森七菜「本当に、聴いてくれる人の声が一番の次への活力になっています」

1stアルバム『アルバム』をリリースした森七菜/撮影=大石隼土

森七菜「本当に、聴いてくれる人の声が一番の次への活力になっています」

9月9日(金) 12:00

女優のみならず、2020年からスタートさせた歌手活動でも注目を集める森七菜。発売中の1stフルアルバム『アルバム』は、岩井俊二×小林武史のタッグで制作されたデビュー曲「カエルノウタ」、大ヒットしたホフディランのカバー「スマイル」など注目の楽曲を多く含むバラエティーに富んだ一枚だ。
【写真を見る】苦手意識があった歌うこと。それを変えてくれた存在とは…

■私の人生の宝物をいただいたなと思っています

「これまでリリースした5曲に新曲5曲を加えたアルバムで、本当にたくさんの方々のご協力をいただいて完成しました。それぞれの楽曲を聴いていると、写真のアルバムを開いて“こんなことあったな、あんなこともあったな”って、いろんな風景を思い出すような感覚になるんです。聴いてくれる皆さんにとっても、その人の生活や日常に曲がリンクしていくことで今作が写真のアルバムみたいなものになればなって。そんな願いを込めて『アルバム』というタイトルを付けました」

新曲には、コレサワ、kiki vivi lily、オカモトコウキ(OKAMOTO‛S)、福岡晃子、佐藤千亜妃ら豪華アーティストが参加。全て、彼女のリクエストが実現した形だ。

「私が元々好きだった方や一緒に曲が作れたらいいなと思った方にオファーさせていただきました。『君の彼女』を作ってくださったコレサワさんは、ポップな作風が好きで、私自身も学生時代よく彼女の曲に励まされていたんです。今回は恋愛の曲をお願いしたいと思って、2人で1時間ほどいろんな話をした後に書いてもらったのですが、歌詞にもメロディーにもコレサワ節がすごく入っていて。全力で恋する感じの甘い曲で、森七菜というよりは新しい“役”を与えてもらったような感覚で歌いました。『かたつむり』は作詞が福岡晃子さんで作曲が佐藤千亜妃さん。チャットモンチー(福岡)もきのこ帝国(佐藤)も大好きで、両方NGかもしれないけど、どちらかお一方でも引き受けてくれたら…という思いで依頼をしたら、何と共作してくださることになったんです。J-POPが好きな人なら誰もが驚くようなビッグなコラボが私の作品で初めてかなうというのが、もう、夢のようでした。心に直接届いてくるような、自然と涙が出そうになる1曲。私の人生の宝物をいただいたなと思っています」

PUFFYの大ヒット曲のカバー「愛のしるし」はオカモトコウキがアレンジを担当。ロック感が増した新たな音の景色と、森のピュアなボーカルに心が洗われる。

「昨年、『スマイル』を歌わせていただいたときにすごく反響が大きかったんです。たくさんの方に聴いていただけて、『またカバーを』という声もあったので、昔からよく聴いていて、どんな心境のときもスッと入ってきて元気になれる『愛のしるし』に挑戦しました。心に余裕がなかったり、卑屈になっているときって、図星の意見でも受け入れられなかったりするじゃないですか。そんなときでも『愛のしるし』はいつもなぜか素直に聴けて、私自身、すごく大切にしてきたんです。『スマイル』を子供たちがたくさん聴いてくれた印象もあったので、小さい子に届く曲を選びたいという思いもありましたね。アレンジはオカモトさんで、間奏のギターソロとかすごくカッコいい感じになって私もがぜんやる気が(笑)。有名な名曲をカバーするのは不安もありましたが、ノリノリで歌わせていただきました。先行配信を既に聴いた方から『また新たな「愛のしるし」が聴けた』とか嬉しい反応や声も届いていて、本当に良かったです」

■ファンとしてもうれしい1曲が完成しました

子供を意識した楽曲は、絵本作家の荒井良二を作詞に迎え、作曲・編曲をシンガーソングライターの澤田空海理が担当した「ロバとギターときみとぼく」も同様だと話す。

「荒井さんの絵本がずっと好きで。普段あまり絵本は読まないのですが、荒井さんの作品は別で、スタッフさんに絵本を見せながら『この方に歌詞を書いてもらったらどうなるかな?』なんて話をしていたんです。そんな流れから、私が好きな荒井さんの本への想いなどもお話させていただきながらオファーをしたら、ありがたいことにOKをいただけて。これも本当にうれしかったし、信じられなかったです。『どの作品というのはないのですが、“絵本の続きのような曲”を書いてほしい』とだけリクエストをして、上がってきたのは荒井さんの世界観が文字にも滲み出た作品。歌詞がメロディーに乗ることで動画になったような気もする、ファンとしてもうれしい1曲が完成しました」

