日本代表にまたも新鮮味なし。大迫、長友は代表にふさわしい活躍ができているのか

山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

日本代表にまたも新鮮味なし。大迫、長友は代表にふさわしい活躍ができているのか

3月17日(木) 10:40

提供:
 カタールW杯アジア最終予選。オーストラリア戦(3月24日)とベトナム戦(3月29日)を戦う日本代表27人が発表された。

GK

川島永嗣(ストラスブール)、権田修一(清水エスパルス)、シュミット・ダニエル(シント・トロイデン)、谷晃生(湘南ベルマーレ)

DF

長友佑都(FC東京)、吉田麻也(サンプドリア)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)酒井宏樹(浦和レッズ)、谷口彰悟(川崎フロンターレ)、山根視来(川崎フロンターレ)、植田直通(ニーム)、板倉滉(シャルケ)、中山雄太(ズヴォレ)

MF/FW

大迫勇也(ヴィッセル神戸)、原口元気(ウニオン・ベルリン)、柴崎岳(レガネス)、遠藤航(シュツットガルト)、伊東純也(ゲンク)、浅野拓磨(ボーフム)、南野拓実(リバプール)、守田英正(サンタ・クララ)、三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ)、前田大然(セルティック)、旗手怜央(セルティック)、上田綺世(鹿島アントラーズ)、田中碧(デュッセルドルフ)、久保建英(マジョルカ)

 常連組で落選の憂き目にあったのは、堂安律(PSV)。ブンデスリーガ中位のフランクフルトで攻撃の中心を担っている実力者、鎌田大地も復帰を果たすことができなかった。一方、初招集の選手はなし。新鮮味に欠ける選考となった。



日本代表にとってまさに「代えがきかない」選手となった大迫勇也(ヴィッセル神戸)



「日本サッカー界の現状が反映されていない選考」とも言い換えられる。飛び抜けた選手はいないが、それなりのレベルに達した選手は目白押し。絶対的なエース不在ながら、群雄が割拠する混戦状態にある。代表選手をそれ以外の選手が僅差で追いかける、誰が代表に選ばれても遜色ないプレーが望めそうなのが日本の現状である。ある意味で、いつになく面白い状態にある。

 昨年11月、初招集された三笘薫がオマーン戦の後半、いきなり活躍する姿は、「だったら、なぜもっと早いうちから選んでおかなかったのか」と突っ込みたくなる、森保一監督の選手を見る目に対して疑問が浮かぶ事象だった。新しいものに飛びつくセンスがないと言うか、接戦という状況下において先手が打てずにいる。森保監督が生み出した最大のヒットは、10代のうちに代表メンバーに加えた冨安健洋。それが最初で最後になっている。

大迫と心中するつもりなのか 酒井、大迫、長友、権田の4人は、昨季、欧州から帰国した出戻り組だ。欧州での経験は豊富ながら、現在はJリーガーに過ぎない。リスペクトすべき選手たちではあるが、リスペクトしすぎると違和感に襲われる。偏愛に見えてしまう。

 酒井、権田はともかく、大迫と長友は現在のJリーグで代表級のプレーを見せることができているだろうか。

 まず大迫。アジアチャンピオンズリーグのプレーオフで2ゴールを奪い、チームを本大会出場に導いた点は評価できる。だが、Jリーグでは4戦してノーゴール。ストライカーに不可欠な、勢いを発揮することができていない。プレーは悪い意味で年々、丸くなっている。代役がいないために選ばれたという印象だ。

 しかし、その発想では心許ない。危険と言うべきだろう。クラブチームなら代役を他のクラブから購入できるが、代表チームの場合はそれができない。大迫の力は今後、衰えることはあっても上昇することはない。対策をその時に立てては遅いのだ。

 以前にも述べたが、代表チームの強化には、短期的視点と長期的視点のふたつの視点が必要になる。目の前の試合に勝つことと、目標から逆算して強化を図ることだ。他の競技ではあまり見かけない、サッカーならではのコンセプトである。

 森保監督が掲げた目標は本大会ベスト8。日本サッカー界はそれを目指して一致団結して戦っているわけだ。当然、その途中で絶対に負けられない試合に遭遇する。次戦のオーストラリア戦は、まさにそれに値する。だが、一方で本大会を数カ月後に控えた現在は、どのような要素が不足しているかについても考察しなければならない時期にあたる。

 本大会も大迫でいけるのか。危ういと考えれば、いまから対策を講じてく必要がある。他の選択肢を模索する必要がある。だが、そこが追求されてきた形跡はない。今回もスタメン起用したとなると、大迫と心中するのかというムードが漂い始めることになる。それでいいのか。筆者はノーと考える。いまからでも全く遅くない。大迫以外の選択肢を探すべきだと言いたくなる。

今季先発0の長友がなぜ選ばれるのか 2019年のE-1選手権以来の招集となる上田綺世を、森保監督はその候補と考えているのだろうか。大迫も元鹿島。鹿島つながりに活路を求めようとしているのだとすれば、上田の前に選ぶべきは鈴木優磨だと考える。

 鹿島の現在のアタッカー陣で、最も評価すべきは鈴木。上田ではない。鈴木のほうが、実際にプレーしてみなければ、その日の調子がわからない上田より何倍もアテになる存在だ。カバー可能なエリアは上田より広い。多機能性でも上回る。1トップも兼務できそうな鎌田を外してまで抜擢するなら、上田ではなく鈴木。オーストラリア戦に勝利し、続くベトナム戦が消化試合になれば、先発で起用すべきだとさえ言いたくなる。

 2022年カタール大会は、選手交代5人制で行なわれる初のW杯だ。浮沈のカギを握るのは多機能的選手の数だ。その数と成績は比例すると言いたくなるほど、重要な要素になる。大迫の後任もそのコンセプトで探られるべきである。

 しかし、大迫の比ではないほど偏愛が疑われるのは長友だ。FC東京の一員として、長友が今季スタメンを張った試合は0。開幕からの3試合中、出場したのは2試合で、いずれも交代出場だ。出場時間も合わせて79分にしかすぎない。

 しかも、代表でプレーする定位置=左サイドバック(SB)では、プレーできていない。右SBとして先発する渡邊凌磨と交代で、その後釜に座る。左SBは小川諒也。少なくともFC東京のアルベル監督が、左SBとして長友より小川が勝ると見ていることが、この事実から判明する。その小川は今回も選外だった。森保監督には、佐々木翔のほうが上に映るようだ。

 長友が20歳の若手なら、森保監督の判断に対し、先を見据えた大抜擢だと拍手を送っているかもしれない。しかし、35歳の選手に対する扱いだ。日本の左SBは現状、閉ざされた、募集されていないポジションとなっている。現在、左SBを生業にしている選手たちが気の毒に思えてくる。

 別の選手で戦うことを監督自らが恐れている。他に選択肢を求める余裕がなくなっている。

 日本代表のスタメンは、言い換えれば丸裸だ。オーストラリアのグラハム・アーノルド監督は、それをソラで言える状態にあるだろう。日本にとって絶対に負けられない戦いであるにもかかわらず。

 短期的視点に立っても、長期的視点に立っても、讃える気にはなれない森保采配。これではオーストラリア戦に勝利して本大会出場を決めても、素直に喜ぶ気にはなれない。それは同時に、明るくない将来の始まりに見えるからだ。本大会ベスト8は別の監督で、と言いたくなる。敗戦を必要以上に怖がり、先が見えなくなっている森保監督の姿は、代表監督のあるべき姿から完全に逸脱している。

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