【対談前編:加藤和樹×田代万里生】「天使な和樹くんに何度も助けられた」ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』

加藤和樹×田代万里生 撮影:源賀津己

【対談前編:加藤和樹×田代万里生】「天使な和樹くんに何度も助けられた」ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』

9月6日(月) 18:00

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』が9月9日(木)に開幕する。

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本作は、世界的に有名な未解決事件として恐れられた殺人犯・通称“ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)”をモチーフにチェコ共和国で創作されたミュージカルを原作に、韓国独自のアレンジを施し大人気作となったミュージカルの、日本初演。

白井晃が演出を手掛ける本作で、刑事アンダーソン役と殺人鬼ジャック役を回替わりで演じる加藤和樹と、新聞記者モンロー役を演じる田代万里生の対談を前編・後編でお届けする。今回はその前編。

稽古場はカオス!?

――現状、全シーンの大枠はできて、細かい部分のブラッシュアップに入っているそうですが(取材時)、どんなお芝居になりつつありますか?

加藤 カオスです。

田代 ははは!

加藤 僕は韓国でこの作品を観たのですが、その時の印象よりもものすごく深い物語になっています。韓国版はショーアップされた楽曲などもありましたが、白井さんのつくり方はそれとは違い、お芝居ありきの音楽というか。

ミュージカルよりも音楽劇に近いイメージ。“お芝居をしている”という作品になりつつあるなという感覚です。

――音楽劇に近いというのは。

加藤 もちろんこの作品は楽曲の素晴らしさも魅力なんですけど、その中で白井さんがおっしゃるのは――これは当たり前のことかもしれないですが、“急に曲が流れるのではなくて、役者がそこにいるから音楽が流れ出す”ということです。

そういう“心情が伴う流れ”が見えないと、お客様もついてこられないので。そういう意味で、“音楽がここにある”というような芝居だなと感じています。

田代 和樹くんが韓国で観た時に、ジャックのナンバーはライブみたいだったと言っていたのですが、白井さんの演出はそれとは相反するような、お芝居に音楽が共存しているようなイメージです。

ショーアップされて振付も決まっていれば、固まるのは早いんですけど、白井さんは「こういう動きをしてほしい」というよりも「こういう気持ちでいてほしい」という演出で、時間をかけてじっくりと積み重ねているような感じです。

――脚本を読ませていただくと、じっくり向き合う稽古は精神的にきつそうだなと感じますが、どうですか?

田代 和樹くんは2役演じるから、役によるんじゃない?

加藤 精神的にきついのはアンダーソン(切り裂きジャックの連続殺人事件を追う刑事)ですね。彼は抱えているものが多いんです。それはポリー(アンダーソンと思いが行き違う娼婦)のこともそうですし、ロンドンという街に対しても思うことがありますし、自分の存在意義みたいなものもそう。

さらに、ジャックの事件を追う立場ではあるのですが、そこへの自問自答みたいなものがあるんですよ。アンダーソンの歌に「何のために追いかける?」というような歌詞もありますが、そこをすごく迷っている。そういうものが常に心にあるような役ですね。

モンローはみんなの不幸がエネルギーになる(田代)こんな万里生さんは見たことない(加藤)

――もうひとつの役・ジャック(ロンドンの街を恐怖に陥れる連続殺人鬼)はどうですか?

加藤 楽しんで演じています(笑)。振り切ったもん勝ちみたいな。ダニエル(純真なエリートだが闇に堕ちていく外科医、木村達成と小野賢章がWキャストで演じる)とは、ある意味表裏一体というか。

ジャックの存在が大きければ大きいほど、ダニエルの内面にあるものが膨れ上がっていくような役なので、白井さんからは、自分が想像していたよりも「もっと大きく」とか「もっとダニエルを煽るように」という演出を受けています。思っていたよりやっていいんだなって感じです。

――韓国で観たジャックとも違いますか?

加藤 もちろんぶっ飛んでいるという意味では共通している部分もあるのですが、演出の仕方だったり、ジャックの在り方だったりは別物ですね。“ダニエルに通じている”という部分は白井さんならではのところだと思うので、目指したいです。

――田代さんは、ビジュアル撮影のタイミングで取材させていただいた時に、モンロー(スクープのためならどんな手段も厭わず事件を追う新聞記者)を「どんなふうになるのかわからない」というお話をされていました。実際に稽古が始まってどうですか?

