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肩こり解消のために試したいストレッチやこりの原因を医師に聞く!

6月15日(金) 10:20

肩こり解消のために試したいストレッチやこりの原因を医師に聞く!
●肩こりの原因は日常生活の姿勢にあり
厚生労働省が発表している「平成28年 国民生活基礎調査の概況」によると、病気やけがなどで何らかの自覚症状のある者(有訴者)は、人口1,000人当たり305.9人で、およそ10人に3人は体に何らかの不調を訴えている計算になる。

その有訴者が抱えている症状の上位にランクインしているのが肩こり。男女別の数字で見ると、男性は人口1,000人当たり57.0人が、女性は同117.5人が肩こりに悩まされており、男性では腰痛に次いで2位、女性では1位となっている。パソコン作業が多いデスクワーカーらにとっては、慢性的な肩こりは悩みの種の一つだろう。

そんな厄介な肩こりの症状が和らげば、毎日のQOLも少なからず改善するはず。そのためには、具体的に何をすればいいのだろうか――。今回は、整形外科専門医の長谷川充子医師に肩こりの原因や、こり解消のヒントなどを教えてもらった。

日本人の多くが毎日感じている肩こりは、正式な病名ではなく、明確な定義もない。ただ、「首から肩関節にかけて、また首から肩甲骨、背中にかけての部分の筋肉の硬くなった状態」を肩こりと認識している人が少なくないのではないだろうか。

ところで、そもそもなぜ肩がこるのだろう。肩こりのような症状を起こす疾患は多岐にわたるが、それとは別に私たちが訴えている肩こりの大半は、「構造上の原因」と「日常生活での姿勢」などの影響が大きいのではないかと長谷川医師は指摘する。

「構造上の観点で言えば、肩甲骨までを含めた上肢(腕全体)は、体幹(体)にぶら下がっています。前後・左右・上下に動く、全身の関節の中で最も可動域の広い肩関節や、肩甲骨を含めた上肢が付いており、しかも肩甲骨は肋骨の上に乗っているというより、斜めにかぶさっているような状態です。脊椎から吊り下げられた吊り橋のようなイメージで、それを支える筋肉が張った状態が肩こりと考えてよいと思います」

この筋肉は常に肩甲骨から指先の重みを支えている筋肉なので、こりやすい条件がそろった構造にあるという。

「日常生活での姿勢に関しては、仕事ではデスクワークに限らず、『ある一定の姿勢』や『手を動かす作業といった、負担のかかる姿勢を続ける』などが原因となっていると考えられます。また、精神的に緊張状態が続くことも原因となります」と長谷川医師は話す。
○長時間のスマホいじりは肩こりを助長する

スマートフォン(スマホ)全盛の近年は、長時間かつ連続的なスマホ操作も肩こりを招いている恐れがある。スマホやパソコンを操作するとなったら、頭の位置が少し前傾になり、その状態を固定したまま画面を凝視し続けることになる。

そうなれば、必然的に頭を支える筋肉が常に緊張した状態になるため、スマホやパソコンの操作は肩がこりやすい姿勢と言える。また、小さな画面に集中することに伴う眼精疲労も加わるため、より一層肩こりを招きやすいという。

●ストレッチは肩甲骨を意識する!
体の構造と毎日の生活における姿勢が肩こりの症状に関与しているというのであれば、肩こりになりやすい人には何か共通の特徴があるかもしれない。実際に長谷川医師に尋ねてみたところ、「YES」という答えが返ってきた。

「体格的には体が細く、胸郭の厚みがなく、なで肩の方が肩がこりやすく、胸郭が厚くしっかりしている体形の方が肩がこりにくいと言われています」

その理由として、先述の体幹にぶら下がっている肩から腕の重みを支える筋肉が、厚みのある体幹に乗っているほうが安定がしやすく、負担が少ないためと考えられている。一方で筋肉が少なければ、それだけ重みを支えるための負担が増すし、肩がこりやすくなるというわけだ。

