「日本代表の不調を鎌田大地が象徴していた」 スペインの名指導者がコロンビア戦を厳しく分析

佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「日本代表の不調を鎌田大地が象徴していた」 スペインの名指導者がコロンビア戦を厳しく分析

3月30日(木) 17:15

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「カタールW杯後、日本代表は新たな戦いを組み直しているのだろう。鎌田大地の起用法ひとつとっても、まだ答えを見つけられていない」

スペインの目利き、ミケル・エチャリはそう言って、日本がコロンビアに1-2と完敗した試合を振り返っている。レアル・ソシエダで20年近くさまざまな役職を歴任。今も同チームに強い影響力を残すエチャリは、言葉を選びながらも厳しい分析をした。

「ウルグアイ戦で、私は鎌田が前線で孤立していたことを指摘した。彼は中盤と前線をつなぐ仕事をすることで特性を生かせる。しかし、ボランチで守勢に回ってしまうと、途端に悪い面のほうが出ていた。同点弾を叩き込まれた場面も、本来、ボランチが素早く帰陣し、クロスのコースを切っておくべきだった。守田英正との連係もないに等しく、バックラインからのパス出しもスロー過ぎた。

その不調は、日本の不調を象徴していたと言えるだろう」

エチャリは、コロンビア戦で何を見極めたのか?



コロンビア戦にボランチで先発、前半で退いた日本代表の鎌田大地



「カタールW杯後の初戦であるウルグアイ戦に続いてのコロンビア戦になった。

森保一監督は、選手、ポジションを半分近く入れ替えている。伊藤洋輝が左センターバック、バングーナガンデ佳史扶が左サイドバック、鎌田がボランチ、西村拓真がトップの一角、伊東純也が右サイドへ。4-2-3-1というよりは、4-4-2に近い構造か。

日本にとってはこれ以上ないスタートだった。開始3分、いきなり先制に成功。右サイドからロングパスを差し込んで、2トップがボールを収めると、パスを受けた守田がダイレクトでクロスをファーポストに入れ、三笘薫が走り込んで豪快なヘディングシュートを決めている。

すばらしいゴールだったが、日本の優勢はここまでだった。

コロンビアはグループ戦術が仕組みとして洗練されていた。4-1-4-1で、各ラインがそれぞれをサポートする形で動き、ポジション的優位を作った。アンカーは巧妙なポジション取りで、日本の西村、町野修斗という2トップに対し、常に数的優位を形成。一方、サイドバックは高い位置でプレーし、攻撃で糸口になった。

【ベストプレーヤーは伊東純也】

日本は、まずバックラインのパス回しが平凡で鈍すぎた。攻撃のコンビネーションで下回り、結果的に守勢に回った。コロンビアの選手のポジションの入れ替えにも混乱していた。

前半33分、同点に追いつかれたのは自然な流れからだった。右サイドでポジション的不利を作られ、突破を許すと、クロスを上げられる。これに対し、適切なポジションを取るべき鎌田は緩慢な動きで戻れていなかった。絶好のボールをあの距離で叩かれたら、GKが対応するのは難しい」

コロンビアのほうが明らかに戦術面で上回っていたが、エチャリはポジティブな点も探している。

「日本のベストプレーヤーは伊東純也だろう。劣勢に追い込まれるなかで、ディフェンス面の仕事は際立ったものがあった。攻撃でも、ドリブルから切り込んで脅威を与え、三笘からのパスも呼び込んでいた。両サイドで三笘と連携することで、どうにかチームとしての好守を成立させていた。

しかし、他のポジションは戦術的劣勢が目立った。センターバックのふたり、ボランチのふたりとも、コロンビアの8番、ホルヘ・カラスカルの動きに翻弄されていた。結果的に、ファウルが多くなった。

後半、日本は鎌田を下げて遠藤航を投入し、守田と組ませることで、若干、攻守の安定を取り戻したように見えた。しかし、長くは続かない。このふたりのボランチのコンビも噛み合わない。右が守田、左が遠藤というのは、立ち位置が逆に思えるのだが......。

とにかく、攻勢を強めるコロンビアに、日本は受け身一辺倒になった。50分、完全に後手に回って打たれたシュートがなんとなく出した足に当たり、シュートがバーをかすめたが、個としても組織としても守れなくなっていた。それは前触れだった。61分、ロングボールに瀬古歩夢が競り勝てず、カバーに入った板倉滉もあっさり抜かれ、シュートはどうにかシュミット・ダニエルがブロックしたものの、エリア内のこぼれ球をバイシクルで決められた。

たて続けに局面で敗れ、ポジション的な優位も奪われていた結果だ。

逆転される前後、森保監督はさまざまな選手の交代を行なっているが、チームレベルを引き上げることはできなかった。むしろ、選手が動揺していたかもしれない。上田綺世のヘディングでの決定機は確かに惜しかったし、久保建英のシュートが味方に当たってしまうシーンなどもあったが、攻撃は単発だった。すべてを出し尽くした伊東に疲れが見えると、攻撃も停滞し始め、逃げきりに入っていたコロンビアから、ラダメル・ファルカオのシュートも浴びた」

エチャリは90分間を通して厳しい試合だったことを指摘しつつ、最後にこう試合を総括している。

「正直、コロンビアのほうが上手だった。プレーが論理的で、戦術が浸透していた。選手はやるべきことが整理できている印象だった。

日本は代表歴が浅い選手が目立ったという事情はあるだろう。まだやりたいプレーが明確に見えず、選手とチーム戦術が乖離していた。チームとしての役割をフィットさせるところが新たなスタートと言えるが、このままでは時間がかかりそうだ。

個人もそうだが、グループとしての早い適応が求められる」

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