安田レイが新作で描いた「愛の形」、10周年を経て刻んだ新たなスタート

Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

安田レイが新作で描いた「愛の形」、10周年を経て刻んだ新たなスタート

2月7日(水) 18:00

昨年デビュー10周年を迎え、SACRA MUSICにレーベルを移して11年目のスタートを切った安田レイが、2024年2月7日に心機一転の第1弾となるEP『Ray of Light』をリリースした。

『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』挿入歌である表題曲と中国アニメ『烈⽕澆愁』日本語吹替版(BS11)のエンディングテーマ「声のカケラ」に、昨年7月の10周年記念ライブで初披露した「Turn the Page」、さまざまなアーティストのクラシカルな編成でのライブパフォーマンス動画を配信するYouTubeチャンネル、With ensembleとコラボした「Not the End」「Circle」の5曲を収録している。

EPとしては2021年11月の『Its you』以来2年3カ月ぶり2作目となる盛りだくさんな『Ray of Light』について1曲ずつ、印象的なアートワークについても詳細に語ってもらった。

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─表題曲と「声のカケラ」はagehaspringsの制作です。安田さんとは元気ロケッツからなので、長いお付き合いになりますね。

はい。わたしはずっとagehaspringsのプロデューサー玉井健二さんと一緒にやってきたので、今回も安心感のあるチームでやれました。玉井さんってとても面白くて、レコーディングのときもすごく笑わせてくれるんですよ。楽しいんですけど、笑うと喉を使っちゃうからもう一回声出ししないといけなくて、毎回「んんっ(咳払い)、あーあー」とやってから歌ってます(笑)。

─「Ray of Light」は音の増減が多く、ビートのバリエーションも多彩で、とてもドラマチックな曲だなと思いました。

agehaspringsとのチームは2021年2月の「Not the End」以来なので、「Not the End」の強さというかエッジの効いた雰囲気を残しつつ、さらに今っぽい音を入れたりして進化した曲を作っていただいたので、映画はもちろん、音からもたくさんのインスピレーションをもらいながら歌詞を書きました。

─映画ではどんなシーンで流れるのか楽しみです。

歌詞を書く前にもう映像が完成していたので、大事な人を守るために自分を犠牲にする覚悟を胸に走り続ける響(主人公)の姿を見ながら「あー、ここで使ってもらえたら最高だな」って思う箇所がいくつかありました。そこで流れることを想像しながら歌詞を書いたんですけど、本当に大事なシーンで使っていただいているんですよ。いまはお家で映画を楽しむ方も多いと思いますけど、やっぱり劇場で体験してほしいですね。わたしは大きなスクリーンと迫力満点の音ですごく感動しました。



─響の気持ちになって書いたような感じですか?

『きみセカ』シリーズ全体を通して、響が愛する奥さんの来美や娘のミライのために命を削って戦い続ける姿をずっと見守ってきたので、もちろん彼がメインなんですけど、劇場版で初めて登場する大和と葵も、大事な人を守りたいという同じ想いを持って戦っているので、一人称を ”僕” とか ”わたし” にしないで、ちょっと広く解釈できるようにしたんです。彼らは壊れた世界で真っ暗な闇の中にいるんですけど、それでもあきらめずに戦い続けるんですね。その姿を見て、これをそのまま歌詞にしたいな、と思って書いていきました。



─その希望の光が「Ray of Light」(一条の光)ということですね。歌い出しの”The darkness shows me light” というフレーズの視覚的なイメージが鮮烈で、作品の世界にぐいっと引き込まれるような感覚があります。

響はずっと闇の中にいるんですよ。ゴーレムが現れて、日常は奪われていくし、どうしたらゾンビを退治できるのかもわからないし、愛する人は遠くにいるし。そこからシリーズを通して出会いや喪失を重ねていくんですけど、FINALで響を見たときに、すごくたくましくなっているなと思ったんですね。今作では自分よりも大切な娘を守るために戦う響に失礼のないような歌詞にしたくて、「これじゃ足りない。響がミライを思う気持ちはこんなもんじゃない」と思いながら、何回も何回も書き直しました。



─安田さんにはお子さんはいらっしゃいませんよね。そこは想像で補っていった感じでしょうか?