「日常生活では、同じ位置で肩を保持し続ける時間が多い方が肩こりになりやすいですね。それと、腕の位置を動かさずに細かい作業を要求される仕事をしておられる方は、広く肩関節を動かす作業をしている方よりも肩こりがひどくなりやすいと言えます」
○首を回すストレッチが危険な理由

肩こりでこる筋肉は肩甲骨から脊椎骨につながっているほか、一部頭蓋骨にもつながっているという。こういった繊細な部分に関わっていることもあり、肩こりが悪化すると頭痛などの他の症状を招くケースがある。

そんな肩こりの症状の程度を緩和させるためには、ストレッチが有効な手段として知られている。

肩がこると、なんとなく首を回したストレッチをする人もいるかもしれないが、これはNG。頚椎の骨の中には神経や血管が多くあり、むやみに頚椎を左右や後方へと動かすと、場合によっては症状を悪化させかねない。

長谷川医師は、肩甲骨を前後上下にしっかりと動かすストレッチが効果的だと話す。

「動かしたいのは、主に脊椎と肩甲骨をつなぐ筋肉です。電車のつり革を持つような姿勢まで腕を上げ、肩関節を開いて肘は曲げたままにし、できるだけ後ろへ引っ張るようにすると左右の肩甲骨同士が寄ります」

この状態をキープしたまま、さらにその位置から小刻みに肘を前後に動かしたり、肩甲骨を上下に動かしたりすると、肩甲骨と脊椎をつなぐ筋肉の僧帽筋や菱形筋(りょうけいきん)が収縮する。続いて、その手を前方やや斜め上につき上げ、さらに背中を丸めて脊椎と肩甲骨の間を広げる。この動きによって、先ほど収縮した筋肉が伸びるような感覚を覚えるだろう。

「この動作を仕事や作業の合間といった具合に、定期的(1時間ごとなど)に何度か繰り返し行うとよいでしょう。手を上げるといった動作ができない場合は、腕を下げたままでも、肩甲骨を上げ下げしたり、前後ろに回したりするだけで少しほぐれます。そして、これらのストレッチは、顎を引いた状態で行いましょう」

●肩こり解消のために実践したいこととは
この「肩甲骨動かしストレッチ」は一定の効果が期待できるが、今ある「こり」に対する対症療法である感は否めない。毎日のQOLを向上させるには、「こり」そのものを生じさせないための対策が不可欠。そのためには、「正しい姿勢で過ごすこと」が肝要になってくる。

「肩こりを起こす原因として考えらえることを、ご自身の生活環境で少し思い浮かべてみてください。例えば、パソコン作業をしている姿勢はいかがでしょうか? パソコン作業を長時間していると、だんだんと顎が上がってきます。顎が上がると頚椎が後ろに反って背中は猫背になってしまうので、できるだけ顎を引くようにしましょう」

ほかにも、「パソコンのモニターの位置とキーボードの位置」や「いすの高さとデスクの高さ」は本当に自分に合っているだろうか。腰や腕の置き場を変えたり、置き場を確保したりするだけで肩こりが改善するケースもあるため、自分自身の作業時の姿勢を工夫するのもいいだろう。

「生活のなかでは、重い鞄はできるだけ片側に負担がかからないよう、リュックなどにした方がよいでしょう。また、腕を前後に振って走るランニングやスイミングなども、肩周囲の筋肉が動かされるため、血流がよくなりすっきりします。走る時間の確保が難しければ、歩くときに少し肘を後ろに引く意識をもって歩くのもよいでしょう。そして、一日の終わりにはゆっくりお風呂につかり、全身のこりをほぐしましょう」

ただ、頸部から背部にかけての痛みが椎間板ヘルニアや変形性頚椎症といった頚椎の疾患や、内臓の疾患由来であることも少なくない。肩こりの症状が続いたり、痛みが悪化したりする場合は、医師の診察を受けるようにしよう。

※写真と本文は関係ありません

○取材協力: 長谷川充子(ハセガワ・ミチコ)

整形外科専門医。日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医。日本整形外科学会認定スポーツ医
大学病院の整形外科、総合病院の整形外科医長を経て、現在は整形外科クリニックに勤務し、整形外科の診療をしている。 En女医会所属。

En女医会とは
150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。

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