マカヤ・マクレイヴンが語る、時空を超えたサウンドを生み出すための方法論

Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

マカヤ・マクレイヴンが語る、時空を超えたサウンドを生み出すための方法論

9月27日(火) 17:50

ジャズ・ミュージシャンはこの30年、ヒップホップやテクノ、ハウスやダブステップなど、様々な音楽が出てくるたびにそれを生演奏に置き換え、その技術を応用することで新たなサウンドを生み出してきた。ブレイクビーツやドラムンベースを人力で叩き、複雑なビートのニュアンスを生演奏で表現しつつ、即興演奏を盛り込んだセッションに取り込んでいく。プログラミングによって作られた音楽を乗り越えていくこと、それはつまりプレイヤー側による、プロデューサー側へのリアクションの歴史だったとも言えるかもしれない。

だからこそ、2015年にマカヤ・マクレイヴン(Makaya McCraven)が台頭したときは戸惑った。International Anthemというシカゴの新興レーベルからリリースされた1stアルバム『In The Moment』には、突出した演奏スキルと、それに引けを取らない高水準のプロダクションが同居しており、その両方にマカヤの名前がクレジットされている。DAWも楽器と同様に扱い、即興演奏の延長線上でポストプロダクションを行う。彼はプレイヤーなのか、それともプロデューサーなのか。結論から言えば「どちらでもある」わけだが、そんなジャズ・ミュージシャンは当時ほとんどいなかった。

2018年の2作目『Universal Being』ではNY、LA、シカゴ、ロンドンの4都市で現地のミュージシャンと録音。それぞれの都市に根付く音楽性をサンプリングするように取り込み、それぞれのスタイルにいとも容易く対応しながら即興セッションを行い、そこに緻密なエディットを施している。レタッチの痕跡に気づくことすら困難なレベルで、どこまでが実際のライブ演奏で、どこまでがサンプリングして重ねた音なのか、その境界線は限りなく曖昧になっていた。その後、2020年の『Were New Again』ではギル・スコット・ヘロン、 2021年の『Deciphering The Message』 では50年代〜70年代までのブルーノート・レコード楽曲と自身の演奏やプロダクションを融合させ、カタログ音源の解体・再構築に新たな可能性を提示した。

そんなマカヤ・マクレイヴンの最新アルバム『In These Times』は、International Anthem、Nonesuch、XL Recordingsの共同リリースというトピックも含めて、2022年の本命というべき一作だ。一聴しての印象は、ストリングスを加えた大きな編成のために丁寧な作編曲が施され、そのなかのスペースで即興も行われているジャズ楽曲。マカヤならではの変拍子を駆使した演奏を軸とし、ジェフ・パーカーやジョエル・ロス、ジュニアス・ポールといった名手たちが卓越したプレイで貢献している。

しかし、クレジットを見てみると、マカヤは明らかにひとりでは演奏できない数の楽器を同時に奏でているし、よくよく聴くと不自然な部分が多々存在している。それもそのはず。7年もの制作期間が費やされた本作は、様々な時期に様々な場所で行った録音を、繊細かつ大胆に繋ぎ合わせた「疑似セッション」から生まれたもの。丁寧に書かれた旋律や和声の豊かな響き、先鋭的なリズムのなかにさりげなく仕込まれた(限りなく聴き取りづらい)違和感が作用することで、未知の質感やフィーリングが生まれており、それこそが『In These Times』の魅力とも言えるだろう。作編曲と即興、ポストプロダクションを巧みに統率することで、古典的な意味での「譜面に書かれた楽曲」のように聴かせる。「プレイヤーなのか。プロデューサーなのか」なんて枠組みを軽々と飛び越え、マカヤは僕らの固定観念を突き崩していく。