まだ子どもはいないけど、もしいたら自分の命よりも絶対に大事だから、何でもしてしまうだろうな……と想像したのと、去年、大親友が出産したんですよ。その子とミライを重ねて見たので、試写会にお邪魔したとき、涙が止まらなくなっちゃいました。これが愛の形だな、と思って。

前回のインタビュー で「語尾フェチ」とおっしゃっていましたが、例えば ”どんな明日が待っていようとも” の ”も” のところなど、苦しそうにメロディからアウトしていくことで切実さを表現していますよね。

やっちゃうんですよね~。けっこうそこは感覚的なので、後からハモを入れたりするときに大変なんですよ(笑)。自分でやっていることなのに「あれ?わたしこんな複雑な歌い方したのか!」と思って。という現象が今回のEPの中で3回は起きていますね。3回っていうか全曲(笑)。もっと計算して歌えたらいいのになと思うんですけど、やっぱりできないですね。瞬間的に生まれた感覚をそのまま歌に乗せているので。

─1番のいわゆるBメロ、 ”正しい事だけ選んでは” 以下の3行も、語尾フェチぶりが発揮されているというか、印象的な歌い方でした。

そうですね……語尾はやっぱり大事にしたいなと思います。語尾でニュアンスが全然変わると思うんですよね。息の残し方とか捨て方とか。そこは感覚ですけど、結局、苦しさをいちばん表現できるのって息だったりすると思うので、そのニュアンスが伝わっていたらうれしいですね。

─この曲でもうひとつ印象的だったのが2番の ”ひび割れてる迷図” という言葉です。迷路は英語でメイズ(Maze)だから、ということで漢字に置き換えたバイリンガル的な言葉遊びかと思ったんですが、検索したらパズルやゲームが好きな人たちの間では使われているみたいですね。

そうなんですね!英語と日本語の意味を重ねたのもありますけど、ここ1、2年くらい、いい音の響きをもっと歌詞に入れていきたいなって思っているんです。ずっと意味ばかりを考えていて音をあまり意識できていなかったけど、韻とか含めて、音が楽しい言葉を自分の曲に入れたいなと思って。それで ”迷図” って入れてみたんですけど、スタッフさんからも「これ、どういうこと?」と聞かれました(笑)。



─ピースフルで温かいバラード「声のカケラ」は中国のアニメ『烈⽕澆愁』の日本語吹替版エンディングテーマですね。これも原作を見て作られたんでしょうか。

中国語で日本語字幕つきのアニメを見させていただいて、自分と重なる部分を探していきました。戦うシーンもかっこよく描かれているので、最初は「戦い」をテーマにしようかなと思ったんですけど、ずっと見ていくと、実は過去につながりがあったんじゃないかとか、誰も知らない何かが過去にあったんじゃないかみたいなシーンがあって、「あ、過去とか記憶を歌詞にしてみてもいいかもしれないな」って思って、そこから歌詞を書いていきました。



─主人公二人の間に過去の縁があったと。

わたしはあんまり記憶力がよくないので(笑)、いろんなことを日々忘れてしまってはマネージャーさんに迷惑をかけるんですけど、大事な記憶ってちゃんと残っているな、って思う日がたまにあるんですね。仕事で失敗したり、失恋したり、なんかモヤモヤして調子が悪かったりすると不安な気持ちになるんですけど、そんなときにベッドで横になって「あーあ」ってなっていると、過去に出会ってきた人のことや、その人たちからもらった言葉がゆっくりフラッシュバックしてくる瞬間があるんです。振り回された言葉も、光をくれた言葉も、そのすべてがあったからこそ、わたしはいまの人生を選択してきたんだな、と思うんですよね。だから全部に意味があったのかもしれないな……って、いまになって言えることですけど。

─人生に無駄なことはなにひとつないと。だから ”声のカケラ辿ってくよ” なんですね。

いろんな優しい言葉にいまもわたしは救われ続けているな、って思いながら歌詞を書きました。毎日忙しくしていると、人生を振り返る機会ってなかなかないですけど、この曲がそのきっかけになってくれたらいいなって思います。わたしもいろんなアーティストの曲を聴いてヒントをもらって考えたりとか、何かを思い出したりするので。

─素敵な思いを込めてあるんですね。

音楽の力ってすごいっていうか、自分ひとりではたどり着けないところまで記憶を遡らせてくれる気がするんですよね。この「声のカケラ」が誰かにとってそんな存在になってくれていたらいいなって思います。

─すばらしい。この曲では、さっきおっしゃったようにうっかり工夫して後で苦労したみたいな箇所はありますか?

