cali≠gari 村井研次郎が語り尽くすヴィジュアル系とアイドル[インタビュー前編]「キスエクは間違いなくオンリーワンですよね」

cali≠gari 村井研次郎が語り尽くすヴィジュアル系とアイドル[インタビュー前編]「キス……

cali≠gari 村井研次郎が語り尽くすヴィジュアル系とアイドル[インタビュー前編]「キスエクは間違いなくオンリーワンですよね」

8月19日(土) 12:00

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Pop’n’Rollにて連載中の「偶像音楽 斯斯然然」の兄弟企画『偶像音楽 シン黒子列伝』。音楽ライターの冬将軍が、今気になるアイドルグループのプロデューサーやクリエイター、マネージャーなど、“黒子=裏方”にインタビューを実施。普段なかなか見ることのできない彼らの仕事や生き様にスポットライトを当てていく。第5回目に登場するのは、Berryz工房やこぶしファクトリー、でんぱ組.incなどのレコーディング参加、プログレッシヴ・アイドル『XOXO EXTREME』への楽曲提供/ライブサポートを務めているヴィジュアル系ロックバンド・cali≠gariのベーシスト・村井研次郎。まったく異なるフィールドで活動していた村井がアイドルに関わるようになったいきさつや、アイドルとの仕事を通じてアーティストとして発見したこと、ヴィジュアル系とアイドルの類似点などについてたっぷりと語る(全2回/前編)。

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村井研次郎プロフィール
1974年6月15日生まれ、神奈川県横浜市出身。2002年にヴィジュアル系ロックバンド・cali≠gariのベーシストとしてメジャーデビュー。COALTAR OF THE DEEPERSなどのバンドのみならず、Berryz工房やこぶしファクトリー、でんぱ組.incなどのアイドルのレコーディング、その他サポート/セッションなども行なう。cali≠gariは、2023年6月21日にニューアルバム『16』をリリース。

今回『シン黒子列伝』で迎えるのは、ヴィジュアル系ロックバンド、cali≠gariのベーシスト・村井研次郎。SEX MACHINEGUNSやCOALTAR OF THE DEEPERSといったバンド遍歴をはじめ、さまざまなアーティストの音源やライブでのサポート、セッションへの参加など、精力的に活動をしている。変態&テクニカルな唯一無二のプレイを誇る、日本屈指の実力派ベーシストだ。

村井はハロー!プロジェクトのBerryz工房やこぶしファクトリーなど、アイドル楽曲にも数多く関わってきた。近年ではプログレッシヴ・アイドル、XOXO EXTREMEへの楽曲提供、そしてライブサポートを務めている。

とはいえ、アイドルメディアで泣く子も黙るヴィジュアル系凄腕ベーシストのインタビューなど、そうそうない話である。これは、以前、Pop’n’Roll鈴木編集長が村井氏の教則本の編集担当を務め、ヴィジュアル系シーンにも縁の深い私、冬将軍だからこそ実現したものである。

アイドルメディアのカテゴリに収まりきらない、前代未聞の超濃厚ロングインタビューを前後編でお送りする。

“イエス聴いた方がいいよ”って言ったら、プログレハラスメントになっちゃう
ーーXOXO EXTREME(キスアンドハグエクストリーム、以下、キスエク)はいつから関わっているのですか?

村井:
2020年です。諸田英慈くんというアレンジャーが、NARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS、特撮)さんの弟子で、ずっと前から知り合いだったんです。僕は地下アイドル自体何も知らなかったんですけど、諸田くんから“こういうアイドルをやってるんで、曲書きません?”と言われて。ちょうどハロウィンみたいな曲が手元にあって、それが「Ride a Tiger 〜虎とアリス〜」。

XOXO EXTREME「Ride a Tiger」(2020年)

もともとあった曲なので、キスエクのために書いたわけじゃないんですけどね。それまで外部に楽曲提供すること自体がなかったわけですよ。ずっとバンドマンとしてやってきたので。もっというなら、作曲以前にべーシストだし。ベース弾くことはあっても他人に曲書くことはないなって。ただ、“プログレアイドル?何それ?”って、興味を持ったんですよ。

ーー最初はそう思いますよね。

村井:
ライブを観に行ったら“すごいな、変拍子でも踊るんだ”と感動して。そこから勉強して、いろんな音楽やってるアイドルがいる、シューゲイザーアイドルもいるんだとか知れて。それを総じて、楽曲系でしたっけ?

