「今も昔も“ボッタクリ”だらけ」旅の達人が驚いたインド旅行の“これがヤバい!”3選

今も昔も乗り物には要注意

「今も昔も“ボッタクリ”だらけ」旅の達人が驚いたインド旅行の“これがヤバい!”3選

12月30日(土) 16:30

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「インドに行くと人生観が変わる」とはよく聞く言葉だが、それほどまでに日本とは常識が異なる。旅した人たちの感想は極端だ。すっかり魅力に取り憑かれてしまう人もいれば、「もう二度と行きたくない!」と言い放つ人までいる。旅行作家・ジャーナリストの 嵐よういち 氏は後者。しかし2023年、13年ぶりにインドを訪れて鉄道で旅してみたという。

その一部始終は最新刊『 インド超特急!カオス行き 』(産業編集センター)に詳しいが、これまでに93か国を訪れた旅の達人、バックパッカー界のレジェンドである嵐氏が今回のインド旅行で改めて「これがヤバい!」と感じたものとは?(以下より寄稿)

①野良犬「噛まれて狂犬病が発症したらほぼ100%死亡する」

まず最初にインドで「ヤバい」と思うのは野良犬の多さである。

途上国の野良犬は狂犬病の注射を打っていない。狂犬病は発症した場合の致死率はほぼ100%(※)なので、もしも噛まれてしまったら病院に直行しないといけない。帰国後にも数回注射を打たなければならず、絶対に噛まれないようにしたい。

(※)厚生労働省検疫所「狂犬病(Rabies)とは」

筆者は犬が大の苦手で、海外で野良犬を見かけても近づかないようにしているが、知り合いで噛まれた人は犬好きだったりして、野良犬を舐めていた。わざわざ野良犬がたむろしているところに近づき、吠えてこないし大人しかったからといって、餌を食べている最中の犬を跨ごうとしたら突然「ガブッ」とやられてしまったとか。

懐いてくるので可愛がっていたら…

ほかにも遊んでいたらいきなり噛まれたという人もいる。

たとえば、筆者の友人にインド在住の日本人男性・Kさんがいるが、彼はインドの野良犬をかなり警戒していて、ふだんは近づかないようにしていた。

会社帰り、自宅近くをいつもウロウロしている犬が数匹。その中の一匹がやたらKさんに懐いて甘えてくる。最初は避けていたものの、もともとは犬好きのKさんは、それに応えるように少しだけ可愛がっていたところ、腕を甘噛みされてしまったという。見ると、腕から出血していた。そして慌てて病院に行くが、今でも激しい後悔があるようだ。

首都のニューデリーは細い路地にも大きな犬が闊歩している。筆者が狭い路地にある宿から一歩外に出ようとすると、黒い大型犬が突進してきたので慌てて避けると、そこにもう一匹がやってきて、飛び上がるように宿に戻ると、それを見ていた友人と地元の人はそれが滑稽だったようで、大笑いしていた。

インドでは都会・田舎を問わずに野良犬がたくさんいる。昼間はまだ大人しくしているが、動物の本能なのか、夜には野生化する。地元の人でも危ないが、とくに体臭が違う外国人に対しては攻撃的になるので、心配な人は外から宿に戻るまでは乗り物を使うか、複数人で行動した方がいいかもしれない。

もしも夜道で10匹以上の犬がいて、周りに人もいない状況で身に危険を感じる状況に陥ったならば、石を拾って、思いっきり投げるべき。遠慮は無用。そこで可哀そうだとか躊躇していたら、それこそ危険である。

②衛生面「美味しそうな屋台も裏側は…」

インドは衛生面で悪いと言われているが、それは本当だ。インドを何回も訪れている人や、滞在が長い人は慣れていて大丈夫なのだと思うが、そうではない人や短期旅行の場合は、とくに衛生面に神経質になった方がいいだろう。

とはいえ、生水は飲まない、口を軽くすすぐ時もペットボトルの水を使い、屋台を避けるだけでいいかもしれない。

旅先で屋台が美味しそうに見える気持ちはわかるが、筆者は屋台の裏側を見たことがある。ちゃんと食器を洗っていなかったり、ネズミや見たこともないような虫が発生していたり……。暑い季節には傷んだものをそのまま料理に使うこともあり、日本のような衛生観念などはないと思っていい。それでも構わないという人は自己責任で。

