お天気キャスター貴島明日香「病んでいた」過去を告白「ゲームにすごく支えられた」<インタビュー>

ゲーム実況が話題の貴島明日香にインタビュー /撮影:関根いおん

お天気キャスター貴島明日香「病んでいた」過去を告白「ゲームにすごく支えられた」<インタビュー>

9月17日(金) 8:30

「non-no」(集英社)専属モデルで、「ZIP!」(毎週月~金曜朝5:50-8:00、日本テレビ系)のお天気キャスターは5年目となる貴島明日香。登録者数30万人を超える自身のYouTubeチャンネルではゲーム実況の配信をしており、「お前さっきの! さっきのやつか!」「わーめっちゃいるやん…」「ボルトやーやったー!」など、お天気キャスターのときの丁寧で物腰やわらかいしゃべり方とは違った、関西弁で感情的な言葉を口にする姿が話題となっている。
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2021年に発表された「第17回 好きなお天気キャスター/気象予報士ランキング」(ORICON NEWS)で初首位を獲得した“朝の顔”である彼女。今ハマっているゲームは、バトルロイヤル形式のFPSで、一人称視点で銃などを撃ち、最後まで生き残るという戦いに身を投じている。

「殴ったり撃ったりするのが楽しいです…。コツコツ経験値を溜める感じのゲームよりは、オンラインで対戦するゲームの方が好きかもしれない。スリルが好きですね!」と語るなど、普段の装いからは到底想像がつかない考え方を明かす。

しかし、「スプラトゥーン」や「龍が如く」「ダンガンロンパ」「ペルソナ」「初音ミク Project DIVA」など、多種多様なタイトルをプレイするほどの大のゲーム好き。そんな意外な一面が生まれた理由は、幼いころから優しく接してくれた兄たちの存在と、つらい時期を救ってくれたという背景があった。

■兄の影響でゲーム好きに

「幼稚園児ぐらいのときから、お兄ちゃんがゲームしている姿を横で見るのが好きでした。小学校の低学年のときにDSが出たので、最初は『さわるメイドインワリオ』とか『マリオカート』『どうぶつの森』などのタイトルを遊んでいましたね」。

オンラインゲームを楽しむようになったのは、貴島が小学4年生になったときのこと。兄に教えてもらい、ネットゲームに熱中するようになる。

「『ネットマーブル』といういろんなゲームがたくさん提供されているサービスがあって、タイピングゲームやオセロなどで遊んでいました。アバターを自分でカスタマイズしたりも。それまでは一人で楽しむって感じだったんですけど、人と対戦したりしゃべったりするゲームはすごく楽しいなって」。

FPSゲームのデビューは中学1年生になってから。サバイバルホラー要素を含んだシューティングゲーム「Left 4 Dead」を兄からプレゼントされたことがきっかけだった。ゲーム実況やFPSが好きになったのは、兄の存在が大きかった。

「昔から兄は変なアフレコを入れたりとか、しゃべりながらプレイしてくれたんです。今で言うゲーム実況ですね。普段のゲーム中は無言なんですけど、私が横で見ているときはアフレコしてくれて、妹を楽しませてくれたのかなと思います。それがすごく好きだったので自然とゲームも好きになれたし、今でもゲーム実況動画が大好きで毎日見ています」。

原体験からゲーム実況というジャンルを好きになった貴島は、やがて自身でもチャンネルを開設。生配信でゲームをプレイするようになる。

「ずっと『CoD』(※Call of Duty)のブラックアウト(※大人数でのサバイバルモード)をやっていたんですけど、『Apex Legends』や『Fortnite』がはやっている時期だったので、友達と一緒に『Apex』を始めました。ちょうどその頃に『OPENREC.tv』でゲームチャンネルを開設して、生配信でたくさんの人に見てもらえるようになりました。そのあとにYouTubeチャンネルも開設して、ファンの方とコミュニケーションを取りながらやったり、たまに雑談もしたり。ゲームに関係ない飲み配信も。あとは、生配信の切り抜き動画をアップするようにしたら、さらに見てくれる人が多くなりました」。

YouTubeではゲーム実況をはじめ、さまざまな配信をするようになった貴島。ゲーム実況については、特にうれしそうに話してくれた。

「ゲーム実況の良いところって、一緒に誰かと楽しんでいる感覚になれる部分ですよね。自分が触れたことのないジャンルだけど、誰かがやっているのを見たら自分もやりたくなるとか。ホラーゲームを自分でやるのは怖いけど、この人がやってくれたら怖さも軽減するなとか。一緒にやっている感覚になるなっていうのがすごく良いところだと思います」。

今でこそ「貴島=ゲーム好き」という印象が強いが、チャンネル開設以前まではゲーム好きを公言してこなかった。

「自分ではゲーム好きと言わない方がいいかなと思っていたので、公言はしてこなかったです。でも、実際ゲームの写真とかを上げ始めたら、皆さんが親近感を持ってくださって『こんなゲーム好きな自分でも受け入れてくれるんだ』と思って、そこから自然体で今までやってきたゲームの話をし始めましたし、いろんな私を見てもらえるようになったりして、すごく楽になりましたね(笑)」。

