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原因は睡眠不足?増える発達障害の子どもたち

11月3日(木) 8:00

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 自閉症、アスペルガー症候群、多動性障害――。発達障害と診断される子どもが増えている。その原因が睡眠にある可能性が指摘されている。今回は発達障害と睡眠の関係についてお伝えしたい。

□増える発達障害の子どもたち
 自閉症やアスペルガー症候群などの広汎性発達障害(PDD)や注意欠如・多動性障害(ADHD)などの発達障害があるとされ、特別な支援を受けながら学校へ通う子どもたちは年々増えている。

 例えば、じっとしていられなかったり、ものごとに集中できなかったりといった特徴があるADHDでは、2006年には1600人あまりだったのが2014年には8500人に、対人関係やコミュニケーションに困難を示す自閉症では2006年に4000人、2014年には1万1000人と、どちらも大幅に増えている(※1)。
□発達障害は睡眠不足が原因か?
 発達障害は「生まれつきのもの」だとされてきた(※2)。しかし、睡眠との関連を指摘する専門家もいる。熊本大学名誉教授で兵庫県立リハビリテーション中央病院子どもの睡眠と発達医療センター特命参与の三池輝久医師は、「発達障害の明確な原因はいまだはっきりしない」としながらも、生まれつきのものの他に、子どもたちが夜更かしをしたり睡眠不足になったりすることによって体内時計が狂うことが発達障害の原因になっていると指摘する(※3)。
□双子で両方ともは発達障害にならないのはなぜか
 三池医師が睡眠不足といった環境的要因が発達障害の原因の1つと考えるのには理由がある。これまでの研究で双子が両方とも自閉症になる確率は、一卵性双生児で約60%、二卵性双生児ではほぼ0%という結果が出ているという。

 遺伝子異常といった遺伝的な要因が強いのであれば、一卵性双生児の一致率が100%になるはずなのだが、実際は「60%」。これは遺伝的な原因の他に環境的な原因が加わっているからと三池医師は考えている。それが冒頭で示したように、ここ数年、発達障害と診断される子どもたちの数が大幅に増えているという数字にも表れていると指摘する。遺伝的な要因であればこのような増え方はしないというのだ(※3)。
□PDD、ADHDの子どもは「睡眠に問題アリ」
 国立精神・神経医療研究センター病院などの研究チームの報告でも、PDDと診断された子どもたちは「なかなか就床しない」「入眠できない」「夜中に起きて騒ぐ」「ちょっとしたことで起きてしまう」などの睡眠に問題があると指摘されている。

 PDDで睡眠に問題がある子どもの割合は、研究によって30%とも90%とも報告されていて幅はあるものの、健常児に比べて高い割合で睡眠の問題を抱えていることは間違いないと結論付けている。ADHDも高い割合で睡眠に問題があり、睡眠障害が多動を悪化させているのではないかと指摘されている(※4)。
□治療の第一歩は睡眠から
 国立精神・神経医療研究センター病院などの研究チームは、PDDの中でも睡眠障害があるグループは、睡眠障害がないグループに比べて、情緒面や行動面で問題が多いことから、まずは睡眠障害に対処していくことが大切だとしている。三池医師が特命参与を務める子どもの睡眠と発達医療センターでも、発達障害の診断において、まずは睡眠問題があるかないかからアプローチし、睡眠問題から解決する方法を取っている(※5)。
□子どもたちにとって睡眠はとても大切なこと
 このように睡眠は発達障害に大きな影響を及ぼす可能性があるのだ。子どもたちにとって睡眠は単純に“成長にとって大切なもの”だけにとどまらない、とても重要なことなのだ。まずはお子さんが早寝早起きできているか、十分な睡眠が取れているか、この極めて基本的な、そして大切なことを改めて確認していただきたいと思う。

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