鈴木仁、ジェンダーロールの新たな形に触れる「恋愛関係なしに支え合う関係がすてき」<今夜すきやきだよ>

「今夜すきやきだよ」に出演中の鈴木仁にインタビューを実施した/(C)谷口菜津子・新潮社/「今夜すきやきだよ」製作委員会

鈴木仁、ジェンダーロールの新たな形に触れる「恋愛関係なしに支え合う関係がすてき」<今夜すきやきだよ>

1月27日(金) 5:00

現在テレビ東京系では、蓮佛美沙子とトリンドル玲奈がW主演を務めるドラマ24「今夜すきやきだよ」(毎週金曜深夜0:12-0:52)を放送中。同ドラマは、谷口菜津子の同名コミックを原作に、正反対の女性二人の共同生活を描くヒューマングルメドラマ。
【写真】鈴木仁“ゆき”に抱きつく蓮佛美沙子“あいこ”

■明日への活力を生むガールズムービー

「今居る場所で自分の幸福、自分たちのかたちを貫く」ことをテーマに、日常生活に当たり前のようにあるジェンダーロールや、婚姻制度、セクシュアリティーにまつわる生きづらさへ立ち向かう姿を、おいしいおうちごはんを通して紡いでいく。

内装デザイナーで恋愛体質な太田あいこ役を蓮佛、絵本作家でアロマンティックの浅野ともこ役をトリンドル、ともこの友人でフリーのWebライター・村山しんた役を三河悠冴が演じている。

WEBザテレビジョンでは、あいこの年下彼氏・杉浦ゆき役の鈴木仁にインタビューを実施し、共演者の印象や役作り、印象に残っているシーンなどを聞いた。

■ごはんを通して分かち合う人の温かさ

――原作を読んだ際の印象をお聞かせください。

絵の雰囲気がすごくかわいらしくて、キャラクターの優しさがそこからにじみ出ているなと思いました。ぶつかり合うことがあっても、そこに優しさがあるからこそ、悪い部分があまり見えてこないんです。全てが優しさに包まれているような作品なので、誰が読んでもすごく気持ちよく読める作品なのではないかなと感じました。

――脚本についてはいかがですか?

あいことともこの二人の話が軸になっていて、すごくリズミカルです。ゆきやしんたなど、他のキャラクターにも人間らしい部分がたくさんあって、すごく温かい話だと思いました。見ている人が安心するような、落ち着くような作品という印象を受けました。

――その温かさは、具体的にどういった部分から感じましたか?

この物語は「ごはん」が一つのテーマになっているのですが、ごはんを通して素直になっていく様や、お互いの意思を伝え合っていく姿に温かさを感じます。

もちろん、ごはん以外の部分でもお互いのコミュニケーションがあって生まれるものではあるのですが、毎日当たり前のように行っている“食事”という行為から、人と人とのつながりが生まれたり、幸せな方向に向かっていったり、落ち着く関係性ができていくのだなと感じました。



■ちょっとしたかわいさを意識

――杉浦ゆきの役どころについてお聞かせください。

あいことの関わりで言うと、彼氏としてこうあるべきというか、「世の中のこれが常識」という意識が心の中にあって、それを相手にも真っすぐぶつけてしまう人物です。“当たり前”とされていることを当たり前だと思って、真っ当に生きていこうと思っていた人間だからこそ、あいこと出会うことでぶつかって変化していきます。

あいことの付き合い方や人間としての成長という部分でも、ゆきは一番大きく変化していくのではないかなと思っているので、そこを丁寧に演じていけたらなと思います。

――監督からは具体的にどんなアドバイスを受けましたか?