わたし、テンポから少しずらして歌うのが大好きなんですよ。小さいころからR&Bのレイドバック気味な歌い方が好きなので。曲によってはそれが合わないものもあって、「声のカケラ」をずっとレイドバックで歌ったらたぶんみんな疲れちゃうと思うんですけど(笑)、時折、ちょっとだけテンポをずらす遊びをちょこちょこやっています。



─「Turn the Page」は唯一、安田さんが作詞作曲されていますが、他の2曲とずいぶんイメージが違いますね。まずキーが低いし。

たしかに。このキーがたぶんいちばんナチュラルに何も考えずに出てくる、自分の中で響きやすいエリアなのかなと思います。

─すごくそう感じました。全然頑張っていない……と言うと語弊がありますけど(笑)。

まさにそうです。「歌うぞ!ファイティングポーズ!」じゃなくて、力を抜いて部屋で鼻歌を口ずさんでいたら曲になっちゃったみたいな、そんなテンションで歌いたかったので。

─ビートもR&Bっぽい、まさにレイドバックした感じで、僕は個人的な好みで言うと3曲の中でこれがいちばん好きでした。

本当ですか?ありがとうございます。この曲は去年の7月にBillboard Live TOKYOでやった10周年記念ライブで初披露した曲で、いつもサポートしてくれいてるクレハリュウイチさん(以下、くれぴょん)と一緒に作ったんですよ。コーラスをいっぱい足して足して、フェイクも何パターンも録って選んでいたら、「これ、重ねたら面白いんじゃない?」って話になって、重ねる予定がなかったフェイクを重ねてみたら「あ~!ぶつかって(不協和音になって)ない!すごい!まんま使える!」みたいな。そういう感じで実験をしつつ、遊びながらやったので、いろんな発見がありました。

─個人的に ”そんな似たもの同士が/出会うのがまた面白いね” のメロディが面白かったです。自由にフロウしている感じ。

ここはくれぴょんも「いやー、俺には絶対浮かばないメロだわ」って言ってくれたりして、すごく楽しかったです。

─くれぴょんさんのアレンジは、ずっと一緒にライブをやっていることもあるのか、お互い理解が深い感じがしますね。

すごいです。天才です。ライブのときもずっとわたしの呼吸を見てくれているんですよ。いつもライブだとけっこう自由にやっちゃうんですけど、ちょっとした動きとかを絶対に見逃さないんですよ。後で映像を見返すと、鍵盤じゃなくてずっとわたしを見て「どこ?どこ?あ、ここ!」みたいなのをずっとやってくれていて(笑)。だからストレスフリーすぎて、すごいです。天才って呼んでますね、くれぴょんのことは。

─あえて比較はしませんけども、とても歌いやすい……。

もう一番です(笑)。「最近これを聴いてるんだよね」「これめっちゃよくない?」みたいな音楽の情報交換を常にしているので、わたしがどういうサウンドが好きかも全部把握してくれているんです。あと、わたしの伝わりづらい説明を全部キャッチしてくれるんですよね。この曲、間奏で雰囲気がガラッと変わるじゃないですか。けっこう神秘的なゾーンがあるんですけど、そこも「人生いろんなことあって苦しいけどさ、たまにどっか旅したときに、崖の上から山とか朝日とか見て涙が出るくらい感動するときあるじゃん。それを音にしてみたい」って言って(笑)、「えーっ!が、頑張ってみるわ」って言って生み出してくれたんですよ。すごくないですか?ほんと天才です、彼は。

─たまに他のアーティストからもそういうお話を聞きますが、彼のように抽象的なイメージを具体的な音に置き換えるのが得意な人は、リクエストが抽象的であればあるほどむしろ燃えるのかも。

まさにそれを言われました。「そういうリクエストいっぱいほしい。イメージとか雰囲気とか、なんでもいいから」みたいな。それであんなきれいな音ができたので、すごいです。ライブのリハとかでも、バンドメンバーのみんなにけっこう抽象的なことを言ってしまうんですよ。「ギターソロ?海の底にゆ~っくり時間をかけて落ちていく石みたいな」とか言って、絶対に誰も「ちょっとよくわかんない」とか言わないで全部キャッチしてやってくれるんですよ(笑)。本当、みんな天才です!



