2026年のシーズン移行についても議論!Jリーグの新たな改革を野々村芳和と紐解く

2月11日(日) 8:00

2月10日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、Jリーグの新たな“進化と挑戦”について、チェアマンの野々村芳和とトークを繰り広げた。

16年ぶりとなる東京ヴェルディの復帰や、名将・黒田剛率いるFC町田ゼルビアの昇格など、話題の尽きない今季のJ1。MCの勝村政信が「東京は3チームありますからね、2チーム上がってきて、どんな試合になるのか楽しみですね」と声を弾ませると、解説の福田正博は「黒田監督とはS級ライセンスで同期だったんで、応援しています」と表明した。

そんなJ1では昨季から2チーム増えたことで、各カテゴリーが20チームに統一。これにより全国各地でトップレベルのゲームを楽しめるようになる。さらに、熱心なサポーターではないライト層にも試合を観戦してもらうために、国立競技場での試合開催にも注力。野々村は「国立競技場で試合をすると、初めて行くとか、久しぶりに行くっていう人が増えるんですよね。これは一つのデータですけど、3割ぐらいの人たちがもう1回試合を見に来てくれている。よりたくさんの人に見てもらう環境を作っていく上でも、国立競技場はすごく大事」と力説した。昨季が8試合だったのに対し、今季はJ1で12試合、J2で1試合が国立競技場で行われる。

その国立競技場で決勝戦が行われるYBCルヴァンカップも、今季から大会方式が大幅に変更。これまではJ1のみで競っていたが、今季からはJ2、J3と全60チームが参加することになる。芸能界随一のJリーグウォッチャーでもあるゲストの平畠啓史は「J3のチームも優勝できるっていう。これはすごく夢がある」と興奮。続けて、「ちょっと昔、野々村チェアマンにこれやってくださいよって僕、お願いしたことあるんですけど、めっちゃうれしいです」と、自身の要望が実現したことの喜びを訴えるも、野々村からは「そうでしたっけ?」といなされてしまう。

新しくなったYBCルヴァンカップのファーストラウンドは、1ブロック5~6チームで争うノックアウト方式を採用。全10ブロックあり、勝ち抜けた10チームはホーム&アウェイ方式でプレーオフラウンドを戦うことになる。この勝者5チームとAFCアジアチャンピオンズリーグ出場の3チームの計8チームがプライムラウンドに進み、優勝を目指すことになる。

ファーストラウンドは、原則として下位リーグまたはリーグ戦下位のチームがホームとなり、例えばJ3のスタジアムにJ1の名門チームが来れば人気の起爆剤になる可能性もある。野々村は「J3とかJ2のクラブに大きなクラブがやって来てゲームをすると、その年で一番の売上が出るゲームになるはずなんです。上の大きなクラブが、いかにこれからのクラブを助けるかっていう観点でやっていかなきゃいけない時期に来ている」と説明。平畠も「トップレベルのゲームをJ3のクラブのある街でも見られる可能性があるというのは、すごくいいんじゃないかと思っています」と全面的に賛同した。

こうしたJリーグ全体の底上げを考える上では、海外戦略も重要なポイントになる。Jリーグでは、去年、Jリーグ、プレミアリーグ、ブンデスリーガの王者が戦うJリーグワールドチャレンジを開催。海外の強豪クラブを日本に招いて国際試合の経験を積むことを目的としており、野々村は「ヨーロッパとの実際の距離は縮まらないけど、心理的な距離は縮められるはず。大きなクラブ、先を行っているクラブを呼んで、選手に経験してもらったり、ゲームを見て楽しんでもらったりっていうようなことはやらなきゃいけない」と言葉に力を込めた。

他にも、Jリーグではアジア市場の開拓にも力を入れており、2017年からは東南アジアでJリーグアジアチャレンジを開催。今回はタイで2度開かれ、北海道コンサドーレ札幌とセレッソ大阪が参加し、1万3千人を動員した。サッカーの関心度が世界で2番目に高いタイでは、Jリーグの人気もあり、今や2人に1人がJリーグに関心を持っているという。福田は「札幌はタイの選手をずっと取っているので。それで興味もあるし。そういう部分ではJリーグを知ってもらうっていうのは、非常に効果はあるのかな」と分析した。

そして、2026年から施行されるJリーグのシーズン移行についてもトークが展開。現在のJリーグは2月から12月の間で開催されているが、2年後には欧州サッカーのカレンダーに合わせ、8月に開幕し、翌年の5月に閉幕することになる。移行のメリットについて、平畠は「(これまでは)シーズンの終盤で代表マッチウィークと重なって、一番盛り上がるところで、試合の感覚が開いたりすることが結構あるので、これで改善できたりするのかな」と期待を寄せた。

一方、野々村は選手のパフォーマンスの向上にも言及。欧州のリーグでは、シーズン中盤に向けて選手のパフォーマンスが上がり、最後まで開幕時を下回ることはないが、Jリーグでは6月から8月にかけ、パフォーマンスが大幅に低下。開幕時が一番のピークになってしまっている。野々村は欧州と比較したデータを交えながら、「今のシーズンでやっていくと、日本は一番パフォーマンスが上がらなきゃいけない時期が真夏になっちゃうので、これだけ差が出ちゃうんですよね」と指摘。「だったらもう8月から始めて、世界と同じぐらいのインテンシティのゲームがたくさんできるような日程にどうするかっていう方が根本的に改善できる」と、移行の狙いを明かした。

シーズン移行はパフォーマンスの改善以外に、海外移籍問題の解決も図れるという。現在は欧州の主要リーグと開幕時期にズレがあり、冬にJリーグから移籍するとなると途中参戦になってしまい、夏に移籍となるとJクラブにとってはエース格の主力が途中で抜けてしまうなど、いくつかの問題が指摘されていた。加えて、冬の移籍では欧州がシーズン途中になるため、開幕前に計上されていた予算が減り、移籍金も低く設定されてしまう。しかし、開幕時期が合えば、そうした問題も解消されることになる。

また、シーズン移行後は12月の中旬から2月の中旬にかけて、雪の影響を考慮し、ウインターブレイクを導入。同時に、冬場の練習施設の充実化を図るため、Jリーグでは100億円規模の財源を確保する予定だという。野々村は、雪の降る地域でも欧州ではエアドームの中で1年中サッカーができるところがあるとし、「日本でも実際にいろんなところにエアドームができていくといいなと思いますし、そこにしっかり投資をしようとは思っています」と、チェアマンとしての考えを明かした。

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