役と自分の実年齢にも差があって、役に合わせるには少し背伸びをしなくてはいけないのですが、年下の彼氏ということで、他のキャストとのバランスを見て、ちょっとしたかわいさなどを意識しています。

周囲との差を作るためにバランスを調整しながらも、「もうちょっとフラットに」「かわいさを残しすぎずトーンを下げて」といったアドバイスをもらったり、僕が「ここは少しコミカルだから、(トーンを)上げたいです」と言うと、「じゃあ周りの会話を落としてみようか」などと応えてくださり、相談しながら演じています。

――繊細な作業ですね。

最近、実年齢より上の役をやらせてもらうことが増えたのですが、だからといってみんながみんな大人っぽくなるわけでもなく、年上でもかわいらしい人物像もあるので、そういう部分を探りながら演じるのは新しい挑戦でもあり、勉強になっています。今回も新しい自分を探りながら演じています。

――以前、「人間味あふれるゆきを作りたい」と仰っていましたが、演じてみて手応えはいかがですか?

自分ではまだ満足していないのですが、4人でのごはんのシーンも増えてきて、あいこやともことは違う、しんたの独特な感じとも違う、落ち着いた人物像という部分が、ゆきのキャラクターとして生きてきているのではないかなと思います。

■料理は一緒にやりたいタイプ

――ゆきと鈴木さんご自身の共通点、相違点はどんなところですか?

僕は掃除とかにこだわりがあるタイプなのですが、ゆきにも結構こだわりがあって自分の中での決まりごとがあるタイプなので、そこは似ている部分かなと思います。インテリアの配置だったり、自分が暮らしやすいようにするための決まりごとは多少あるかもしれないです。

ゆきの言う「女性に料理をしてほしい」などのジェンダーの観点からすると、僕はもっと許容範囲は広いです。料理に関しては自分も興味があって一緒にやりたいタイプなので、その点は違います。

■蓮佛美沙子は「すごく丁寧で優しい方」

――蓮佛美沙子さんの印象をお聞かせください。

しっかりされているなと感じます。ゆきの部屋での二人のシーンが多いので、掛け合いの一つ一つに対して、「こうやったほうがやりやすい」など意見を出してくださいます。

監督と僕が話し合っている中に参加してくださったりと、ゆきとの関係性をあいこからもちゃんと作ってくださっていて、すごく丁寧で優しい方だなという印象があります。

――トリンドル玲奈さんの印象はいかがですか?

テレビで見ている印象のままだなというのが第一印象でした(笑)。撮影中も「こういうことをしたかったんだよね」などと蓮佛さんと話しているのを聞いていて、すごく真っすぐにご自分の意思を持っている方なんだなと感じました。

――三河悠冴さんの印象はいかがですか?

自分より5つ年上なのですが、失礼かもしれないですけど、たまに慌てたりしている言動がすごく面白いんです(笑)。抜けているわけではないのですが、一瞬の間で動揺されているのがすごく面白いんですよね(笑)。

だからこそ、(4人の中でも)しんたの一人だけ抜けている感じが表現されていて、すごくいいなと思います。役とぴったりです。

■衝撃の出会いによって人間味があふれ出す

――これまで(第3話まで)の放送で印象に残っているシーンがあれば教えてください。

あいことの出会いは衝撃でしたね。「最初からぶっ倒れる!?」みたいな(笑)。あいこのキャラクターが、周りからはしっかり見られていて、ちょっと堅くて真面目という印象だったと思いますが、ゆきとの出会いのシーンで、実は抜けていて人間味のある人だということが分かります。あいこらしさがすごく出ている部分なので印象的です。

――ゆきはあいこに運命的なものを感じて恋に落ちますが、鈴木さんご自身はそういった経験はありますか?

僕も結構直感タイプだと思います。“じわじわと…”というタイプではないですね。なんでも「これ!」と思ったら、ばかみたいに真っすぐ進んでいくタイプです。だから余計にこだわりが強いのかもしれないですね。

――作中では、恋愛観・結婚観に切り込む場面もありますが、撮影を通して、鈴木さんご自身の恋愛観・結婚観に変化は起きましたか?

ともこさんのようなアロマンティックという方もいるということは、勉強になりました。そのセクシュアリティーを僕は知らなかったので。

自分は恋愛感情を抱かないけど、あいこの恋愛話を聞いてあげたり、支え合う関係を築いている。恋愛関係なしに、そういう二人の関係性はとてもすてきだなと、すごく感じています。


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