仲野太賀&草なぎ剛の“熱演”光った「拾われた男」兄弟役で響き合い感動生む

仲野太賀主演ドラマが感動の完結!「拾われた男」第10話より/(C)2022 Disney & NHK Enterprises,Inc.

仲野太賀&草なぎ剛の“熱演”光った「拾われた男」兄弟役で響き合い感動生む

9月3日(土) 11:15

仲野太賀主演ドラマ「拾われた男」が8月28日に最終回を迎えた。俳優・松尾諭が自らの波乱万丈なサクセスストーリーを書いたエッセーを全10話でドラマ化。俳優志望の男・松戸諭(仲野)が、他人に“拾われ”続けることで夢も恋も掴んでいく様を描き、多くの感動をもたらした。主演の仲野はもちろん、諭の兄・武志を演じた草なぎ剛の熱演が光る作品だった。(以下、ネタバレがあります)
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■俳優・松尾諭のエッセーをドラマ化したヒューマン・コメディ

本作は、ウォルト・ディズニー・ジャパンとNHKエンタープライズの共同制作で、ディズニープラス向けのコンテンツとして日本国内の制作会社との初の共同制作作品。NHK BSプレミアムで放送されたほか、ディズニープラスのブランドコンテンツ「スター」で見放題独占配信中だ。

俳優になりたいと上京したものの、ツテなし金なしの諭。ある日、自動販売機の下で航空券を拾うと、その持ち主の山村(薬師丸ひろ子)が社長を務めるモデル事務所に所属することに。とはいえ、すぐに仕事があるわけでもなく、演技レッスンを受けながら、レンタルビデオ店でバイトしたり、事務所の看板女優・井川遥の運転手を務めたりする日々だった。

やがてバイト先で運命の女性・結(伊藤沙莉)と出会い、苦手だったオーディションにも合格。“運”と“縁”をつないで人生を切り開いていく、という物語が展開した。

■豪華キャストによる見事なハーモニー

キャストの豪華さは、ここ数年の作品の中でも随一ではないだろうか。仲野、伊藤、そして諭の兄・武志を演じる草なぎ。

この3人だけでも確かなものを見せてくれるはずと期待が高まったが、薬師丸、諭と武志の両親に風間杜夫と石野真子、諭のマネージャーに鈴木杏、演技指導者に北村有起哉、諭のバイト仲間に要潤、安藤玉恵、北香那、前田旺志郎、諭の幼なじみに大東駿介と片山友希、諭が行く居酒屋の常連客に六角精児、物語の“転がし役”として原作者の松尾もほぼ毎話チラリと出演し、その松尾の担当編集者役で夏帆、そのほか岸井ゆきの、松本穂香、田辺桃子らが登場した。

さらに、井川遥、柄本明、ベンガル、綾田俊樹が“本人役”で出演。サプライズとしてNHK連続テレビ小説「ひよっこ」で松尾と共演した有村架純も「ひよっこ」の衣装で登場した。

ドラマ、映画、舞台と活躍するキャスト陣は見事なハーモニーを見せて、物語を大いに盛り上げた。

■仲野太賀、草なぎ剛、伊藤沙莉の演技に魅了される!

そんな豪華キャストのハーモニーをけん引した、主要キャスト3人。まずは主演の仲野。

本作と同クールの日本テレビ系のドラマ「初恋の悪魔」(毎週土曜夜10:00-10:54)でもW主演の一翼を担う活躍ぶりだ。撮影時期は異なっており、本作では原作者の松尾に寄せるため体重を約10kg増量したという。ただ、ストーリー冒頭に登場する松尾本人とオーバーラップするような表情を見せつつも、“松戸諭”という人物を作り上げ、人生のおかしみを伝える。

また、仲野といえば“泣きの演技”が評判だが、本作でもしかり。仕事の厳しさと失恋に直面した第2話でも泣く場面はあったが、最終回の第10話においてはまさに号泣する演技で、諭のこみ上げる思いを表現した。

伊藤は、第3話終盤からの登場に。諭のバイト先の後輩として出会い、彼氏はいたが心身ともに縛られている状態で、次第に諭に惹かれていく心の機微を表現した。その後は、諭のパートナーであり、諭を“拾った”1人の女性として寄り添っていく姿は、存在感がありつつもナチュラルで、物語を彩った。

そして草なぎは、弟の諭から苦手に思われるという役柄。3つほどしか年齢が違わない兄弟の役だが、実際の草なぎは仲野より19歳上。しかし、なんら違和感なく、どこかつかみどころのない兄・武志を演じた。第1話で諭が俳優になる宣言を家族の前でしたとき、武志は「俺もハリウッドでも行ったろうかな」とつぶやき、本当に突然にアメリカへと旅立った。

その後、とある事情で諭から絶縁宣言をされる展開になるのだが、本格的な登場は第7話から。脳卒中で倒れて半身不随になった姿で現れ、思わず息をのむほどのリアルさがある演技を披露。そこから最終話まで、仲野と演技を響かせ合った。

■1人の男の人生や家族の“縁”を丁寧に描いた脚本や演出にうなる

俳優陣もさることながら、原作エッセーのおもしろさをドラマに仕立て上げた演出や脚本の力も大きい。

監督を務めたのは、連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年)や大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」(2019年)などを担当してきた井上剛。脚本は、映画「百円の恋」(2014年)や2023年放送の連続テレビ小説「ブギウギ」を担当する足立紳。

第1話から第6話までは、主人公・諭が“拾われる”運と縁を味方に俳優業とパートナーを得て人生を進んで行く様子を、おかしさと温かさを交えて丁寧に描いた。第7話からは、諭が病に倒れた兄・武志を助けるべくアメリカへ向かった。

第7話からのアメリカ編でガラリと雰囲気が変わったかのようにも思えたが、一つの物語だった。

自転車に乗って前を走る武志を、「兄ちゃん、待って!」と同じく自転車で追いかけた幼いころの諭。兄にスペシウム光線のポーズを向けられていたこと、母から「川の土手で拾った子」と言われていたこと、父のルールで願い事が叶うと太巻きをひんぱんに食べる家族だったこと。それらの描写は第6話までにたびたび映し出され、諭の家族の存在を際立たせていた。

そんな家族を苦手に思っていた諭が、妻の結、娘と新しい自分の家族ができ、あらためて第7話以降で家族について向き合った。家族という生まれたときからの縁は、疎遠になり、「縁を切る」と言ったあとでも完全に途切れるものではなかった。

諭が向き合うなかで、記憶していたことがちょっと違っていたのではということが分かる。例えば、写真のなかの表情。第6話までに描かれたことが、第7話から最終話で違う側面を帯びていたことが明らかになっていくのだ。

その怒涛の回収劇が実に素晴らしかった。諭の号泣シーンのある最終話へとつながり、見ている者は諭の人生を反すうすることになる。最終話のネタバレになってしまうが、帰国の途につく武志がつぶやいた「Lost and Found」は、失ったり見つけたりを繰り返す人生と、英語タイトルの「LOST MAN FOUND」へにもつながった。最終話を知ったうえで、もう一度最初から見たくなる魅力にあふれた物語だ。

※草なぎ剛のなぎは、弓へんに前の旧字体その下に刀が正式表記

◆文=ザテレビジョンドラマ部


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