開幕投手のダルビッシュ有「もう投げられる準備はできている」。5年ぶりに「10勝の壁」を超えられるか

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開幕投手のダルビッシュ有「もう投げられる準備はできている」。5年ぶりに「10勝の壁」を超えられるか

4月7日(木) 10:45

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福島良一「MLBコアサイド」

1973年の初渡米から50年にわたってメジャーリーグの造詣を深めてきた福島良一氏に、さまざまな魅力を伝えてもらう「MLBコアサイド」。今回は2年連続で開幕投手を務めるサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手について語ってもらいました。

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ダルビッシュ有は昨年後半の不調から復活できるか



現地4月7日(日本時間4月8日)、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手がアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で開幕マウンドに立ちます。開幕投手を務めるのは2年連続3度目。過去2回(2017年クリーブランド・インディアンス戦、2021年ダイヤモンドバックス戦)はいずれも勝敗がつきませんでしたので、今回初のメジャー開幕投手勝利を目指します。

昨シーズンのダルビッシュ投手は、大きな期待を背負ってパドレスに移籍してきました。2020年はシカゴ・カブスのエースとして、新型コロナウイルス感染拡大の影響による短縮シーズン(60試合)ながら、日本人初の最多勝となるナ・リーグ1位の8勝をマーク。また、リーグ2位の防御率2.01、同4位のWHIP0.96など抜きん出た数字を記録し、サイ・ヤング賞投票で2位となりました。

そのすばらしい成績を引っさげて、ダルビッシュ投手は同年12月にナ・リーグ中地区のカブスから西地区のパドレスへ電撃トレード。移籍1年目ながら開幕投手に抜擢され、オールスターゲームにも選出されるなど、シーズン前半は16先発で7勝2敗・防御率2.44と抜群のピッチングを披露しました。

ところが、シーズン後半の7月以降、ダルビッシュ投手の成績は急降下します。14試合に先発して、わずか1勝(9敗)どまり。最終的にはキャリアワーストの防御率4.22という成績に終わりました。

その原因は、重なる故障です。7月9日に左股関節周辺の炎症などで戦線離脱。7月20日に戦列復帰したものの、8月13日に腰の張りのため再び離脱することになりました。さらに9月30日にも左股関節のインピンジメントで3度目の負傷者リスト入り。そのままシーズン終了となってしまいました。

2017年を最後に遠ざかる10勝シーズン後半に負ったケガと直接関係があるかはわかりませんが、現地アメリカでの報道では「メカニック」いわゆる投球動作に問題があったと言われています。速球の平均時速は94.9マイル(約152.7キロ)から94.1マイル(約151.4キロ)に低下。スライダーはストライクゾーンの高目に浮くようになり、シーズン終盤はスライダーに対するバッターの長打率が.580まで上昇しました。

9月13日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦では、先発で4イニングを投げて6安打8失点。初回に先頭打者弾などいきなり5失点し、4回にも2本塁打を許すなど1試合で4被弾も食らっています。現地メディアは「彼の狙うスポットにボールが行かなかった」と解説し、本人も「全体的にコントロールが散らばって(相手が)甘い球を待っていた感じ」と振り返り、4年ぶりの10敗目を喫しました。

2012年のメジャー1年目から3年連続でふたケタ勝利を記録し、2017年はシーズン途中のロサンゼルス・ドジャース移籍後も勝利を重ねて2チーム合計で10勝をマーク。しかし2018年以降、ダルビッシュ投手はシーズンふたケタ勝利から久しく遠ざかっています。

再起を期す今シーズン、ダルビッシュ投手が再び「10勝の壁」を超えるためには、まずはベストコンディションを取り戻すことが第一でしょう。

オフ期間とロックアウト中、ダルビッシュ投手は治療とトレーニングに専念していたとのこと。パドレス公式サイトは「(労使紛争でキャンプインが1カ月遅れの)奇妙なオフに、腰痛のリハビリ、ケガを防止するための投球フォームの改造など、まさに彼にとって必要な調整ができている」と報じていました。

3月14日のキャンプ初日から軽快な動きを見せていたので、順調にコンディションを取り戻しつつあるようです。キャンプでマウンドに立った姿も堂々としたもので、オープン戦でのピッチングも開幕投手にふさわしい内容でした。

オープン戦で見せた復活の予兆オープン戦初登板となった3月21日のコロラド・ロッキーズ戦では、3イニングを3安打無失点に抑え、無四球6奪三振と快投。バドレス公式サイトが「オフの厳しいトレーニングを経て、目が眩むような初登板」という見出しをつけたように、地道なコンディション調整の成果が表れていました。

圧巻だったのは、初回1アウトから2回まで圧巻の5者連続奪三振です。ストレートは最速96マイル(約154キロ)を計測し、高めの速球で空振り三振を奪っていました。また、低めのカットボールなどを駆使し、変化球でバッターを翻弄していたのも印象的です。

続く3月27日のクリーブランド・ガーディアンズとのオープン戦でも、ダルビッシュ投手は4イニングを2安打1失点、無四球4奪三振と好投しました。バッターに芯で捉えられたのは、4回にソロ本塁打を喫した時だけ。本人も「最初の3回は真っすぐでどんどん押せた。ストライクも真っすぐで取れた」と振り返っています。

このガーディアンズ戦でも、変化球のキレは冴え渡っていました。抜け球もほとんどなく、すべて低めに決まって4つの空振り三振。「もう試合(公式戦)に投げられる状態ができている」と語るほど、うまく調整が進んでいるようでした。

昨シーズン後半戦、不振に陥った時はコントロールの乱れが失点につながりました。ダルビッシュ投手が5年ぶりにふたケタ勝利を挙げるには、コントロールの改善がカギになると思います。

オープン戦2試合の成績は、合計7イニングを投げて5安打1失点、無四球10奪三振。ストレートも走り、変化球も低めに決まるなど、実に安定したピッチングを披露しました。オープン戦最後の登板となった4月1日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦は2失点を喫しましたが、154キロのストレートで三振を奪うなど、エースの風格は十分です。

「彼は自己分析力があり、自らを向上させるために何が必要か、よく理解している。昨年のケガから回復し、先発投手陣の柱として能力を取り戻している」

今季からパドレスの指揮を執るボブ・メルビン監督は、復調してきたダルビッシュ投手に大きな信頼を寄せています。

打倒ドジャースに欠かせぬ存在昨年パドレスは大補強を施し、ナ・リーグ西地区で優勝本命ドジャースの対抗馬として注目されました。しかしながら後半戦、ダルビッシュ投手の故障とともにチームの勢いは失速。結果、3位という不甲斐ない順位でシーズンを終えています。

パドレスがナ・リーグ西地区を制するためには、エースのダルビッシュ投手の活躍なくして有り得ません。オープン戦のピッチングを見て、5年ぶりに10勝以上をあげる可能性は十分にあるでしょう。

圧倒的なコントロールで相手を封じ込め、ストレートでも変化球でも三振を奪いまくるダルビッシュ投手が戻ってくることを期待しています。

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