腹痛や下痢で済めばいいが、ウイルス性のやっかいな病気になって強制帰国になった人も知っている。

ガンジス川で沐浴したら体調不良に…

バラナシのガンジス川は旅人にとって憧れでもある。泳いでいる人も多いが、水質はかなり悪く、政府の調査で基準値の20倍以上の大腸菌が検出されたこともあるそうだ。

人間のトイレにもなっているし、牛なども糞尿を垂れ流しているから当然である。旅行者に泳ぐなとまで言う気はないが、避けた方がいいかもしれない。沐浴すると、口や肛門、傷口などからバイ菌が入り、たいていの人が体調を崩してしまう。それだけで済めばいいが、腸チフスやコレラなど、さまざまな感染症にかかるリスクがある。

③詐欺師たち「今も昔もボッタクリだらけ」

今も昔も詐欺師によるボッタクリの被害が後を絶たない。在インド日本国大使館などがSNSでも注意を促しているが、いっこうに減る気配がない。

詐欺やボッタクリを含めたトラブルは、次に紹介する「乗り物」や「街で声をかけてくる人」から発生することが多い。

空港から街までの「乗り物」に注意

インドの主要都市の空港から市内まではトラブルが多い。以前に比べて現在はまともになったとも思うが、気を付けた方がいいだろう。たとえば、ニューデリーの国際空港から市内までは主に4つの移動手段がある。

プリペイド・タクシーは行き先ごとに料金が決められており、カウンターで先に料金を支払うパターンと後払いがあるが、運転手の中には悪党がいて、しつこく悪徳旅行会社に連れて行こうとしたり、因縁をつけてお金を取ろうとする者もいる。

やっかいなのが夜の時間帯で、しばらく走っていると謎の第三者が乗り込んできて、しつこく旅行会社に誘ってきたり、暗い場所に連れて行かれて「俺たちはマフィアだ。いくら払わないと殺すぞ」とか、ロクなのがいなかった。

最近では少しだけ改善しているように思えるが、初めてインドに行く人や、旅慣れていない人はプリペイド・タクシーは避けた方がいい。

宿から迎えに来てもらうのがベスト

配車アプリのウーバーなどは空港に専門の乗り場があり、そこで呼ぶのがいいのかもしれないが、なかなか車が掴まらないのが難点で、インドに到着したばかりでSIMカードの問題などもあるかもしれないし、スマホがうまくつながらない場合もあるので、旅慣れた人をのぞいて戸惑う可能性もある。

ニューデリーの空港から市内まではメトロが通っているので、到着がよっぽど夜遅くじゃない限り使えばいいが、終点のニューデリー駅に到着してから自力で移動しなくてはいけない。そこに悪党たちが張っていて、トラブルに巻き込まれた人の話も多数報告されている。旅慣れている人は問題ないが、そうじゃない人や荷物の多い人は避けた方がいいかもしれない。

じゃあ、どうすればいいのか。いちばん良いのは、宿で迎えの車を手配してもらうことだ。料金も筆者の泊まっていたホテルなら14ドルだった。空港出口で名前が書かれている大きな紙を持ってドライバーが待っていてくれるし、なんのトラブルもなく宿まで連れていってくれた。

馴れ馴れしく声をかけてくる人のほとんどが「詐欺師」

ニューデリーやバラナシなどの外国人が集まる場所には、詐欺師たちがたくさん待ち構えている。日本語や英語で親しげ、馴れ馴れしく話しかけてくる人のほとんどが詐欺師なので、全く相手にしないほうがいい。

無視したら相手に悪いとか考えなくて大丈夫。相手と目を合わせず、話しかけられても絶対に返さない。なかには無視されていることに怒り、悪態をつくのもいるが相手にしない。筆者はそれで問題なかった。

前述したバラナシのガンジス川の沐浴場にも観光客が集まるが、詐欺師たちもまた集まっていて、ウザいほど話しかけられまくる。日本人の若い女性が椅子に座って詐欺師たちと話し込んでいたが、その後どうなったかは定かではない。

川沿いには遺体が焼かれる火葬場があって、そこの高台から見学していると、サングラスをかけた怪しい男が勝手にガイドを開始した。このような場合も後から「説明したのだから金をくれ!」なんて言われるのがお決まりのパターン。速攻でハッキリと断らなければいけない。

近くにいたロシア人男女4名のグループの女性が「もう知っているから!」とすごい剣幕で返すと、その男は我々に向かって「ガイドは必要ですか?」とたずねてきた。当然のごとく断ると、どこかに行ってしまった。このように相手がガイドを勝手に始めても「いらないから」とキッパリ断ればいい。

これからインドを訪れる予定の人や、興味がある人もいるはずだが、インド旅行は依然としてハードルが高く、一筋縄ではいかないことが多いのは確かである。ぜひ参考にしてみてほしい。

<文/嵐よういち>

【嵐よういち】
旅行作家、旅行ジャーナリスト。著書の『ブラックロード』シリーズは10冊を数える。近著に『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』(彩図社)がある。人生哲学「楽しくなければ人生じゃない」

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