ーー“楽曲派”ですね。

村井:
そうそう、楽曲派っていうのがあるんだと知って。みんな、曲のクオリティがものすごい高いですよね。よくよく調べると僕くらいの年齢の人たちが、昔は自分がやってたけど、今は運営という形でプロデュースや楽曲提供をやってるというのがわかった。元ヴィジュアル系バンドマンがいたりとか。そこからプログレを意識しなくても、勝手にプログレッシヴな曲ができていった。これを若い子が歌うんだ、楽しいなって。他人に曲を書くって楽しいなってことに気づいたんですよ。

ーー外部への楽曲提供という意識が高まったと。

村井:
今まで曲作るにしても、自分のバンドのためだから。cali≠gariもSEX MACHINEGUNSもそうですけど、ギターもドラムも、演奏してくれる人間がいるわけだから、そこは適当でいいんですよ。自分のヘタクソな歌やアバウトなギターでも、それがメンバーに伝わればいいわけです。だからバンドでは、再現性あるレベルでしか曲を作ってこなかったんです。でも楽曲提供するならもっとちゃんと作らなきゃなっていうことで、Macをバージョンアップして。ギターやボーカルのソフトも改めて揃え始めたんですね。だから45、6歳になってDAWをまたイチから勉強し直してる感じですね。

ーークリエイター意識が目覚めたんですね。

村井:
楽しくなってきましたね。cali≠gariじゃあまり経験できない作業だし。僕、ソロアルバム(『UNDERMINED』2018年)を5年くらい前に出したんですけど、それはがっつりプログレだったんです。でもアイドルだと、ふざけるっていうと語弊がありますけど、小ネタをガンガン入れられるじゃないですか。この前もキスエクで「HA・LO・WA」っていう新曲やったんですけど、TOTOの「Child’s Anthem」の間奏の部分を思いっきり使って。「Ride a Tiger」も、もともとハロウィンっぽい曲だったんですけど、諸田くんがフォーカスっていうプログレバンドのフレーズを入れたりとか。楽しいですね。キスエクはELPやキング・クリムゾンのオマージュだったり、フランスのマグマっていうバンドのカバーをしていたり。プロデューサーの大嶋(尚之)さんに会って、これはガチだなって。そういう楽しみ方をアラフィフになって知って。生き甲斐が見つかったっていうと大袈裟かもしれないけど。みんな悩む人多いじゃないですか、バンドマンって、将来というか。自分ももう来年50歳になるし、だから新しい音楽活動ができるっていいなと。

ーーバンドではできなかったことがアイドルではできる、何やってもいいとでもいうか、許されることも多い。

村井:
そうそう、許される。cali≠gariで曲を作る時って、やっぱりcali≠gari前提で作るんですよ。(桜井)青さんが弾く、(石井)秀仁くんが歌うってことを想定して組み立てていくんですが、好き勝手に曲を作る、例えばエイジアみたいな曲作っていいんだっていう。それを女の子が歌う前提で、ちゃんとしたデモを作るっていうこと自体も初めて。cali≠gariは全部完成させることもあるけど、3割くらいで出しちゃうこともあるし。それに、キスエクに参加してるほかの人って、ガチめのプログレを作ってる人が多いんですけど、僕はガチめはあまり作ってないんです。今のところ3曲作ってるんですけど、みんなプログレハードとでもいうか、ジャーマンメタルですね。ブラインド・ガーディアンとか、エイジアとかラッシュとか、その辺の雰囲気で作ろうかなと。そう考えると、やりたいことがいっぱいありますね。キスエクの子たちはプログレを一生懸命勉強しようとしていて、すごいなって。

ーーキスエクのメンバーと音楽の話とかするんですか?