アルバムの中で異彩を放つ楽曲「Lovlog」ではポエトリーラップに挑戦。全体的にノスタルジックな手触りのある本作の小気味いいアクセントとなっている。

「この曲が入ることで、アルバムのふり幅がより広くなるかなって。そういう一つのピースになればと思って、私が普段から聴いているkiki vivi lilyさんに楽曲を依頼しました。ただ、聴くのと歌うのはまた違うと言いますか…。ポエトリーラップはやはり難しかったですね。でも抵抗はそんなになくて、演技のお仕事で言っているセリフと歌の境目といった感覚で、多少苦戦しつつも楽しく歌うことができたと思います」

■作ることへの興味も一層深くなりました

楽曲の方向性や提供を依頼するアーティスト選びなど、彼女自身もスタッフと共に制作に携わった1枚。曲順決めの段階では、音楽を聴き始めた頃には既にサブスク全盛だったZ世代らしいこんなエピソードが。

「実は今まで、CDのアルバムというものをほぼ聴いたことがなくて。自分で買ったこともないし、初めてちゃんと手にするアルバムが今回の自分の作品なんです。ずっと1曲単位で音楽を聴いていて、アルバムの曲順も含めて楽しむ…というのが経験としてなかったので、そこはまずスタッフさんにいただいた案を元に考えていきました。最初から“これがいいな”と思ったんですけど、一応、何曲か入れ替えて通して聴いてみたらやっぱり元のが良くて。現在の完成形に落ち着きましたね。アルバムは曲順も重要というのを今回で身を持って知ってからは、他のアーティストのアルバムにも興味が出てきました。大好きなあいみょんさんの最新アルバムが最近出たのですが、あいみょんさんもこうやって悩んで曲順を考えたのかなー?とか想像したり(笑)。聴き手としてもまた新たな見方や音楽の楽しみ方を得られた気がします。あと、アルバムという一つの作品の制作に初めて携わって、一枚のパッケージを作るのはこんなに大変なんだなって。普段演技のお仕事をしていて、自分だけのものがパッケージになるってなかなかないんです。映画にしてもドラマにしても、いろんな方と一緒に作って、その後、私の携わらないところで映像作品になっていたりする…。でも今回は、0から1を作っている人がこんなにいるんだなっていうのがちゃんと見えて、改めてそこに感謝の思いが生まれました。(初回生産限定盤に封入の)フォトブックも、二十歳の最後の記念に…というところで今回すごくこだわったのですが、作ることへの興味も一層深くなりましたね。写真や映像を撮るのが好きで、今回のブックレットには自分の撮った写真を使ってデザインしてもらったページもあるので、ぜひ見ていただきたいです」

■『明日笑って過ごせそうです』とか直接言ってもらえると心を揺さぶられる

歌手活動を始めて約2年半。さまざまな出会いと反響を経て、“自分が音楽を届ける意味”が徐々にクリアになってきているのだとか。

「最初は自分の声が嫌だったし、歌うことに苦手意識がありました。今でも得意とは言えないけど、さっきもお話した『スマイル』の存在がやっぱり大きくて。『運動会で流れているよ』とか『「将来はスマイルのお姉さんになりたい」と子供が言っている』という話を聞いたときにちょっとハッとしたんです。誰かの憧れやカリスマになりたいわけじゃないけど、聴いてくれる人の目に輝きを与えたり、その人たちの未来へ向かう一つの道を作れたりするのかなって思ったときにすごくうれしくて。シンプルに子供は元々好きなので、今回、分かりやすく子供向けの曲を入れたりもしたのですが、大人の方からも『明日笑って過ごせそうです』とか直接言ってもらえると心を揺さぶられる。本当に、聴いてくれる人の声が一番の次への活力になっています。私の歌を待ってくれる人がいるなら、その人たちの聴きたいもの、見たいものを作りたいなって気持ちが今すごくあります」

今後も「お芝居と歌を両方やっていきたい」と、しっかりした口調で話す。

「“自分(歌手)”のときの方がすごく恥ずかしいし、こういう取材も照れて言葉が慎重になったりします。でもそれぞれに違う楽しさがあるので、どちらもずっと大事にしていきたいですね。アニメ映画『天気の子』(2019年)で声優をやったときに(ヒロインの天野陽菜役)、新海誠監督が私の声を豊かに育ててくれたんです。当時、不慣れで自信もない私に『森七菜は森七菜でいることを心の底から楽しんで喜んで』というような言葉を掛けてくださって、それがすごくうれしかった。“自分は自分にしかなれない”ことをいい意味で受け止めて、それを楽しんで生きられたらいいなと私も思ったし、今までは自分の悪いところばかり見直そうとして苦しかったけど、その過程も含めて楽しめたらいいなって。その言葉のおかげで自分の声が好きになれたという実感がすごくあるし、新海さんは、私の声のお父さんみたいな感じ。本当に感謝しています」

9月末には本アルバムのリリースを記念した初のワンマンライブ「㐂~よろこび~」が決定!地元の大分、東京で開催される。

「大分はみんな親戚だと思っているので(笑)。いろんな方がいつも温かい応援の声を掛けてくれているので、不思議と緊張はないです。東京は…やっぱりお仕事関係の方も来てくださると思うのでちょっとドキドキ。でもリラックスして、遊びに来てくれた方と一緒に心の底から楽しみたいなと思います」

取材・文=川倉由起子








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