田代 葛藤していたり不安そうな顔のキャラクターが多い中、モンローはずっと狂気的に笑っているんですよ。ある意味ジャックと同じで、好きなことしかやっていない人です。

自分がやりたいことをゴリ押しして、全部実現させながら物語が進んでいくので、僕はあまりストレスがないですね。みんなみたいにどんどん病んでいく感じとかないです。楽しいです!

加藤 (笑)。でもそのぶん動きまくるよね。記者の役だから。

田代 そうね。だから誰よりも汗をかいてる。特ダネ欲しさに燃えています!

――やはり韓国版のモンローとは違う感じですか?

田代 韓国版のモンローはコミカルな雰囲気もあったようですが、今回のモンローはコミカル要素というよりも、本当に狂気と欲望丸出しという感じ。何に対しても誰に対しても全くひるまない、ものすごい圧と熱量がある役になっています。

加藤 「特ダネをものにしたい!」「あわよくばそれで…!」というような役ですよね。

田代 そう、だからみんなの不幸がエネルギーになるんですよ(笑)。みんながダウンしていけばいくほど、モンローはそれを燃料にして高らかに笑っていくっていう。

加藤 でもこんな万里生さんは見たことないと思いますよ。割とちゃんとした人の役が多い印象がありますけど、こんなに汗かいて、常に笑って……アンダーソンに対してはちょっとうざいし(笑)。

田代 白井さんには「モンローはハエのようにアンダーソンにまとわりついてくれ」と言われているので。(加藤と田代がWキャストでラドゥーを演じた、2021年6~7月上演のミュージカル『マタ・ハリ』で)ラドゥーを演じている時は「気持ち悪い」って言われてたんですけど、今モンローをやってる時は「うざい」って言われるんですよ(笑)。快感です!

2人 (爆笑)。

全く違うキャラクターだからこそ楽しめた『マタ・ハリ』での経験

――そのミュージカル『マタ・ハリ』ではWキャストで同じ役でしたので、違う役で一緒に芝居するという意味では初めてですが、そこはいかがですか?

加藤 僕は今言った通りで、万里生さんにモンローのようなイメージはなかったので、すごく新鮮です。だから新しい面も見られるのですが、それでもやっぱり役に万里生さんらしさが出ている。そこがいいなと思っています。

万里生さんが演じることで、モンローがある意味すごくピュアに感じるんです。変な下心というより、「特ダネが欲しい!お金が欲しい!」という純粋な欲求が見える。

だから憎めないんだよなって感じです。「言ってることは間違ってないしな」っていう(笑)。そこが面白いし、万里生さんならではのモンローだなと感じます。

――加藤さんは、田代さんのお芝居にピュアさを感じているんですね。

加藤 それはラドゥーを演じた時にも感じました。僕とは全く違うラドゥーでしたしね。これは万里生さんの特性だと思っています。

田代 僕らはお互いのキャラクターが全然違うので、真似しても同じにならないんですよね。

Wキャストの時って、「敢えて相手とは違うことをやってみよう」と考えることもあるのですが、和樹くんとは、純粋に自分がいいと思うものをやって、それがお互い「それ面白いね!」と心の底から思える関係でいられたなと思います。だから『マタ・ハリ』の時、すごく楽しかったです。

――田代さんは加藤さんにどんな印象がありますか?

田代 こういうアウトローな風貌なんですけど、中身は天使です。

加藤 (笑)。

田代 ほんとに! 『マタ・ハリ』カンパニー内でのリーダーシップとか、途中で中止になって大千穐楽ができなくなったときの仲間へのケアとか、本当に素晴らしかった。

カンパニーのグループLINEとかでみんなの士気を高めたり、みんながずっと思っていたけど言えなかったことをポーンと言ってくれたりもしました。誰に対しても無償の愛を感じることも多くて、僕も何度も助けられましたね。

――田代さん、前回のインタビューでも加藤さんのことを頼りにしてるっておっしゃってましたもんね。

田代 カンパニー全員が頼りにしてたと思う。だから僕の中では天使です! この作品では、そんな天使さんが切り裂きジャックを演じます!

加藤 あははは!(手を叩いて笑う)

【後編につづく】(後編は、田代さんの加藤さん愛が炸裂します)

公演情報

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』

【東京公演】
2021年9月9日(木)~2021年9月29日(水)
会場:日生劇場

【大阪公演】
2021年10月8日(金)~2021年10月10日(日)
会場:フェニーチェ堺 大ホール


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