マギー・チャンの日本初の回顧上映「マギー・チャンレトロスペクティブ」が、6月に渋谷東映プラザ内「渋谷TOEI」跡地にオープンする新しい映画館「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」のこけら落としとして開催されることがわかった。上映作品とあわせて、ティザービジュアルが披露された。
・
【フォトギャラリー】上映作品「欲望の翼」「ラヴソング」「花様年華」ほか場面写真
マギー・チャンは、ウォン・カーウァイ監督のデビュー作「いますぐ抱きしめたい」(88)や「欲望の翼」(90)などで注目を集め、香港映画を代表する女優として地位を確立。香港のアカデミー賞と呼ばれる香港電影金像奨で最優秀主演女優賞を最多受賞しているほか、「ロアン・リンユイ阮玲玉」(91)ではベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀女優賞)を獲得した。第57回カンヌ国際映画祭で主演女優賞に輝いた「クリーン」(04)以降は、スクリーンから遠ざかっている。
回顧上映では、レスリー・チャンとの共演作「欲望の翼」「楽園の瑕終極版」や、4Kレストア版の特集上映が話題を呼んだウォン・カーウァイ監督の「花様年華」など代表作7本をラインナップ。2月7日に日本公開から25年を迎えた「ラヴソング」も、封切り当時の35ミリプリントでスクリーン上映される。
【「マギー・チャンレトロスペクティブ」上映予定作品】
1.「欲望の翼デジタルリマスター版」(1990年/香港/95分/DCP)
ウォン・カーウァイ監督が手掛けた長編第2作。60年代の香港で若者たちが織り成す恋愛模様を疾走感あふれる映像美で描いた青春群像劇。レスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、トニー・レオン、アンディ・ラウ、ジャッキー・チュンら香港映画スターが集結。
2.「ロアン・リンユイ阮玲玉4K」(1991年/香港/155分/デジタル上映)
30年代に中国で活躍した実在の女優、阮玲玉の生涯を描く伝記ドラマ。「フルムーンインニューヨーク」のスタンリー・クワン監督がメガホンをとった。マギー・チャンは本作で第42回ベルリン国際映画祭女優賞を受賞。
3.「ラヴソング」(1996年/香港/118分/35mm)
中国大陸から香港にやってきた男女が織りなす十年愛を描いたラブストーリー。監督・製作は「君さえいれば金枝玉葉」「最愛の子」のピーター・チャン。マギー・チャン、レオン・ライ、エリック・ツァン、クリストファー・ドイルらが出演。香港電影金像奨で主演女優賞、作品賞など最多9部門で最優秀賞を獲得。
4.「イルマ・ヴェップ」(1996年/フランス/98分/Blu-ray)
リメイク映画の主演に起用された香港スター女優と、彼女を取り巻く製作スタッフたちが織りなす人間模様を描いたフランス映画。監督・脚本は「パリ・セヴェイユ」のオリビエ・アサイヤス。マギー・チャンが主演し、ジャン=ピエール・レオ、ナタリー・リシャールらが共演。
5.「花様年華4K」(2000年/香港/98分/DCP)
ウォン・カーウァイ監督がトニー・レオンとマギー・チャンの主演で、それぞれ家庭を持つ男女の不倫の愛を描いた恋愛ドラマ。第53回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞とフランス映画高等技術委員会賞を受賞。
6.「クリーン」(2004年/フランス・イギリス・カナダ/111分/35mm)
「イルマ・ヴェップ」のアサイヤス監督が再びマギー・チャンを主演に迎え、家族の再生を描いたヒューマン・ドラマ。マギー・チャンは本作で第57回カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞。
7.「楽園の瑕終極版」(2008年/香港/94分/Blu-ray)
ウォン・カーウァイ監督が94年に製作した「楽園の瑕」を自らの手で修正・再編集を加えたディレクターズ・カット版。レスリー・チャン、マギー・チャン、トニー・レオン、カリーナ・ラウ、ジャッキー・チュンらが共演。
【作品情報】
・
花様年華
【関連記事】
・
名シーンがいっぱい!ウォン・カーウァイ監督作4K上映5作品の見どころ集めた予告編
・
ファン必見!ウォン・カーウァイ監督作4K上映「恋する惑星」「天使の涙」「ブエノスアイレス」「花様年華」「2046」ポスター公開
・
「シャドウプレイ」と中国の検閲制度についてロウ・イエ監督の秘蔵インタビュー【アジア映画コラム】