彼はこのアルバムのストーリーを自信たっぷりに語っている。このインタビューが、掴もうとすればすり抜けていく怪作を理解するためのヒントになれば幸いだ。



―『In These Times』のコンセプトを教えてください。

マカヤ:これは僕が長い間構想してきたリズムに関するコンセプトを反映した作品で、8分の5拍子、8分の7拍子、8分の9拍子、8分の11拍子などの変拍子を扱っている。かといって、必ずしも「これは何分の何拍子で……」と拍子記号を頭で理解する必要はなく、むしろ身体で感じてもらうための音楽なんだ。この変拍子を人と人の間につながりを生み出すような、リズムやグルーヴや感覚として捉えてもらうのが狙いだった。

それに、ここでは「時間」も重要なコンセプトだ。聴いた人がリズムを通してどのように時間を解釈するのか。また、聴いた人が時間やリズムとどのように繋がるのかということに焦点を置いている。そういったリズムや時間に、様々な場所や空間、社会的要素などの環境が絡み合い、『In These Times』が(聴き手によって)解釈されるような表現になっているんだ。

―そのリズムや時間のアイデアについて、もう少し聞かせてもらえますか?

マカヤ:このアルバムは、ある特定のアイデアというよりもプロセスに焦点を置いている。だから、その瞬間にいること(In The Moment)だったり、この時代・時間にいること(In These Times)がテーマになっている。

また、時間というものは、僕たち自身が解釈するものであるということ。このアルバムには面白い拍子記号のリズムが常にあって、それはあらゆる人にとって心地良く感じるものであり、同時に少し変わった、奇妙なものとして感じられるものにしたかった。それは僕にとっては、過去と未来を行き来しながら楽しんでいるような感覚なんだ。僕たちは、自分たちがどこから来たのかということを知っている。そして近い未来、どうなるかという想像もつく。そして、そのさらに先はあまり見えないから、その不確定さに対して少し不安になってくる。過去に生きている人でも、未来に生きている人でも、そういう過去に対する気持ちや、未来に対する気持ちは普遍的なもので、誰でも共感できるものだと思うんだ。その瞬間にいること(In The Moment)や、この時代・時間にいること(In These Times)という概念も、瞬間や時間は常に流れているから、勝手に進んでいるという状態なんだ。

つまり、常に行動しているということ。僕たちは常に先に進んでいて、進化の過程にいるということ。僕は今回、リズムとサウンドを通して、このプロジェクトの全体的なコンセプトを表現したかった。

進化のプロセス、ストリングスの背景

―制作方法に関して、過去2作とはどんな違いがありますか?

マカヤ:『In The Moment』と『Universal Beings』は似たようなコンセプトやテクニックを用いた作品だった。少人数の規模でミュージシャンとセッションを行い、即興的な作曲、つまりその場でみんな一緒に音楽を作っていき、それをレコーディングしている。そしてポストプロダクションの過程で、トラックを編集してビートを作ったり、トラックを再配置したりすることで、新たな作曲のあり方を試みている。

それに対して、今回の『In These Times』は僕が作曲した音源がベースになっている。その作曲したものをスタート地点として、より大人数のアンサンブル向きの音楽へと編曲したんだ。そうやって作られた曲には、自分が『In The Moment』や『Universal Beings』の制作期間に編み出した編集やプロダクションのテクニックを加えたりもしている。さらに『In These Times』では、過去2作の制作を通してライブバンドと一緒にやっていた演奏なども含まれている。だから僕は、このニューアルバムを『In The Moment』や『Universal Beings』を制作していた時にも(並行して)作っていたんだよ。

過去2作は様々なプロダクション技術を使っているけど、『In These Times』はリズムに関するアイデアや、自分で作曲した音源などがベースになっている。『In The Moment』と『Universal Beings』をリリースした時も、僕たちはツアーで『In These Times』に収録されている音楽をライブで演奏していたんだ。だから先の2枚は、『In These Times』の発展に大きな影響を与えたと言える。アルバムを作るたびに、僕は新しいことを学んできたし、新たな気づきがあったからね。そういう経験があったからこそ、ストリングスやその他の楽器を含む大人数のアンサンブルを演奏するための基盤ができて、今回のような作品が作れたのだと思う。全ては進化のプロセスなんだ。『In These Times』は、過去2作とコンセプトやスタート地点は違うけれど、最終的には全ての作品が僕のスタイルとして『In These Times』に集約されているんだ。



―『In These Times』のレコーディングを7年前に始めたとのことですが、なぜ『Universal Beings』の方が早く完成したんですか?

