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飲酒・喫煙・養育費…成人年齢18歳でどう変わる?施行時19歳は?

6月15日(金) 9:45

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 2018年(平成30年)6月13日、民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げることなどを内容とする民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)が成立した。現状、18歳未満および成人未満でなければ利用できなかったサービスや行為の利用範囲は今後、どのように変わっていくのだろうか。

 婚姻適齢(結婚できる年齢)や消費に関わるクレジットカードに関する内容のほか、喫煙や飲酒、ギャンブルといった内容の法定年齢はどう変わるのか。「18歳」と「19歳」をめぐる疑問をまとめた。

約140年ぶりの見直し、成人年齢は18歳へ

 2015年6月、公職選挙法の改正により、選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられた。2016年7月には、国政選挙(参議院議員通常選挙)において、はじめて18歳選挙権が実施された。選挙権年齢の引下げに続き、今回は「成年年齢」が18歳に引き下げられる。改正民法が2018年6月13日の参院本会議で成立したことから、2022年4月1日からは18歳・19歳が成人に達する。

 成年年齢の見直しは、1876年(明治9年)の「太政官布告」以来となり、約140年ぶりのこと。年齢の引下げによせ、法務省は「18歳、19歳の若者が自らの判断によって人生を選択することができる環境を整備する(後略)」としている。

 法務省によると、民法改正に伴う改正はおよそ200項目程度。なお、民法のうち契約等に関するもっとも基本的なルールが定められている「債権法」の部分は、1896年(明治29年)に制定されてから約120年間にわたり実質的な見直しがほとんど行われていなかったため、法務省は今回の改正について「約120年間の社会経済の変化への対応を図るために実質的にルールを変更する改正」である一面を持つとしている。

法律の要点

 「民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)」では、「一人で有効な契約をすることができる年齢」および「親権に服することがなくなる年齢」として定められている成年年齢を、いずれも20歳から18歳に引き下げる。成年年齢の引下げ(民法第4条)により、「成年」と規定する他の法律も18歳に変更された。

 民法第731条では、現行法では男性18歳、女性16歳の婚姻開始年齢を、女性の婚姻開始年齢の引き上げ、婚姻開始年齢は男女とも18歳に統一する。

 成年年齢の引下げおよび女性の婚姻開始年齢の引上げは、若者のみならず親権者を含む国民全体に影響し、消費者被害を防止する観点などからも、周知徹底期間が必要とされる。よって、試行は2022年(平成34年)4月1日とする。

成年年齢引下げ、どう変わる?

 「成人」の定義が18歳になったことで、変わるサービス・モノ・行事などはあるだろうか。18歳からに変わるものと、変わらないものを並べた。

画像:「成年年齢」引下げ 2018年と2022年の対象年齢を比較した
18歳からになるもの

 「一人で有効な契約をすることができる年齢」が18歳になったことから、2022年4月1日からは18歳および19歳も親の同意なくクレジットカード、携帯電話・スマートフォンなどを契約できる。一方で、親の同意がない場合の法律行為を取り消す「(消費者契約法における)取消権」は18歳から行使できなくなる。よって、消費者庁は今後、消費者教育の充実や消費生活相談窓口の充実、消費者ホットライン「188」の周知を徹底していくとしている。法務省は今後、ポスターやパンフレット、Webサイトや各種講演などで国民全体に情報を提供する予定。

 婚姻開始年齢、いわゆる結婚できる年齢は、男女とも18歳に統一される。現行の旅券法では、未成年者は有効期間5年のパスポートしか取得できないが、今後は10年も取得できる。帰化の要件も18歳へ、性別の取扱いの変更の審判も18歳となる。

 「未成年者」が欠格事項や登録できない年齢にあたるような資格などのうち、公認会計士資格、医師免許、歯科医師免許、獣医師免許、司法書士資格、土地家屋調査士資格、行政書士資格、薬剤師資格、社会保険労務士資格などは18歳から取得可能になる。

 なお、成年年齢の引下げに伴う「成人式」の時期やあり方は、これまで同様に各市町村が主体となって企画、実施することで変更ない。法律による規定がないため、今後も各自治体で実施していくものとされる。よって、18歳と20歳が同時に成人する2022年、19歳も含めた成人式をどのように実施するかは、実施主体の判断によると見込まれる。

画像:18歳に変わるもの(左)、20歳が維持されるもの(右)
20歳を維持するもの

 喫煙、飲酒、競馬・自転車競技・小型自動車・モーターボートなどのギャンブル、養子を取ることができる者の年齢は現行法と同じく20歳とする。国民年金保険の被保険者資格や、大型・中型免許等の取得年齢も20歳のまま。特別児童扶養手当の支給対象となる者の年齢も、20歳で変更なし。猟銃の所持の許可も、現行の「鉄砲刀剣類所持等取締法」どおり20歳とする。

 「養育費」についてはどうか。支払いの期限は子どもが「成人するまで」と定めている場合も多いだろう。法務省民事局参事官室は、たとえば当事者同士が「成人まで」養育費を払う・受取ると押印した際の「成人」が「20歳」だと双方が認識している場合は、押印当時にならい、20歳までとしている。「成人まで」という表記ではなく、「20歳」と年齢を明記している場合は問題にならない。

情報発信、資格試験への影響

 法務省等は今後、関係省庁と連携しながら、国民全体への周知や情報発信を行っていくとしている。民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)については、法務省Webサイト内にPDF資料「新旧対象条文」「改正の概要」「成年年齢の引下げに伴う年齢要件の変更について」を掲載している。

 なお、資格の学校TACは、早くもWebサイト「法律資格合格応援サイト」の「法律資格ブログ」内で「【司法書士】改正民法の概要」を掲載。民法の基本から司法書士試験対策に至るまで、民法改正の概要について解説している。受験を考える者以外でも、民法改正の背景やおもな改正点について参考にできる。

◆参考画像:主要国の各種法定年齢一覧※「立法と調査 2017. 12 No. 395」内「図表1 主要国の各種法定年齢一覧」を参考にリセマム編集部が作成

【関連写真】飲酒・喫煙・養育費…成人年齢18歳でどう変わる?施行時19歳は?

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