■成功の裏に隠されたつらい時期

ゲーム実況に勤しんでいたころ、FPSゲーム「Apex」の大規模大会への出場が決定。俳優の速水もこみち、FPSプロゲーマー・すももとともに戦いに臨むことに。

「すごく反響が大きくて。速水さんが出るというのもそうですし、ファンがたくさんいらっしゃるすももさんと一緒にプレイできるというのも、すごく大きかったです。チャンピオン(※バトルロワイヤルで最後まで生き残ること)を取れたんです。その時に初めてたくさんの人の目に触れたと思います」。

ゲームの世界でも知名度が上がっていくことで、“ゲーマー”としての感情も出てくるようになる。

「ぶっちゃけ、私ってゲーム下手そうじゃないですか? 実際、ゲームがうまいわけではないんですけど、長い時間プレイはしていたので、意外とできるなと注目してもらえたのかなと思います。すごく負けず嫌いなので、女子だからどうのこうの言われるのがすごく嫌なんです。だから練習もたくさんしました。射撃訓練場で何時間も練習するみたいな」。

並々ならぬ思いで大会に出場し、見事チャンピオンを取ることに成功。ゲームの仕事も増えていく。

「もうすぐ『東京ゲームショウ2021』(9月30日[木]~10月3日[日])があるのもあって、今の時期は半分ぐらいがゲームのお仕事なんじゃないかな(笑)。企業さんからいただくことも増えましたし、ゲーム番組に呼んでいただくことも増えました。特に『Apex』関係はすごく呼んでいただけています。あと、子どもがやっていそうなタイトルもやらせてもらうことが増えました。今は『パズドラ』の番組にレギュラーで出させていただいたり、この前は『フォートナイト』の親子大会に呼んでいただいたりもしました」。

趣味が仕事につながるほど順風満帆な芸能生活だが、今に至るまでは決して平坦な道のりではなかった。“朝の顔”を務める裏で、その特殊な業務環境がメンタルをむしばむこともあった。

「『ZIP!』を始めてから、あまり人と会わなくなったんですよね。お天気キャスターを始めてから1年ぐらいは、遊びに行くこともまだあったんですけど。2年目ぐらいからは遊びに行くのもしんどくなっちゃって。朝が早いので出掛けられず、常に早く寝る生活。ステイホームの時期だったので、よけいに家にいることも多くなって…。それで勝手にすごく病んでしまったんです」。

実は、高校生になって事務所に所属したことや上京をきっかけに、ゲームをプレイする頻度が極端に少なくなっていた。ゲーム実況動画は視聴していたが、ゲームとは疎遠になっていたと明かす。だが、家にいる時間が増えたことによってゲーム熱が再燃することになり、これが転機となった。

「ゲームの世界観に入り込めて、自分のオンとオフが切り替わるのですごく癒されたんです。それに、ゲームをしながら地元の友達と久々にオンラインでしゃべるきっかけにもなって、そこで改めて友達の大事さというか一つのつながりをすごく実感できました。人と話せるというのにすごく救われましたね」。

メンタルバランスを整える意味で、ゲームに救われたという。ほかにもプラスに転じたことがあり、“ゲーム内陽キャ”と自称するほどに人見知りの貴島にとって、ゲームはまさに渡りに船という存在だった。

「私はもともと明るくはなくて、お天気キャスターになることが決まったときも、すごく無理をして明るい自分を作っていました。一度、宇多丸さんのラジオに出させていただいたことがあるんですけど、はじめは全く接点がなくてどうしようとなってしまいました。でも、ゲームの話題のおかげでふたを開けたら湯水のごとくにブワーってしゃべれましたね。清水翔太さんとコラボさせていただいたときは、オンラインでのやり取りということもあって最初は緊張しました。でも、ゲームという共通の話題で仲良くなれました。やっぱりゲームの力って偉大だなって思います」。

■ゲーム業界を盛り上げていきたい

「私が小さいころって、ゲームに対してちょっと偏見を持たれていたりとか。周りも『ゲームとかオタクじゃん』みたいな。特にパソコンとかでやっていると思われがちだった気がします。でも、今は小学生が普通に親とプレイしていますし、外で遊べないからオンラインで友達と通話しながらゲームすることが主流になっているように感じます」。

ゲームと共に過ごし、そのゲームに救われた貴島。恩返しという意味で業界自体をもっと盛り上げていきたいという思いもある。

「eスポーツ自体もいろんな人に知れ渡るようになったり、偏見が徐々になくなってきていますよね。自分が小学生のころはできなかったけど、今はできるんだって。なので、ゲーム業界を盛り上げていきたいと思いますし、私はゲームにすごく支えられたので、そういう人もいるんだよっていうのも認めてもらえたらなという気持ちはあります」。

さまざまな肩書はあるが、実は普通のゲーム好き。ゲームに支えられた彼女が、ゲーム業界を支えていきたいという思いは必然なのかもしれない。

「ゲームの大会だと実況者がいたり、VTuberがいたり、芸能人がいたり、歌手やアイドルがいたりするんですけど、ゲームでつながる場所みたいな感じで、そういう空気がすてきです。スポーツでつながることもあれば、ゲームでつながることもあるんだよっていうことを、もっと世の人に知ってもらえればなと思います」。

◆取材・文=鳥羽竜世



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