─「Not the End - With ensemble」と「Circles - With ensemble」はWith ensembleのYouTubeチャンネルに上がっている動画と同じ音源ですよね。あれはどこで撮影されたんですか。

横浜のコンサートホール(神奈川県立音楽堂)のロビーです。ホールの中の客席でも写真撮影をしました。すごくきれいですよね。ほぼファーストテイクなんですよ。一回リハーサルでサウンドチェックして、本番、終了!って感じだったので、けっこう緊張感がありました。しかもふだんの環境とあまりに違いすぎて、聞こえてくる音も当然違うし、ロビーの空間もそうですし、カメラも回っているし。だからすごく緊張しましたけど、みんな「この一発に魂込めよう」みたいにすごく集中してやったので、いいテイクが録れたと思います。



─何がいちばんいつもと違いましたか?

ドラムの音がなかったことですね。テンポをキープするのがイヤモニから聞こえてくるクリックの音のみなので、そのカチカチを聞きながらいろんな楽器の音に包まれて歌うのは本当に難しかったです。クリックがなかったら絶対すぐに見失っちゃうかもしれない。アレンジ的にも例えばサビのきっかけみたいなものがないんですよね。流れるようにサビが始まって、ちょっと進んでからまた音がぶわーっと盛り上がるみたいな感じだから、たまに「あれ?わたしサビちょっと早く入りすぎちゃったかな?」とか思ったりして。楽器の音が全部消えて、クリックだけでサビを歌うシーンなんかもあったので、かなりドキドキしました。

─とてもそんなふうには聞こえなかったですよ。

本当ですか?オーケストラと一緒は本当に初めてだったので、リハーサルのときはけっこう怖気づきました。「ちゃんと歌える気がしない……大丈夫かな?」と思ってたんですけど、家で何回も何回もリハの音源を聴いてタイミングを自分の中に徹底的に入れて、きっかけがないからこそちゃんとカウントをして、なんとか歌えました。いつもよりも歌がていねいだった気がしますね。

─演奏家も大活躍されている達人ばかりですものね。

そうなんですよね。わたしがいちばんテンション上がったのがハープでした。実物を初めて見たので。ハープって神秘的……繊細な音もそうなんですけど、弾いてる姿もきれいだな~と思って、うっとりしてました。

─メンバーは少し違いますが、7月に公演もされていますよね。

そのライブも、いまお話しした緊張感にプラスしてお客さんもいるので、「これはやばい!」と思って何回か心臓がふわっとしました。加藤ミリヤさんも出演されていたので、ライブが終わった後にお話ししたんですよ。「わたし本当に緊張して、歌詞が何回も飛びそうになりました」って話をしたら、ミリヤさんも「わたしも何回も間違えそうになった。この中で歌うの本当に難しいよね。よく頑張ったよ」みたいに言ってくれて、あんなに場数の多い方でも同じように緊張されるんだな、それだけ難しい環境なんだな、とあらためて思いました。

─はぁ〜、想像を絶する緊張と集中ですね。

事後に映像を見たり音源を聴くとまったく何の違和感も抱かないんですけど、歌ってる最中は……なんて言うんですかね。みんなクリックを聴きながら演奏してるんですけど、リズムってクリックがすべてじゃないじゃないですか。その場のわずかなリズムのズレも含めて気持ちのいいグルーヴが出るものですよね。なのにわたしはクリックに気持ちが行きすぎて、楽器で作ってくれたグルーヴに乗り切れてないな、「あ、むずかしい…」って歌いながら感じるポイントが何か所かありました。あれはなんだったんだろう、っていまだに思います(笑)。

─やったことがない僕が偉そうなことは言えませんが、アスリートと同じで、やっている最中はものすごく集中しているから、感覚が極限まで鋭くなって、出来上がったものを見たり聴いたりするのとは桁違いの解像度で……。

そうですね。その瞬間、音の中にいるときには、細かくいろんなものが聞こえていたからそう感じたのかな、とは思うんですけど。そういうグルーヴというか、うねりみたいなものにもっと乗りたかったなっていうのはありますね。

─とても貴重な経験をされたんですね。

はい。オーケストラの中に入って歌いたい、というのは本当に夢だったので、すごくうれしかったです。

─収録曲は5曲だけですが、曲調にもそれぞれが促す鑑賞法にもすごく幅があって、歌手・安田レイをきっちりパッケージしたEPなんじゃないかなと思いました。

ありがとうございます。デビュー10周年を迎えてTurn the Page(ページをめくる)をして、レーベルも移籍して、真っ白なページにこの『Ray of Light』を入れることができて、ここからがまた新たなスタートだと思っています。そのスタートにいろんなジャンル、いろんな世界観の自分を表現できた曲を収録できたのはすごくうれしいです。



─前にお話をうかがったとき(2021年10月)は久しぶりの有観客ライブを前に「ファンのみなさんのお顔を見て歌えるので、とにかく楽しみです」とおっしゃっていました。それから2年経ってどう変わりましたか?