マカヤ:『In The Moment』の後、自分のキャリアの勢いが増していたからだと思う。僕はもともと即興演奏のライブを数多くこなしてきて、それがすごく順調だった。『In The Moment』は何もないところから、いきなり出来上がったような作品だった。そこからInternational Anthemとの交流も生まれたから、『In The Moment』のツアーが終了したら、次のアルバムに向けての録音を始めようと思っていた。そして、実際に何度か録音することができた。

それ以外にも色々な出来事があって、「この都市や、あの都市で録音してみよう!」という企画もあった(『Universal Being』で作品化)。そうこうしているうちに、「今は『In These Times』の制作をするタイミングではない」と思うようになったんだ。その前に、自分はまだ学ぶべきことがたくさんあると思ったんだよね。そこからは、時期を待つようになっていった。さらに、XLからギル・スコット・ヘロンに関するアルバム『Were New Again』を提案されて引き受けたし、その後はブルーノートとの企画『Deciphering The Message』があった。そんな感じで次から次へと色々な出来事があったんだよ。

でも僕は、ツアーをするたびに『In These Times』からの曲を演奏していた。『In The Moment』のツアーでも「This Place That Place」や「Lullaby」を披露したし、『Universal Beings』や『Deciphering The Message』のツアーでも『In These Times』の収録曲を演奏している。だから『In These Times』の楽曲は、僕が昔からツアーバンドと一緒に演奏してきたレパートリーの一部で、それをアルバムという形で収めていなかっただけなんだよ。



2015年のライブ映像、ニューアルバムの収録曲「This Place That Place」を演奏している

―『In These Times』はストリングスのサウンドが印象的です。その狙いについて聞かせてください。

マカヤ:自然な流れでそうなったんだよ。

『Universal Beings』は4つの異なる都市で行った、トリオやカルテットによるセッションの音源がベースになっていた。その同作をリリースしたあと、大規模なコンサートをやる機会があったんだ。そこではアルバムのような小編成ではなく、様々な都市からなるべく多くのミュージシャンたちを呼んだ。ミゲル・アトウッド・ファーガソンやブランディー・ヤンガー、ベース奏者のデズロン・ダグラス、ジュニアス・ポール、ジェフ・パーカー、ヴィブラフォン奏者のジョエル・ロス、シャバカ・ハッチングやヌバイア・ガルシア、マーキス・ヒルなどのブラス奏者にもたくさん参加してもらった。その結果、『Universal Beings』のコンサートをやったあとも、大規模なコンサートの依頼が引き続き来るようになったんだ。そこから次第に、僕も大人数のプロフェッショナルなミュージシャンをまとめた演奏についてよく考えるようになった。

それで2019年に、Walker Art Center(ミネアポリス市にある美術館)でマルチメディアを組み込んだ『In These Times』のパフォーマンスをやる機会にも恵まれた。そのパフォーマンスに向けて、大人数編成のアイデアをさらに発展させ、ストリングス奏者も一人だったものを四人へと拡大させていった。そして、そのときのパフォーマンスを録音したんだ。その録音もアルバムに使っている。また、Walker Art Centerでやったコンサートと同じものをChicago Symphony Orchestra Hallでもやったんだけど、そのときの録音もかなり使っている。あとはスタジオで録音した音源も使っているし、In These Timeというシカゴの雑誌社(70年代から続くシカゴのインディペンデントな雑誌。広告を取らず、寄付や実売のみで運営する真摯なジャーナリズムで知られる)のオフィスでレコーディングしたものもある。

だから、大人数のミュージシャンをまとめるというのは、自分のキャリアの流れから自然に発生したものだし、このアルバムには自分が初期の頃からやりたかったことや、他のアルバムやプロジェクトを手がけている時に学んだこと、録音された音源などが全て含まれている。自分が作曲した音楽や作ったリズムから派生して、次第にオーケストラを扱った作品へと発展していったんだ。だから自分の進化における、様々な断片や要素がたくさん織り込まれた作品なんだ。



―アルバムのテーマが「プロセス」だと話していたのも、そういうことですよね。ストリングスのアレンジに関して、影響を受けたアーティストや作品はありますか?