村井:
いやぁ、歳取ってマウント取るのもねぇ。昔はMUCCのミヤくんは家も近かったから、無理矢理(クリス・)インペリテリ聴かせたり、ゲイリー・ムーア聴かせたりもしましたけど(笑)。今は何言ってもハラスメントになっちゃうじゃないですか。“これ聴いた方がいいよ”とか絶対言っちゃダメ。キスエクだったら“イエス聴いた方がいいよ、キング・クリムゾン聴いた方がいいよ”って言ったら、プログレハラスメントになっちゃう。知らないくらいが可愛かったりもしますから。高田純次がよく言ってるけど、歳取ったら昔話と自慢話はしない。同じ歳くらいだったら懐かしい話はするけど若い人相手だったらドキドキですよ。絶対に“昔はこうだったって”言わないようにしようって。無意識に言っちゃうこともあるんで。現場に行く時は気を遣います。髪の毛綺麗にして、加齢臭対策にシュッシュってやって。もう、困ったもんですよ(笑)。

ーーあははは(笑)。

村井:
でも、アイドルとメタルとプロレスが好きな人って多くないですか?

ーーああ、わかります。ももいろクローバーZもプロレスのテイストを取り入れて成功しましたし。

村井:
アイドル好きはメタル好きが多くて、メタル好きはプロレス好きが多くて。プロレス好きは爬虫類好きが多いイメージ(笑)。だから自分はそんなイレギュラーなタイプではないと思うんですけどね。でもまぁ、モテる要素はないですよね。アイドル、メタル、プロレスって。昔だったら、ヒソヒソとやってる趣味。今はネット上で堂々となんでも言えるけど。

長く続けたいと思うと、オンリーワンでいたいという気持ちが強くなる
ーー4月にZepp DiverCity(TOKYO)で行なわれた、キスエクの<5thワンマンライブ~Ultimate UNION~>にベーシストとして参加しましたが、いかがでしたか?

村井:
僕は本当は観たいんですよ、出たいわけではなくて。出たら観られない(笑)。やっぱり観る方がいいですね。あとで映像も観たんですけど、生で観たかったなって。

ーー音圧がすごかったです。村井さんって、ベースの音デカいですよね。

村井:
“生音がデカいですね”って、若いバンドマンに言われますね。最近の子は機材の性能が昔より良い分、生音がみんな小っちゃいんですよね。でも、そういうこと言っちゃいけないんだろうな。でも、みんなウマいからすごいなあと思います。

ーー最近のバンド、みんな音が小さいですよね。ギターもフィードバックを知らないっていう。シミュレーターやプラグインで練習してるから。

村井:
ドラムもV-Drum(Rolandの電子ドラム)だったりするから、本当のドラムの鳴らし方がわからなかったりしますよね。こないだcali≠gariのレコーディングで元GRASS VALLEYの上領亘さんに叩いてもらって。めっちゃソフトタッチに見えるんですけど、めっちゃ音が太くてデカいんですよ。どうやってんのかなって。でも僕らみたいな昭和のミュージシャンは若い子にテクじゃ勝てないけど、楽器の鳴らし方を知っているから、それくらいしか勝負できないよなって思います。

ーーバンドは自分たちで動けるけど、アイドルはプロデューサーや運営主導で動くじゃないですか、その辺りの動きをどう見ていますか?

村井:
やっぱり地下アイドルとはいえ、大事な情報は一切入ってこないですね。“あー、この子卒業しちゃった”って、Twitterで知るんです。でも、そうやってアイドルを運営しているのを見て、いつも大変だなぁって思います。やっぱり運営さんって、元ミュージシャンが多いから。ミュージシャンには向いていても、運営ってまた別のスキルじゃないですか。だから誰か手伝ってあげなよ、運営は運営でちゃんとした人がいればいいのになって思います。本来は運営が得意な人ではないと思うから。でもお金のことを考えれば最小単位でやるしかない。どの運営の人もそんな感じで大変ですよね。曲書いて、チェキ撮って……女の子も言うこと聞かないこともあるじゃないですか(笑)。突然“明日休みます”みたいな話も聞いたことありますし。LINEで“やめます”とか。普通は仕事なんだからちゃんと面と向かって挨拶すべきじゃないですか。でも今の子にとって、LINEでやめることを伝えるのは普通なのかもしれないですね。アルバイト感覚の子も中にはいるんでしょうね。それを本気にさせるにはどうすればいいんでしょう……でも恋愛もしたいですよね。何かしらファンと連絡取ったとか、そういう話もよくニュースで聞きますよね。最初は僕も警戒されたかも(笑)。

ーーあははは、バンドマンは仕方ない(笑)。

村井:
そりゃ、警戒されますよ、バンドマンが来たらねぇ。自分が運営やってたらバンドマン、嫌だもん、壁作ります!

