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外壁を無垢材にしたら、台風で2年続けて破損。素材選びは環境を考えて!

11月27日(金) 20:04

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家を建てるなら無垢材をふんだんに取り入れたい、そんな憧れを抱いている方も多いかもしれません。住宅ライターの永井理恵子さんは、床や柱にヒノキを使ったお宅を取材した際、爽やかな香りと柔らかな感触に感動。その後、静岡県内に無垢材を取り入れた自宅を新築しました。
ところが、2018年の西日本豪雨の影響で無垢材の外壁が壊れるというトラブルに見舞われました。さらに翌年も台風で同じようなトラブルが。工務店の迅速な対応ですぐに修繕が施され、火災保険も下りて現在は落ち着いているそう。この経験から、外壁に無垢材を選ぶ際はメリットとデメリットについてきちんと知っておくべき、と感じています。
焼杉の外壁を断念。黒く塗装した杉板に変更
家を建てることになり、外壁材として考えていたのは焼杉でした。焼杉とは、表面を焼いて炭化した杉板のことを指します。炭化した層が板の劣化を遅らせるうえ、この層がある限り塗装などのメンテナンスは不要。自然素材を使いながらもメンテナンスが極力いらない家を建てたいと考えていた私には、まさにうってつけの素材でした。
ところが、工務店の方のお話によると、最近では焼杉をつくる腕のいい職人さんが激減していて、質の高い焼杉を手に入れようとするとかなりコストアップしてしまうそうです。
焼杉は、もともとはおもに関西のほうで使われていたため、当然職人さんも関西に多く、安価に入手できるエリアの杉を焼杉にして使うなら運搬コストもかかる、という話でした。この話には設計を依頼した建築家もうなずいていて、焼き杉は諦めることに。代わりにキシラデコールという塗料で黒く塗装した杉板を外壁に使うことになりました。
ふとした瞬間に「味が出てきたなぁ」と思えるのが無垢材の良さ
木の色が鮮やかなウッドデッキの柱
無垢材のいいところは、経年変化しても「劣化している」と感じさせないところだと感じています。わが家の場合、ウッドデッキの柱などが好例。写真は建築中に撮ったウッドデッキの柱。まだ木の色が鮮やかです。
落ち着いた色あいに変化したウッドデッキの柱
こちらは入居して約5年たった現在のウッドデッキ。無塗装の荒木のため、徐々に落ち着いたグレーがかった色合いに変化し、外壁の黒い杉板と馴染んでいます。
入居して1年目の軒天
こちらは入居1年目の軒天。柱同様、色鮮やかです。直射日光が当たらないので柱ほど経年変化はしていませんが、5年たった今、わずかながら木目の色あいが落ち着いてきました。こんな風に、ふと見上げたときなどに「味が出てきたなぁ」と思えるところがとても気に入っています。
また、木は直射日光を浴びたときの温度の変化が緩やかなため、真夏や真冬の室内への影響が少ないようで、温熱環境の面でも非常に満足しています。
入居2年目、外壁が破損するトラブル発生
わが家は外壁だけでなく柱も天井も床もすべて無垢材。入居以来ほとんどトラブルもなく快適に過ごせていましたが、2018年の夏、初めてのトラブルに見舞われました。入居2年目のこの年は、6月に西日本豪雨災害が起こり、夏は記録的な暑さ、秋には次から次へと台風がやってきました。
雨と強い風にさらされて壊れてしまった外壁
わが家の外壁は、クギを使わずに羽目板で施工してあります。大量の雨水を浴びて水分を含んだ杉板は、真夏の強い日差しを浴びて乾燥し、秋の台風で多量の雨と強い風にさらされてついに耐えきれず、壊れてしまったのです。
亀裂が入ってしまった外壁
水分を含んで膨らみ切った板が外れて落ちていたり、膨らみ切ったけれど行き場がなくて板に亀裂が入ったりしてしまいました。中には、杉板が割れて隆起し、エアコンの配管カバーや窓のサッシが変形しそうになっている箇所もありました。
コーキングが押しつぶされてしまった杉板
もちろん、何も対策をしていなかったわけではありません。建てて数年の間は無垢材が膨らんだり縮んだりすることを想定して、壁の端にコーキングを入れた「遊び」の部分を3㎝ほど設けていました。
上の写真をよく見ると、右から2枚目と3枚目の板の間に黒くて細いゴムのような筋があるのがわかると思います。この筋が、「遊び」のために入れたコーキング。でも、今やほとんど押しつぶされてしまっています。木は生きている、そして思っていた以上に膨らんだり縮んだりするんだ、と改めて実感しました。
工務店が迅速に修繕、火災保険も下りた。でも…
わが家の施工をお願いした工務店に連絡したところ、すぐに様子を見に来てくれて、数日後には足場を組み、職人さんたちが入れ代わり立ち代わり来て修繕してくださいました。
膨らんだ杉板を取り外して少し切り、釘で留めてコーキングを打って修繕したところ
膨らんだ杉板を取り外して少し切り、クギで留めてコーキングを打って修繕してあります。直したばかりの頃はみっしりと詰まっていた杉板ですが、冬が近くなり乾燥している今の時期は乾いて縮み、すき間ができています。
修繕箇所が多い東側の壁
こちらは修繕箇所が多い東側の壁。クギが刺さっているところやコーキングを打ってある場所は、ぱっと見ではよくわからないと思います。
釘を打って修繕した杉板
近づくとクギが打ってあるのが見えますが、ほとんど気になりません。
実はこの翌年、2019年の台風の後にも数か所で同じようなトラブルが発生し、気持ちが落ち込みました。いずれも加入している火災保険が下りたので助かりましたが、今後もずっと下りるとは限りません。もしかしたらまた今後同じようなことがあるのかと思うと、正直なところ、不安です。
無垢材を外壁に取り入れること検討している方は、メリットとデメリットをきちんと把握し、お住まいの地域の気象状況やついてもよく調べたうえで外壁や屋根などの素材を選ぶと良いと思います。

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