がん闘病中の大島康徳さんインタビュー「今まで通りの生活ができればいい」

がん闘病中の大島康徳さんインタビュー「今まで通りの生活ができればいい」

がん闘病中の大島康徳さんインタビュー「今まで通りの生活ができればいい」

3月29日(月) 16:34

2017年にAmebaブログで「ステージ4の大腸がん」であることを告白した元プロ野球選手で野球解説者の大島康徳さん。ご夫婦に「がんと共存する生き方」をお聞きしました。


――さっそくですが、まずはがんが発覚した経緯についてお聞かせいただけますか?


康徳さん:きっかけは、妻から言われた「ちょっと痩せたんじゃないの」という言葉でした。当時はちょうどダイエットのため食事量を抑えていたので、最初はそのせいだと思ったんですが。でも、妻が「その痩せ方は尋常じゃないか」と。それで一緒に検査に行きました。


――そのときは、まさかご自身ががんだとは…?


康徳さん:意識をするもなにも、俺にそんなことあるはずがないと。僕は病院嫌いなんですが、健康診断は毎年受けていたんです。がんだなんて全く頭の中になかった。

奈保美さん:「がんです」「ステージ4です」と言われても、意味がわからなかった。でも診断がついてからは、あっという間なんですよね。治療はベルトコンベアのようにどんどん進められて、がんが判明して2週間後には、手術を受けていました。


――手術後、康徳さんはブログでご自身ががんであることを公表されていますよね。


康徳さん:最初から公表しようとは思ってなかったんです。ただ仕事柄、人と会う機会が多いので、きちんと公表した方がいいよね、と妻と話して決めました。がん患者からすると、社会の“気配り的なもの”が、ちょっと過剰だと思うことがあるんです。


――“過剰な気配り”ですか…?


康徳さん:例えば、仕事相手に病気であることを伝えた途端に「大丈夫です、大丈夫です」「お身体大事にしてください」と疎外されて、居場所がなくなってしまう。病気をひた隠しにしてる人が多い理由には、社会からフェードアウトする怖さがあるんです。

奈保美さん:「治療に専念してください」というと聞こえはいいけど、患者さんを排除することにもなりうるんですよね。がん患者に限らずですが、必要なケアがあればできる物事を「排除しちゃった方がラク」とする傾向が、今の日本にはある気がしていて。でも、それは切り捨てることなく、社会全体で受け入れなきゃいけない。そう考えています。

康徳さん:僕の場合、肝臓に転移はありましたが、「今まで通りに仕事をして、今まで通りの生活ができればいい」というのが肝心なんです。がんの完治を目指すというよりも、今の生活を維持するための治療を続けています。


――康徳さんが「今まで通りの生活ができればいい」という治療方針を選んだのには、何か理由があるんでしょうか?


康徳さん:病気を理由に日常生活を変えたくなかったんですよね。僕はどちらかというと、ルーティンを一つ一つこなしていきたい人間なんです。

奈保美さん:野球選手としてずっとそういう生活をしてたから、引退後も変わらなくて。朝、何時に起きて何を食べて、何時に出かけて、家に帰ったら何をして何時に寝るまで、今も全部一緒です(笑)


――康徳さんががんを告知されてから、ご家族の関係性に変化はありましたか?


康徳さん:妻に「体調が悪い、つらいなど素直に言って」と言われるのに僕が言わないから、それで喧嘩になることはありますね。夫婦喧嘩の原因はだいたいそれです。

奈保美さん:病気のことは一旦抜きにして、普通に接しています。私の体調が悪い日には、彼に買い物を頼むこともありますし、喧嘩などで機嫌が悪い日には、距離をとることもあります。

康徳さん:過剰に何かを求めることもなく、見栄を張ることもなく、今まで通りの普通の生活を守っていきたいなと思っています。


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