ーー村井さんもそれだけキスエクさんには期待しているってことですよね。

村井:
売れたら相当面白いな、とは思います。でも、インディーズヴィジュアル系バンドにも言えることかもしれないけど、売れてほしいけど手放したくない、目の届くところにとどめておきたい、そういう裏腹な気持ちがファンの本音かもしれないですしね。キスエクはあれだけニッチな音楽やってるから、ドーン!と売れたりということはないのかもしれないけど。

ーーバカ売れすることが正解ではないのは、バンドもアイドルも一緒ですよね。売上や動員だけでは音楽は測れない。

村井:
僕もcali≠gariっていう、もともとニッチな音楽をやっているので。ある程度亜流にいたい自分がいつもいるんです。本流に行く自信がないとでもいうか。できれば変化球だけで勝負したい。バンド始めて30年くらい経ちますけど、ど真ん中のことをやったことは1度もないんですよね。生まれ変わっても本流には行かないだろうな。恥ずかしいのかな、どうしても変なことやろうとする。売れたいと本気で思ってないのかも。売れたいというよりも、長く続けたいという気持ちの方が上回ってるからかなぁ。長く続けたいと思うと、オンリーワンでいたいという気持ちが強くなる。

ーーナンバーワンより、オンリーワン。自分にしかできないことをやるのが、表現者としての本懐ではないかと思います。

村井:
僕、東大に行ってメタルバンドをやるのが夢だったんです。その考え自体が変じゃないですか。東大に行って、見た目で目立とうと思って。それは叶わなかったですけど。そもそもベースをやってる時点でちょっとズレてますよね。イケメンで自分に自信があるのならボーカルやるだろうし。そういう自信がないから、人と違うことをやってるんだと思う。でも1人じゃ何もできないから変な人と変なことをやり続けたい。というと、cali≠gariがぴったりだなってなるんですよね。キスエクも絶対オンリーワンだから、頑張って続けてほしいですね。

試しにキスエクの特典会並んでみたんですよ、最後尾札持って
ーーシーンとして、ヴィジュアル系とアイドルに共通なものを感じたりしますか?

村井:
どちらも主流じゃないですよね。特に地下アイドルとコアなヴィジュアル系は似たような匂いは感じますね。両方とも黙っていて自然と耳に入ってくるものじゃない。自分から探しに行かないと入ってこないもの、本当に好きな人しか来ない場所。ファンにとってはそこがたまらないのかもしれないですね。テレビつけた瞬間、ネット開いた瞬間に自動的に入ってくる、そういう音楽はあまり興味がないのかもしれないです。ヴィジュアル系も地下アイドルもヘヴィメタルも、情報を取りに行かないと。あと、プロレスね!あ、地下アイドルじゃなくて、ライブアイドルか。“地下アイドル”って蔑称なんですか?

ーー数年前までは、オリジナル曲を持っていない細々とやっているアイドルのことを指しましたけど、今は定義みたいなのが広がって自分から地下アイドルと名乗るアイドルも増えましたね。だから、けっこうライトに使われることも多いです。“ヴィジュアル系”や“ヲタク”と一緒ですね。どちらも最初は蔑称でしたし。

村井:
もっと下の、“地底アイドル”なんていう言い方もありますよね。ヴィジュアル系も、“マイナー盤”、“メジャー盤”とか言いますよね。

ーーヴィジュアル系とアイドルは、演者とファンの信頼関係みたいなものも似ていると思います。

村井:
ヴィジュアル系もファンとの距離は近いし、似てますよね。あとインディープロレスですね。物販にメンバーが立つかどうかも大きい。後楽園ホールで興行をやる団体はレスラーが物販に立つこともありますよね。あとは、チェキを売るか一緒に撮るか、とか。cali≠gariはやっていないですけど。でも僕はたまに、物販には立っちゃうんですよね。青さんと秀仁くんは立たないんですけど。東京の大きいところは立たないけど、地方とかだとライブ終わりにメイクしたまま。まぁ、規模が大きいアーティストになればなるほど物販に立つことは当然少なくなりますよね。

ーーアイドルでも物販でチェキを販売するかどうかで“地下”かどうか判断する節はあります。

村井:村井:
AKB(48)とか乃木坂(46)って、やっぱりやらないんですか?