去年、久しぶりにツアーをしたり、10周年ライブもあって、ずっと我慢していたものが大爆発したと思います。わたし自身もそうだし、ファンのみんなもずっと待ち続けてくれてたと思うし。久しぶりの再会で、やっぱりちょっと緊張している雰囲気があったんですよね。わたしも友達に久しぶりに会うときは緊張するので、すごく人間らしい空気感だなと思いました。わたしも最初は緊張していたし、「どうやって空白の数年間を埋めていこうかな」と思いながらでしたけど、いざ歌いはじめたらどんどん感覚を取り戻して、あっという間にあの日に戻れたんですよね。みんなと一緒に声が出せる、この当たり前がずっと当たり前であってほしいなって実感しながら歌いました。

─お客さんの前で歌うというのは、お友達に会ったりするのと意外に近いコミュニケーションなのかもしれませんね。友達と久々に会うと、最初はちょっと照れくさくて目を合わせなかったりするけど、気がついたら昨日も会ったみたいにワーワー盛り上がっている。

そうなんですよ。終わったころはみんなホッカホカみたいな(笑)。目が合わないって例えがまさにそうで、最初はちょっとみんな寒そうっていうか、ちょっと緊張してて「あ……」「きゃっ」みたいな(笑)。でもいつの間にかみんな手を上げて動いてるし、部屋の温度も上がってるし。「あーこれこれこれ!これよ!久しぶり、みんなー!」みたいな気持ちになって。そのグラデーションがすごく面白いツアーでした。

─ブルーレイに入っているのは10周年のライブのほうですね。

「Turn the Page」は「未発表曲を1曲作りたいね」っていうことで作りはじめたんですけど、初披露なのにシングアロングのパートを作っちゃったんですよ。知らないメロを歌わせるという、なかなかの無茶振りをしてしまったんですけど(笑)、アンコールでもう完全に温まった状態だったので、みんなも「よくわかんないけどとにかく声出すよ!」みたいな感じで元気に歌ってくれました。2部制だったんですけど、1部を見てくれた人たちも何人かいて他のお客さんを引っ張ってくれたので、2部ではみんなさらに大きな声で歌ってくれました。

─お話を聞くだけで胸が温かくなります。

ん~!本当、みんなの愛を感じます。

─それだけお客さんも安田さんの歌に元気をもらっているということだと思います。最後に安田さんのほうから何か言っておきたいことがあればお願いします。

ジャケット写真とMVの話してもいいですか?ポスターがめっちゃいいのでお見せしたいんですよ。ぜひ見てみてください(広げる)。



─わー、きれいですね。

あまりに植物がきれいに写っていて、一瞬AIに見えません(笑)?これ、西伊豆にある植物園の廃虚で撮ったんですよ。行ったことはなかったんですけど存在は知っていて、いつか撮影に使いたいなって前から思っていたんです。MVもここで撮影して、とてもいい映像が撮れたので、ぜひ観てほしいです。MVとジャケ写を同じ日に同じ場所で撮ったのは初めてだったから、すごくバタバタしましたけど。

─写真の具合もあるんでしょうが、なんだか神秘的に見えます。
生と死が共存しているんですよ。枯れている植物もあるし、誰も肥料もお水もあげていないのに、太陽の光だけで勝手に生えてすくすく成長している子もいる。そのバランスが『きみセカ』にも『Ray of Light』にもすごくリンクするなと思ったんです。
<リリース情報>


初回生産限定盤


通常盤初回仕様

安田レイ
New E.P.『Ray of Light』
2024年2月7日発売
【初回生産限定盤】
6,000円(税込)
Blu-ray付き二枚組、封入ポスター、豪華デジパック使用、フォトブックレット(16P)
【通常盤初回仕様】
1500円(税込)
アニメイラスト使用のワイドキャップステッカー仕様
https://reiyasuda.lnk.to/Pllk96
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