才能を開花させて、大スターに駆け上がり、テレビを盛り上げるなんて展開にも期待したいですね」(城下氏)
はてさて、まず誰が飛び出すか。
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