東北大学の山本雅之教授らの研究チームは、大気汚染物質が原因でアトピー性皮膚炎を引き起こす仕組みを解明、英科学誌「Nature Immunology」(電子版)の2016年11月14日号に発表した。
アトピー性皮膚炎は世界的に患者数が増加し、重症度と大気汚染度との間に相関があることが知られていたが、理由は不明だった。治療薬の開発へ期待が高まりそうだ。
かゆみを感じる皮膚の神経がどんどん発達
東北大学の発表資料によると、研究チームはアトピー性皮膚炎のかゆみには、大気汚染の有害物質と結びつく特定のタンパク質が関与していると推測。有毒物質ダイオキシンと結合するタンパク質「AhR」が皮膚の表面で活性化するよう遺伝子操作したマウスを作り、観察した。
マウスの皮膚の表面で、神経を成長させる栄養タンパク質「アルテミン」が増え、神経がどんどん発達した。そして、マウスはかゆみを感じ、盛んに引っかく行動をとりはじめた。引っかくことで皮膚のバリアー機能が壊れ、そこからアレルギー物質が侵入する悪循環が生じた。アルテミンを中和させると皮膚の神経量が減少し、マウスの引っかき行動も減った。
人間のアトピー性皮膚炎の患者でもアルテミンが増加することが確認されている。研究チームは、発表資料の中で「皮膚炎を誘発するアルテミンの働きを抑える物質を探せば新しい治療薬の開発につながる」とコメントしている。
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