マツコ番組にも出演 現役外科医がどんなに忙しくてもブログで伝えつづけたいメッセージとは

マツコ番組にも出演 現役外科医がどんなに忙しくてもブログで伝えつづけたいメッセージとは

8月13日(火) 18:01

絵だけだと伝えきれない。言葉だけだと物足りない。「漫画」という形でブログをつづる人たちへの思いを探る特集「漫画ブログの底力」。

第一弾は、現役外科医で歴戦のオタク、さらに母としての日常を漫画でつづる人気ブロガー、「さーたり」さんこと中山祥未さんにインタビュー。

バラエティ番組『マツコ会議』のコミックエッセイ特集にゲスト出演、NHK情報番組「あさイチ」にも生出演するなど、ますます活躍中のさーたりさんに、忙しい日々を送りながら10年以上も「漫画ブログ」を書き続ける原動力をうかがってみました。




<さーたり>
専門は消化器外科、時に肝臓・胆道・膵臓、移植外科の現役外科医ブロガー。 同期の夫と結婚し出産。現在3児の母として絶賛子育て中。 『聖闘士星矢』『幽遊白書』『忍たま乱太郎』などを愛好するオタクでもある。

「あれ、出産後のほうが忙しくない?」

ーーもう10年ブログを続けていらっしゃいますが、今の漫画形式はお子さんが生まれてからですよね? 出産直後の子育ても大変な時期に手間がかかる漫画を描こうと思ったきっかけは何かあったんですか?

さーたり:実は、子供が生まれてから意外とヒマだったんです。出産前のバリバリ外科医をやってたときと比べて、寝る時間ある、ごはんも食べられる、家にいられるなんて…!と。細切れはありますが、自分の時間を持てるようになったので、ためしに漫画でブログを描いてみようと思いました。

ーー漫画自体はオタク活動で描き慣れていたんですか?

さーたり:ですね(笑)。もともとイラストよりもオチがある4コマ漫画のほうが楽しく描けるので、子育て記録もかねて漫画形式に変えてみました。


漫画形式に切り替えた2011年の記事。フライトドクターの経験談をつづった記事は、ドラマ『コード・ブルー』放送時に大きな反響があったという。



ーーこれまでのオタ活が活きてきましたね!

さーたり:二次元の綺麗めのイラストから4コマ用のデフォルメタッチに絵柄を変えて、デジタルで描くのはちょっと大変だったんですけどね。でも、誰かに話す感覚で漫画を描くのがとにかく楽しかったです。

実は期間限定だった

ーー10年もブログを続けること自体が大変だと思いますし、漫画のネタを考えて描くのは文章でブログを書く以上に大変だと思います。なにか続ける原動力はあったんですか?

さーたり:そもそも、外科医に復帰して子育てもするとなったら忙しくなるとわかってたので、出産から1年くらいでブログは辞めるつもりで描いてたんですよ。

ーーまさかの期間限定!

さーたり:そのつもりだったんですが、思ったより読者の方からコメントがいただけて、あれも描いてみよう、これも描いてみようとしているうちに10年が経ちました…(笑)。

医療の現場をもっと身近に

ーーさーたりさんのブログは、読者が共感しつつ、医療の現場という未知の世界を教えてもらえる点が特徴ですよね。

さーたり:たしかに、医療の現場をもっと身近に感じてもらいたいという思いは常にありますね。患者さんの中には、「医師が何を考えてるかわからない」と、遠い世界に感じている方も多いと思うんです。

もちろん、命を扱う重さは常にありますが、医師も人間ですし、医療ドラマみたいにいつもシリアスな雰囲気ではないんですよね。

デフォルメしたタッチで描く漫画で、ブログという一個人の発信なら、そんな医療の現場の日常風景を伝えやすいのではと思って発信しています。




自分の帝王切開をみながら出産」の記事。このエピソードにはさすがのマツコさんもドン引きしたのだとか。



ーー医療の現場を描くうえで、気をつけてることはありますか?

さーたり:読者に不安を与えないように伝える、というのは意識していますね。医師にとっては当たり前でも、患者さんにとっては「大丈夫かな」と心配になることもあるので。

たとえば、1冊目の書籍でも描いたのですが、外科医も手術中に雑談することがあるんです。よくある医療ドラマのように緊迫した現場は少ないという話なんですが、単純に「外科医は手術中に雑談してる」って描いてしまえば、患者さんは「雑談しながら手術なんてミスしないの?」と不安になりますよね。

だから、順調な手術ほど医師もリラックスして雑談をしているんですよ、と伝わるように心がけました。




磁石の誤飲の危険性を伝えた記事では、小さい子を持つブロガーから多くのコメントが寄せられた。



ーー医師と患者のあいだの感覚はかなり違うかもしれないですね。特に手術なんて、患者さんからしたら一生にあるかないかですし。

さーたり:そうなんです。そういった感覚のズレをブログで教えてもらうことも多いですね。「この単語は一般的じゃないんだ」とか、「ここに患者さんは不安を感じるんだ」とか、仕事ではなかなか聞けないところをブログでおしえてもらえます。

ーーさーたりさんだからこそできる発信が、ブログを続けてきた原動力なのかもしれませんね。

さーたり:忙しくて更新できない時に、このまま続けてもいいのか悩んだこともありましたが、「さーたりさんのペースで更新してください」「待ってるのでゆっくりでいいので続けてください」と言ってもらえるのがありがたいです!お医者さんとの境目をうめるようにできたら嬉しいですね。


さーたりさんの新刊が発売中!
「腐女医の医者道! 私も子どもたちも大きくなりました!編」

現役医師であり、三児の母であり、オタクでもある外科医、さーたりが描くコミックエッセイ第3弾! どうして医者になったのか、我が子を見て「医者の子だな」と感じる瞬間は何か、今と昔の自身の腐女子事情など、医者・母・オタクの三拍子そろった著者ならではネタがふんだんに詰まっています。 前巻までに描いた「医師」・「母」としての話はもちろん、第3巻では医者を目指したきっかけや夫との馴れ初めなど、今までとはまた違うエピソードを大量描き下ろし!


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