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陣痛誘発剤との違いも押さえておきたい陣痛促進剤の効果・副作用

1月11日(水) 16:54

陣痛が微弱でお産が長引く場合や、破水後なかなか陣痛が始まらないなど異常の心配がある時は、「陣痛促進剤」が使用されます。出産が間近に迫ってきて、「陣痛促進剤」の存在を初めて知った人も多いかもしれませんが、実際に使うとなった時に慌ててしまわないよう、その効果やリスクについて事前に知っておくと、心に余裕ができて安心ですよね。







この記事の監修ドクター

こすぎレディースクリニック 椎名邦彦先生

当院の基本姿勢は『癒して治す』です。最新の産婦人科・美容医療に、東洋医学などの代替医療やアンチエイジング医療を取り入れながら、 女性がいつまでも健やかで美しくあるための医療を提供します。

http://kosugi-ladies.jp/
陣痛誘発剤・促進剤とは

陣痛促進剤とは、その名のとおり「子宮収縮を促して陣痛を引き起こす薬」です。破水したのに陣痛が始まらない、出産予定日を過ぎても陣痛が始まらない、陣痛が始まったのになかなか強くならずに出産が長引く、などの状況になったとき、薬の力で陣痛を起こします。「陣痛誘発剤」という名前で呼ばれることもあります。そこで、陣痛誘発剤と陣痛促進剤の違いや、効き目の個人差などについて、以下で詳しく説明していきます。
陣痛誘発剤と、陣痛促進剤の違いは? 
簡単に説明すると、薬を使用する前の段階で「陣痛があるか、ないか」の状態により薬が変わります。陣痛を起こさせる、陣痛を強くさせる作用があり、投与方法は錠剤・点滴の両方があります。

【陣痛誘発剤】

陣痛が来ていない段階で、陣痛を人工的に起こさせます。子宮口の開き具合や柔らかさで薬の使い分けを行い、子宮口があいていない時は、ラミナリア・ダイラパンやメトロというような子宮口を広げる処置を、前もって行うこともあります。

【陣痛促進剤】

すでに陣痛がきているが、なかなか強くならないときや、その後弱くなってしまったり、強くならなかったりといったときに、手助けとして使います。
薬の効き方には、個人差があります
陣痛促進剤を投与すれば必ず陣痛が起こるわけではなく、効果には個人差があります。その場合には、陣痛促進剤以外の方法で陣痛を誘発する、あるいは、帝王切開などの処置が取られるのが一般的です。また、陣痛促進剤は、十分な監視の下で慎重に投与する必要があるため、使用上の注意が医療者側で取り決められています。点滴をする時は、自動輸液装置という投与量を正確に調節できるインフュージョンポンプが使われます。有効な最少量を正確に投与することが可能なため、分娩監視装置で陣痛の状態や赤ちゃんの心拍を確認しながら調節します。
使用してから出産までにかかる時間もそれぞれ
先ほどもお伝えしましたが、陣痛促進剤を投与してから陣痛が始まるまでの時間や、出産を終えるまでの時間は、人により個人差があります。具体的には投与してからすぐに陣痛が始まり、その4時間後には出産を終えた人もいれば、投与してから数時間過ぎて陣痛が始まり、その後も子宮が開くまでに10時間以上もかかり、出産が終わるまでに24時間以上かかったという人もいるようです。
陣痛促進剤の種類 

陣痛促進剤には、子宮収縮を促す作用のあるホルモンである「オキシトシン」か「プロスタグランジン」が成分として含まれていますが、効果や使い方に少し違いがあります。

基本的にオキシトシンとプロスタグランジンが併用されることはなく、どちらかを使って効果が見られなかった場合に、数時間置いてからもう一方が投与されます。陣痛促進剤はオキシトシン製剤とプロスタグランジン剤の2種類で、妊婦さんと胎児の状況によって使用する薬剤が異なります。
オキシトシン
オキシトシンは、点滴で投与され、自然陣痛に近い子宮収縮を促します。使うことにより規則的な陣痛を起こすことができる薬剤です。効果の出方は個人差が大きく、まだ子宮頸管が軟化していない場合はなかなか効果が見られないという特徴があります。

使用開始から比較的早めに規則的な陣痛が起こるので、早急に赤ちゃんを娩出しなければならない場合には効果的な陣痛促進剤です。
プロスタグランジン
プロスタグランジンは、点滴か経口投与の二通りの方法があり、経口投与では投与量を調整するのが難しくなります。効果としてはオキシトシンに比べて個人差が少ないので、誰に対しても陣痛を引き起こしやすい特徴があります。

また、使用開始直後には子宮収縮周期が明確になりませんが、徐々にゆるやかな収縮が起こり始め周期明確になっていくため、より自然な陣痛を起こすことができるのも特徴です。
陣痛促進剤の効果

陣痛促進剤の効果としては、陣痛があるものの、赤ちゃんを娩出するほどの強さがない場合や、微弱陣痛が続き、産婦さんの体力の消耗が激しい場合などに、お産の進行を助けて、出産時間短縮による母子の体力低下を軽減することなどがあります。

「人工的に陣痛を起こすので怖い。」という印象を持つ人もいるでしょうが、医師が慎重に薬の量や経過を見ながら使用し、必要な場合には有効な手段となるものです。医師の管理のもと、適切な使い方をすれば危険を回避できますし、体力を使い果たしてしまう前に出産をすることができます。

