お子さまがなかなか片付けをしない時に、「片付けないなら捨てるよ」と言ったことはありませんか? イライラしてつい言ってしまいがちなセリフですが、実はNG。効果がなくなっていくだけでなく、子どもの信用を失ってしまう可能性もあります。
この記事のポイント
「片付けないなら捨てるよ」はオオカミ少年と一緒?
ウソではなく本当のことに言い換えて
片付けは「罰」よりも「メリット」を伝えて
「片付けないなら捨てるよ」はオオカミ少年と一緒?
この言葉を言っても、本当におもちゃを捨てることは少ないのではないでしょうか。捨てたと見せかけて隠したり、言うだけで特にアクションを起こさなかったり……そういったことがほとんどだと思います。
本当はやらないのに「やる」とウソをつく。これ、イソップ寓話に出てくる「オオカミが来たぞ!」とウソをつく少年と同じですよね。その結末は、おそらく多くのかたが知っているはず。「片付けないなら捨てるよ」の結末も一緒です。
「捨てられたら困る」と思うので、始めは効果があり慌てて片付けます。でも、そのうち子どもも気付いてくるのです。「どうせ捨てないだろう」と。そうすれば、徐々に片づけをしなくなってきます。やっていたとしても、怒られるのが怖くてやっているだけ。本当の意味で片付ける習慣はつきません。
そればかりか、保護者のかたの言葉を信用しなくなってくる可能性もあります。片付け以外の場面でもそう思ってしまったら……。それは保護者のかたも望んでいないはずですよね。
ウソではなく本当のことに言い換えて
なかなか片付けをしない子どもに「捨てちゃう」と言いたくなる気持ちはわかります。ゲームのやり方などで約束を守れなかった時は、少し厳しい対応をしたくなりますよね。
そういう時には、ウソではなく本当にできることを言うようにしましょう。おすすめは、「捨てる」ではなく「預かる」と言う方法。「片付けられないなら明日までママが預かります」「お約束を守れなかったので、1週間ゲームは預かります」と言えば、ウソにはなりません。一定期間そのおもちゃでは遊べなくなってしまうので、子どもにもある程度効果があるでしょう。
片付けは「罰」よりも「メリット」を伝えて
「預かる」というのは最終手段です。罰を与えることになるので、あまりおすすめはしません。理想は、片付けることのメリットを伝えていくという方法。
「片付けると遊びにいけるよ」「片付けると気持ちいいね」など、片付けるとどんな良いことがあるのかを教えてあげましょう。合わせて、ちょっとでもできたらほめるということを繰り返してみてください。そうすれば、自主的に片づけることができるようになるかもしれません。
また、片づけをしやすいように環境を整えたり、楽しい時間にしたりするのも効果的です。こんな方法も試してみてください。
おもちゃの数を減らす
おもちゃ箱を一つにしてまとめて入れる
「最初」ではなく「最後」をやってもらう
片付け競争をする
カウントダウンをする
まとめ & 実践 TIPS
「片付けないと捨てちゃうよ」はつい言ってしまう言葉ですが、子どもにとっても保護者のかたにとってもマイナスになっている可能性があります。まずは、片付けの良さがわかるような言葉がけを意識してみましょう。そして、どうしても罰を使わなければならない時は、「捨てる」ではなく「預かる」という言葉を使ってみてください。