マカヤ:ストリングスのアレンジを実際に始めるまで、特定のアーティストや作品を意識したことはなかったと思う。だから直接的な影響は受けていないかもしれないけれど、もし唯一挙げるとしたら、このアルバムの制作中に、チャールズ・ステップニーの音楽を教えてもらったことが関係しているかもしれない。

すでにストリングスのアレンジは始めていたんだけど、ベース奏者のジュニアス・ポールに「チャールズ・ステップニーをチェックしろ」と言われたんだ。ステップニーのことは名前も聞いたことがなかったけれど、ジュニアスはステップニーの家族と親しい付き合いがあったから、彼を介してチャールズ・ステップニーの娘たちと会う機会があって、そこでも彼の音楽についていろいろ知ることができた。その経験はオーケストレーションやプロダクションのクリエイティブな使い方、様々な楽器をまとめるうえでのインスピレーションになっていると思う。彼はシカゴ出身の編曲者だったし、自宅のスタジオで作曲をしていた人だからね。

ここで告知をしたいんだけど、いいかな?

―どうぞ。

マカヤ:最近、International Anthemがチャールズ・ステップニーの未発表曲集『Step on Step』をリリースしたんだ。だから、僕たちはみんなここ最近、ステップニーの膨大な量のアレンジや作品を知ることによって、自分たちの作品のインスピレーションを受けているんだ。

―ステップニーの音源の中で特に気に入っているものは?

マカヤ:ラムゼイ・ルイスの「Opus #5」は興味深かった。ロータリー・コネクション「I Am the Black Gold of the Sun」も彼のアレンジやストリングスの才能がよく表れていると思うよ。





楽譜とポストプロダクションの境界線

―セッションやリモートでの新しい録音に関しては、あなたはどのような方法で他の演奏者と楽曲を共有したのでしょうか?例えば、譜面とか、デモ音源とか。

マカヤ:このアルバムは様々なセッションを通して、様々な形へと変化して進化していった。だから曲はあらゆる方法で存在していたよ。コンサートのための譜面もあったし、そのコンサートを録音した音源を、僕がさらに編集した音源もある。

例えば、「Lullaby」は(シカゴの)Symphony Centerのパフォーマンスだから、(即興を含んだ)オーガニックなパフォーマンス。でも他の曲は、そういうオーガニックなパフォーマンスは一部だけで、それ以外は楽譜に書かれたものかもしれないし、プレイヤーが耳で聴いて覚えて演奏した曲かもしれない。ストリングスはコンサートのためにアレンジしたものだから譜面はあるよ。でも、そのコンサートの録音に僕がさらにストリングスを重ねた部分もある。自分の音源を他のプレイヤーに送って、それに合わせて彼らが演奏した録音を送ってもらうケースもあった。ロックダウン中、僕のスタジオにプレイヤーが来て録音するケースもあったよ。

―あらゆるケースがあったと。

マカヤ:そういうこと。プレイヤーと曲を共有するには色々な方法があって、『In The Moment』の時のように、あるセッションの即興演奏をトラックのベースとして使ったり、ストリングスの音源をサンプリングして、それを基に新しいストリングスのセクションを作り上げたりもしている。僕は今でもこのアルバムをどうやって進化させていこうか考えているんだよ。もう制作は終わってしまったんだけどさ。


自身のスタジオで、生演奏とビートメイクの関係性について語るマカヤ・マクレイヴン(2019年)

―ちなみに、特に譜面の割合が高い曲はどれですか?