よほどのことがなければ陣痛促進剤は使用しませんが、もし使うことになったら事前にきちんと説明を聞き、わからないことがあれば確認しておくようにしましょう。
分娩時間の短縮ができる
分娩にかかる時間は人それぞれですが、もう産まれてもよいのになかなか陣痛が来なくてお産が進まず母体の体力が著しく低下してしまったり、赤ちゃんの心拍が下がってしまったりすると死活問題です。できれば自然な陣痛がくるのを待つのがベストですが、時間がかかることによって生命の危険が生じるような場合には、陣痛促進剤を使うことにより、スムーズな陣痛を起こし、短い時間で出産に臨むことができます。 経膣分娩を希望する場合は尚更のこと、陣痛促進剤を使うことにより分娩時間を短縮できる効果があります。
分娩を計画的に行うことができる
陣痛促進剤には、分娩を計画的に行うことができるという効果もあります。通常、自然に陣痛が来るのを待って出産に臨むのですが、家庭の事情などによりどうしても事前に出産日を決めておきたいという場合もあるかもしれません。そのような場合は実際には陣痛が来ていなくても、陣痛促進剤で速やかに陣痛を起こすことにより出産をすることができます。計画的な分娩ということに抵抗がある人もいますが、やむを得ないこともあるので、それは仕方がありません。 計画的な出産がいけないという意見もありますが、人工的に陣痛を起こして出産するので、外出先で突然破水してしまうなどの心配もなく、安心という見方もあります。
陣痛促進剤の副作用 

陣痛促進剤は、あくまで人工的に陣痛を引き起こすものなので、当然リスクはあります。そのことも、きちんと理解した上で、どうしても使いたくないと思う場合は、事前に自分の気持ちを医師に伝えておきましょう。陣痛促進剤は、産婦さんの同意の上で行われます。ただし、陣痛促進剤を使うことで起きる危険よりも、使わなかったために陥る危険の方が大きい場合もありますので、使った方が有効と医師が判断した場合は、よく説明を理解した上で合意をしましょう。
陣痛促進剤を使った方が、陣痛の痛みが強い? 
そもそもお産の痛みには個人差があるので、痛みについても一概には言えません。ただ、実際に陣痛促進剤を使用した人の体験談では、陣痛促進剤を使った時のほうが、子宮口が開くまでの痛みが強くなるという声が多いようです。

準備が始まっていない子宮を人工的に収縮させるので、痛みが強くなる可能性があるのかもしれません。ただ、陣痛促進剤を使ってもそれほど痛みを感じなかったという人もいるようですし、陣痛促進剤を使っても使わなくても、出産は痛みを伴うものだと心得ておきましょう。
もっとも代表的な副作用は「過強陣痛」
自然な陣痛は、体の状態にあわせて適度な強さで起こるものなのですが、陣痛促進剤では、投与された分だけ陣痛が強くなります。すると、子宮はどんどん収縮しようとして、締め付けがきつくなってしまうのです。その結果、胎児を圧迫して「胎児機能不全」を起こす、あるいは「子宮破裂」や「子宮頸管裂傷」を起こすことがあります。また、出産後に子宮が疲れ切って止血が行われなくなる「弛緩出血」を起こすこともあります。陣痛促進剤を使う場合は、そのリスクを回避するために分娩監視装置をつけた上で、子宮収縮の状態や血圧・脈拍など母体と胎児の様子を細かく確認しながら適切な量を投与し、危険な予兆があれば投与量を減らしたり、中止するなどの処置が行われます。
陣痛促進剤が危険で使えないケース
以下のように、お母さんと赤ちゃんにとって危険と判断された場合は陣痛促進剤の投与ができません。

・帝王切開を2回以上行っている

・子宮筋腫の手術を受けたことがある

・経膣分娩による子宮破裂予想がある

・逆子

・前置胎盤

 (胎盤が正常より低い位置に付着し、胎盤が子宮の出口を塞いでしまう状態)

・常位胎盤早期剥離

 (赤ちゃんがまだお腹の中にいるうちに、胎盤が子宮の壁から剥がれてしまうこと)

陣痛促進剤による子宮収縮薬の投与は禁忌とされています。また、陣痛促進薬のプロスタグランディンは、気管支を収縮させる作用があるため、ぜんそくの持病がある産婦さんには使用できません。

里帰り出産の場合、妊婦健診を受けていた参院の紹介状に、ぜんそくであることが書いてあると思いますが、念のために再度伝えておくと安心です。
金銭的な問題も
陣痛促進剤の費用は、病院や投薬された量・内容にもよるものの、少なくとも1万円以上はかかります。薬がなかなか効かず、投薬量が多くなると数万円になることもあります。また、微弱陣痛などのトラブルで緊急的に使用された場合、保険が適用されますが、自然分娩を誘発する目的で使用されたときは、保険は適用されません。個人で契約している医療保険は出る場合と出ない場合のどちらの可能性もあり、加入内容によって違うので保険会社に確認するようにしましょう。
まとめ

いかがでしたか? 出産をスムーズに行うために必要な陣痛促進剤ですが、効果も副作用もあります。できれば陣痛促進剤を使う必要なく自然に産みたいものですが、赤ちゃんのことを考えて使う必要があれば躊躇しないでください。

特に「過強陣痛」の話を聞いたり、人工的に陣痛を起こすという言葉を聞くことで、怖いイメージを抱く人もいますが、陣痛促進剤を使うことによって助けられる命があるのも事実ですし、適切な投与をすればとても有効的な薬です。大事なのは無事に赤ちゃんが生まれてくることです。事前にどんなものかを知っておいて、医師と相談しておきましょう。

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