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築地市場、効率の悪い豊洲に移転で魚の値段も上がってしまう!? 衛生面での不安も

8月22日(月) 9:02

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 新しい市場に生まれ変わるのだから歓迎ムードかと思いきや、意外にも水産仲卸業者から大反対運動が起きているのだという。築地でいま、一体何が起きているのだろうか?

◆効率の悪い市場への移転で魚の値段も上がってしまう!?

 一番の大きな問題は、市場の基本的な構造がまったく機能的にできていないという点だ。豊洲に入居予定の市場関係者はこう語る。

「5階もある立体構造の市場だと、荷を上げ下げするだけで労力が増えます。買い出しに来たお客さんがクルマを停めている3階か4階まで、我々は店のある1階から魚を運ばなくてはなりません。おまけにセリ場は道路を挟んだ反対側、青果はさらに遠い。施設外はターレやフォークリフトは使えないから、その間はいちいちゲートを出てクルマで荷を運ぶのです。築地ならすべてが平屋で同じ敷地内でできたこと。豊洲では手間が増えるぶん、新たに人を雇うことになりますが、その経費は商品に上乗せするしかないでしょう」

 現地で確認すると、確かに水産仲卸が入る6街区とセリ場のある大卸の入る7街区とは都道で分断。青果棟が入る7街区はさらに環状2号線でも分断されるうえ、6街区からの距離は400~500mあった。

 出入り口が5か所あり自由に出入りできた築地と違い、豊洲市場はそれぞれの街区のゲート数も少ない。これでは混雑する時間帯には周辺道路の渋滞が起き、時間ばかり取られる心配もある。

◆海水が使えず衛生上の問題も

 もうひとつの心配は、豊洲市場の護岸に海水濾過ポンプを設置するということだ。活魚を扱う市場では海水を使うことが多く、築地でも市場に接する隅田川からポンプで海水をくみ上げ、濾過装置でゴミを取り除いて使ってきた。活魚水槽用の水や店舗の床掃除が主な使い道だ。

 生ものを扱う築地市場内にウジが湧かないのは海水を使っているからだというぐらい、衛生面でもいいとされている。

 だが、土壌や地下水汚染があり、対策したとはいえ地中深くの汚染実態がわかっていない豊洲市場で海水を使うとなると話は別。ポンプは晴海側の護岸につけてくみ上げる計画だが、この先も化学物質が漏出しないとの保証はないし、そのとき市場で扱う魚が猛毒で汚染されたら食の安全どころの話ではなくなってしまうだろう。

◆拙足な移転は東京五輪のため

 これだけの問題が上がっていても、都に移転延期や計画を凍結する考えはない。その理由の一つは、’20年の東京オリンピックまでに各会場と晴海に予定される選手村とをつなぐ環状2号線を開通させる必要があり、そのために築地市場をスケジュール通りに取り壊さないといけないからだという。

 それでも強硬に豊洲移転が進んだ場合、考えられるのは消費者への影響だ。豊洲に市場が移転すれば水産仲卸業者の3分の1近くが廃業するといわれるから、効率の悪い市場のおかげで魚の値段が上がるだけでなく、消費者の選択の幅は減り、流通大手による食のコントロールがますます進んでしまう恐れもある。豊洲市場への拙速な移転は、いったん延期して再度議論をすべきではないだろうか? 築地市場がなくなってからではもう遅い。

取材・文・撮影/桐島 瞬 横田 一

― [築地市場の豊洲移転]新たな大問題 ―



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