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おかあさんだから、メンズ服を着たいのか?

2月23日(金) 9:00

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おかあさんだから、メンズ服を着たいのか?
『あたしおかあさんだから』の歌詞が炎上し、作詞担当の絵本作家のぶみ氏と、だいすけお兄さんが謝罪する事態となったのは記憶に新しい。ネット上では、「母親の自己犠牲を肯定・推奨していて気持ち悪い!」という意見が強いなか、私の周りでは「まあ言うほどではない」という人も多い。

私はといえば、歌詞を読んだ後、「え?オチはないの? まさかコレ、本気で公表した?」と思い、ああ、作者は惜しいことをしたな~と思ったものだ。最後に「んなワケないよね おかあさんでも いい加減 目をさませや(メロディー無視)」ってつければ、だいぶ印象が変わったのになあ、と。

さて、炎上についてはこれ以上ふれず、その代わり歌詞の内容とリンクしている自分がたしかにいたことを白状しておこう。

ネイルとヒールはご無沙汰、朝は5時台に起き、パートはいかないまでも、新幹線ほか鉄道の名前は覚えた。レアなラベンダー色の帯ラインのH5系にも乗車済みである(室内デザインが雪モチーフでかわいいぞ)。

「子持ちになった」ことで生活環境にパラダイムシフトが起きたことはたしかに一緒である。


歌詞中のおかあさんと大きく違うところは、歌から「母親たるもの〇〇であるべき」がニオッているのに対して、私は自分が好きでやっているところだ。ツイッターで盛り上がっているハッシュタグ「#あたしおかあさんだけど」を見ていると、そういうおかあさんは多いようで、安心する。

■効率化だけでは説明がつかない衝動
前々から、フルマラソンのために自らすすんで短髪にするタイプなのだけど、最近外見の「脱・女」現象が激しい。七五三の和装撮影のために伸ばしていた髪を、撮影を待たずにツーブロック短髪にしてしまった。

ママ系ファッション雑誌に載っている、「女性らしさを損なわない程度にカジュアルな服」とか「自分をオンにする服」とか「ママっぽくて子どもが好きな服」なものに、心から興味が湧かなくなり、逆に胸焼けがしてきたのである。

リボン、フリル、ブラウジング、ギャザー、レース、トランスペアレント(透ける)素材など、女子的アイコンにおなかいっぱい。着ている人を素直にかわいいと思えるのだが、今の私にはいらないのだ、1グラムも。

気がつけば9割メンズ服で、下着以外は夫と共用できそうな勢いである。以下のインスタ崩れな写真は、最近買ったニット(顔のくすみを飛ばす色)とリュックと持ち歩いているPC(軽さ重視)で、どれも買うまで相当に悩み抜いている。


最初は、無意識に効率化するための現象かと思っていた。おかあさんだから、子どもに割く時間が必要で、そのためファッションに悩む時間がもったいないし、動きやすいメンズ服が子育てに適しているからだと思っていた。

だけど、それなら別に地味なレディース服だっていいはずだ。リュックの生地をどちらにするかで30分も悩んだり、キャンバス地スニーカーの特別バージョン、「こんぶナイロン地」を探さなくていいはずなのだ。

なんだ?この、メンズ服に安心して、メンズ向けグッズにこだわる志向は……。

■おかあさんだから、女を降りていい許可
数日もんもんとし、それはある種「おかあさんだから」という理由だと結論が出た。

私=お母さん=女という事実→もう女らしくする必要がない。

ちょっとひねくれているようだが、「やっぱり私は女だったから、女らしくせよという要請に答えなくていい」というものだ。禅問答みたいですが。

その代わりになりたいのが、「仕事ができて、イケメンのようにシュッとしているおかあさん」だ。

世間が創る「献身的で母性溢れるおかあさん」のもったり感への反発。それをザクっと削ぎ落し、「自分(=いまは仕事)をあきらめない母親」を目指す「表現」として、対局にある「バリっと働いている若メンズ」を選択したようである。

つまり仮装に近く、役になりきるという意味では、宝塚の男役に近いかもしれない。

お母さん業と仕事の両立は、古今東西、いや今の日本ではかなり難しいことだと知っているからこそ、分かりやすい「スイッチ」が必要なのだろう。

刺繍入りの特攻服しかり、パンクロッカーしかり、女子アナの服装しかり、選択するファッションは、こうありたい&こう見られたいという気持ちの表れだ。

私は、世間の望むおかあさん像から距離を置きつつ、しかし、行きつけの肉屋でお父さんだと思われたフシがあり、お父さんになりたいわけではないので、アクセでもつけて中和しておくか、と思った次第だ。

斎藤貴美子
コピーライター。得意分野は美容・ファッション。日本酒にハマり、Instagramの#SAKEISAWESOMEkimikoで日本酒の新しい切り口とコピーを思案中(日本語&つたない英語)。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

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