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「子連れで外食」問題が一周回って失ったものはないか

4月13日(金) 12:00

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「子連れで外食」問題が一周回って失ったものはないか
1ヵ月ほど前、休日に娘と2人で近所を散歩中、お気に入りのイタリアンレストランの前を通りかかると、扉の貼り紙が目に入った。

何だろうと近寄ってみると、「3月いっぱいで閉店します」とのこと。何だって!!!ショック、ショックだ。

料理も美味しく、子連れでも入りやすく、ゆったりできて店の雰囲気もサービスも良くリーズナブル。しょっちゅう行けるわけではないが、また記念日か何かで利用したいなと思っていた矢先のことだ。

残念だな、もっと通えばよかったと悔やんでももう遅い。閉店までにせめてあと一度はと決意し、家族で最後にランチに出かけた。


子連れで外食。これまで散々議論が上がってきたトピックでもあり、数々の賛否を目にしてきた。自分自身、親になってから考えることが多いネタでもあった。

独身の頃から食べ歩くのが好きで、ジャンルやエリア、価格帯を問わず、いろんなレストランに足を運んだ。子どもができたら産前ほどは出歩けないだろうけど、色んな味を知ってもらうためにも積極的に外食には連れていこうと目論んでいた。

しかし、その計画もそうイージーには進行していない。というのも何かにつけ保守的になってしまう自分がいるのだ。

まだ娘が赤ちゃんの時は出かける際に、どこで食事を取ろうかあらかじめリサーチが欠かせなかった。この店は座敷があるからハイハイさせられる、あの店は子どもでも食べられるメニューが豊富、また別の店はスタッフがフレンドリーで入りやすい……など、お出かけのたびにデータが蓄積されていって、そこそこの数にもなった。友人から「子連れでランチできる店教えて」ときかれることも増えた。

ただし、その多くは、デパートや商業施設に入っていたり、チェーン展開している店だ。
ここ1~2年は出かけるのもだいぶ気楽になり、自前のデータベースに頼らなくともその場の雰囲気で入る店を決めることも増えてきたけど、あの頃はなぜそこまで用意周到だったのか。

理由は1つ、周りに迷惑をかけることを恐れていたのだ。
周りのお客さんやお店側に不快な思いをさせたくないな、という思いが強くあった。

大きな商業施設なら、授乳室やおむつ替えシートが完備されているし、エレベーターもあって移動しやすい。子どもがぐずったら退屈しのぎに館内をうろうろすることもできる。

チェーン店なら店舗が違っても大体のメニューやオペレーションが予測できるから、「おなかすいたー」とゴネられても対応しやすい。

ファーストフードなら店内で何かあっても持って帰れるし……なんて考えていると、個人経営のお店に出向くチャンスは自ずと減っていく。

実際に個人経営のお店に子連れで食事をしに行って迷惑がられたことはないし、行ってみるとむしろ子連れ歓迎のお店も結構多いのだが、つい気楽な方に流れがちだ。


一方で、個人経営、家族経営のお店は跡継ぎがいないなどの理由からやむを得ず店じまい、という話もよく耳にする。

閉店のお知らせを聞くたびに「惜しい」などとつい言ってしまうのだけれど、「そういえば最近行ってなかったもんな」なんてこともよくあって、「残念って言える立場じゃなかったか」と思い直す。

さみしくなるねと漏らす前に、もっと頻繁に通うべきだったのだ。飲食店に限らず、書店や小さな映画館も閉鎖するところが多いので、「残念」と口をついてしまうのは歯がゆくもある。

都内では各所で再開発が進んでいて、久しぶりに訪れたら駅前に大きなショッピングセンターが立っていた、ということもたびたびあった。

待ち合わせ中に時間つぶしもできるし、雨風もしのげるし、とにかく便利は便利なのだけど、街の個性をより強く感じるのは商店街の中にあるようなこじんまりとした個人経営のお店だ。

筆者の住んでいる地域にも味のある中華料理屋や、気のいいマスターが接客してくれコーヒー屋、季節感のある新商品を豊富に揃えているパン屋など、贔屓にしたい店は数々ある。

子育てしていると、地域との接点が増えて、街に愛着が湧いたというのも大きい。自分ひとりが通ってどうなるという話ではないにしても、それらの店に残ってほしければ、「食べて応援」じゃないけど通い続けるしかないよなあと感じている。

閉店してしまったイタリアンのことはもう済んでしまったことだけど、近所にあるお気に入りのお店にはこれからまめに通えるといいな、と意気込んでいる。

ここで問題が1つ。
ファミレスチェーンやファーストフード店が子連れにありがたい点として、オマケをよくくれる。この味をしめた娘が、「デニーズでおもちゃほしい」「ハッピーセットたべたい」など言うようになってしまった。

そりゃそうだ、子どもには魅力的なシロモノだもの……。次の週末は、オマケの誘惑をかわしつつ、ご無沙汰してしまっている店に通いたいなと画策中だ。

真貝 友香(しんがい ゆか)真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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