ーーいわゆる“地上”と呼ばれてるところは、“CD(音源)の購入特典”という形ですね。物販で直にチェキを売ったり撮れたり、っていうのはないです。

村井:
僕、キスエクのライブ会場で試しに並んでみたことがことあるんですよ。最後尾札持って(笑)。

今、ヴィジュアル系より地下アイドルの方が全然多いですよね
ーー自分がアイドル界隈で村井さんのお名前見たのって、Berryz工房のベースだったんですよ。「一丁目ロック!」を聴いて、“なんだこの超絶技巧のベースは!?”と思ったら、村井さんだったっていう。

村井:
あれはDASEINっていうバンドでギターを弾いてた朝井泰生さんが、つんく♂さんの編曲もやっていてその関係でお誘いいただいて。なので、ハロプロさんでも数曲弾いてますね。

ーーこぶしファクトリー「This is 運命(こぶし2016Ver.)」や、ハロー!プロジェクト モベキマスの「かっちょ良い歌」とか。

村井:
メタルっぽい曲があると、NARASAKIさん経由でお話をいただいたこともあります。NARASAKIさん、BABYMETALとかやってるし。ももクロとかも。こないだもNARASAKIさん経由で、でんぱ組.incのえいたそ(成瀬瑛美)さんの曲弾きました。めっちゃ速いヤツ。

ーー「レジェンド・オブ・エイ」ですね。DIR EN GREYの薫さんが参加している。

村井:
そう、薫さんがギターソロを弾いてます。NARASAKIさんも天才ですからね。COALTAR OF THE DEEPERS(以下、COTD)もすごい勉強になる。まさにオンリーワン。キスエクのNARASAKI さんの書いた曲「ADELHEID」がカッコよかったんですけど、あれ、COTDのアルバム『Yukari Telepath』(2007年)に入る予定だった曲だったそうで。

XOXO EXTREME「ADELHEID」(2022年)

ーーあ、やっぱりそうなんですか。鈴木編集長と“COTDだ!”って、話していた曲です。

村井:
NARASAKIさんに“村井くん、ベース弾いてるよ”って言われて。覚えてなくて(笑)。10何年前の曲ですからね。でもやっぱり、あの素晴らしい曲、天才ですよ。芸術性の極み。

ーー自分はヴィジュアル系とアイドルが総合芸術の極みだと思うんです。ベクトルは違えど、魅せ方含めた本質は同じだなって。

村井:
確かに。でも今、ヴィジュアル系より地下アイドルの方が単純に数で言えば全然多いですよね。今の若い子がバンドやろうと思ったら、ワンオク(ONE OK ROCK)とかRADWIMPSとか、そういう方向でやるだろうしなぁ。

ーーロックバンド、特にヴィジュアル系は若い人がやるもの、聴くものという認識だったと思いますが、そのまま演者もファンも歳を重ねて、50代のヴィジュアル系バンドも増えました。逆に若いバンドじゃ出せない大人の色気や熟練味を感じさせるバンドも多いですし。

村井:
なんかこういう言い方は誤解を生むかもしれないけど、歳の取り方って、ものすごく大事で。cali≠gariはたぶんウマく歳は取れてる方だとは思うんです。周りを見ていると、みんなどこかで化粧落として、どこかでナチュラルにしていくじゃないですか。そこを含めて歳の取り方もしっかり決めなきゃダメですよね。そこがブレちゃうとダメ。音楽もブレちゃいけないけど、ビジュアルもそう。そういう意味でBUCK-TICKという偉大な先輩は本当に指標になりますね。これは自慢なんですけど、僕、<BUCK-TICK FEST(ON PARADE)>に2回とも(2007年、2012年)出てるんです。cali≠gariとRUNAWAY BOYS(kyo and nackie)で。2回出てるのは僕とkyo(D’ERLANGER)さんしかいないんです。プチ自慢なんです!

(後編に続く)


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