マカヤ:「In These Times」だね。このアルバムのために書いた曲で、アルバムのタイトルが決まった時にオーケストラ向けに書いたものだったから。「Lullaby」は(ハンガリーのフォークミュージックを歌っていたシンガーである)母親が作曲したもので、僕の初期のバンドから演奏しているレパートリー。ずっと昔から演奏してきた曲なんだ。この曲のストリングスのパートは、母親のアドリブをアレンジして書いたものだよ。母親の歌声とメロディをアンサンブル向けに編曲したんだ。

「This Place That Place」は僕が作曲したもののなかで、最も古いものかもしれない。リズムの複雑さとグルーヴが心地よく交差するところをとことん追求した曲なんだ。だから数えきれないくらいのアレンジがあるんだよ。色々な方法で今まで演奏してきたし、自分自身も色々な方法で譜面に書き留めてきたんだ。



―今回のアルバムでは、ブランディー・ヤンガーが演奏するハープが鍵になっていると思います。彼女をひとりの即興演奏家として起用しているだけでなく、アレンジ全体のためにハープのサウンドを効果的に配置しているのが印象的です。

マカヤ:僕とブランディーは長年の付き合いで、僕たちは良い友人でもありコラボレーターでもある。彼女と仕事をするようになったのは『Universal Beings』のときだった。あのアルバムでハープを加えたこと、ミゲル・アトウッド・ファーガソンと一緒にストリングスのアレンジをやったことによって、僕とブランディとの関係性がさらに強化されたし、僕がオーケストラを意識したサウンドに傾倒する要因にもなった。彼女のハープが僕のサウンドの一部になっていったんだ。

このアルバムに参加しているミュージシャンは僕が、長い年月をかけて関係性を培ってきた人たちばかり。だからファミリーで作ったアルバムって感じがするよ。僕がNYにいるときは、ブランディに連絡して今NYにいるか聞いたりする。そういう関係性がアルバムのサウンドや方向性にも自然に影響を与えていると思う。そして、僕がこれまでの過程で出会い、一緒に活動してきたミュージシャンたちがファミリーとして僕を助け、このアルバムを一緒に作り上げてくれた。このアルバムのサウンドは、色々な人たちとの関係性が発展するにつれて出来上がっていったんだ。

僕は自分の活動に対して、あらかじめ具体的なことを決めないようにして、むしろプロセスやステージをセッティングするだけにしている。そこに自分が良いと思う人を引き込み、十分な関係性が育まれる時間さえ与えれば、すんなり行かずに蛇行しながら進むことになるかもしれないけれど、それでも何らかのものが出来上がる。それを続けていたら、「今」というこの時点に辿り着くことができたんだよね。




―なんだか達観していますね。ハープのアレンジに関してインスピレーションになったものはありますか?

マカヤ:あまり具体的なものはないけれど、ブランディーと一緒に仕事することになってから、ハープという楽器とその可能性についての視野を広げることができたと思う。それに、ドロシー・アシュビーやアリス・コルトレーンの作品を意識的に聴くようになった。ブランディーと一緒にライブをやったり、彼女がドロシー・アシュビーの曲をカバーしたのを聴いたりすることで、ハープがリード楽器として使える瞬間があると気づけたんだ。

ドロシー・アシュビーのアルバムは、サウンドがとてもリッチだし、編曲もふんだんに行われている(名アレンジャーのリチャード・エヴァンスが手掛けている)。70年代特有のオーケストラ・サウンドだ。今回のアルバムを作るにあたって意識したのはそういうサウンドだったね。大人数のアンサンブルによる、スタジオで作られたサウンドで、オーケストラ向けのサウンドとファンキーなサウンドの間に存在する音ってこと。

それでいて『In These Time』は、隠れた名盤(ディープカット)みたいにもしたかった。僕は昔のレコードを聴きつつも、フレッシュになるような工夫をしてみたり、色々な方向性や時代性を試している。それに僕は、特定の何かをしなければいけないとか、どちらかの方向にいかなければならないって感じの決めつけはしない。アルバム制作中に、自分で自分自身に問いかけたことが何度もあったよ。「これは、どういうふうにやればいいんだろうか?」「もっとこういうふうにすればいいんだろうか?」って。でも最終的にわかったのは、「なるようになればいい」ということだったね。





マカヤ・マクレイヴン
『In These Times』
発売中
日本盤CD:解説付き、ボーナストラック追加収録
詳細: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12873
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