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夢を巧みに悪用されAV強要された女優・香西咲が今も出演を続けるワケ

7月20日(水) 6:00

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AV女優の「出演強要」問題が、巷を賑わわせている。NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)による報告書が多くのメディアで報じられ、元女優で作家の川奈まり子氏も業界関係者や女優たちに向けた提言を発表。
「AV女優の出演強要被害」問題に川奈まり子が語った1万字の真実
さらに川奈氏は、女優・男優など出演者の権利を守るための団体「一般社団法人 表現者ネットワーク(AVAN)」を設立した。
■プロダクションからは逮捕者も
一方で、大手プロダクションからは労働者派遣法違反などで逮捕者も出ている。補足すると、AV業界は映像作品を制作・販売するメーカーと、女優を抱えるプロダクション(事務所)が存在し、メーカーはプロダクションから女優を起用する。
女優たちはすべて個人事業主であり、マネジメント業務をプロダクションに委託。中にはフリーで活動する女優もおり、男優はほぼ全員がフリーだ。
そんな中、元レースクイーンで現役女優である香西咲さんが『週刊文春』の取材で、AVデビューにおける出演強要やその後の「枕営業」について告白し、大きな話題を呼んだ。
そこで、この問題の発覚以降、一貫して取材を続けているしらべぇ編集部も香西さんから直接話を聞いた。
■『文春』記事はひとつのきっかけ
香西:文春さんのインタビューは、30時間に及びました。私の被害は「出演強要」だけでは片付けられないので、そこまで取材を受けても、思いを伝えるのは難しいと感じています。
あの記事はあくまできっかけでしかなくて、今後、新聞社などの取材も入っています。私のことを悪く言う人と味方になってくれる人が、はっきりわかりました。「300本も出ているのに(※編集部注:再編集版を含む)、強要なんてありえないだろう」「なんで今も出続けているんだ」と言う人もいます。
■「夢がかなう」との甘い言葉
香西:私がデビューしたのは、2011年の10月。初めてのビデオ撮影をしたのはその前の6月でした。プロダクションとの契約は1年ごとの更新だったのですが、3年後の2014年6月に独立して自分の会社をつくりました。
デビュー前から行われた私の「洗脳」が完全に解けたのは、この前に強要された「枕営業」の時。
デビューする前、私には、「美容雑貨店を経営する」という夢がありました。前の事務所の責任者は、「その夢を叶えたいなら、俺だったらAVに出る。中国からの投資を受けられるかもしれない」などと執拗に説得してきました。
週3〜5日は彼らと過ごし、「俺たちは家族だから」と、AV出演に反対する人たちとは関係を切るように迫られたんです。当時、同棲していた彼氏とも別れ、引越し費用もプロダクションが出しました。その他、占い師を使って親身になる手口などは、文春にも話したとおりです。
■「洗脳」から脱した3つのポイント
香西:枕営業を強要されたとき、「性接待を断るなら、二度とお前の夢に関わる仕事は出さない」と言われ、「私は利用されてきただけなんだ」と気づきました。これが、洗脳が解けた決定打です。
契約を更新しないことを事務所に伝えると、最初は怒られたり泣きつかれたり、「お前を中国にプロモートするのにいくらかけてると思うんだ!」などと脅されたりしましたが、力を貸してくれる弁護士の方がいて、なんとか話がまとまって。
私が強要と洗脳から逃げ出すことができたのは、「今やっていることが自分の夢につながるという『嘘』に気づいたこと」「助けてくれた弁護士」、そして「枕営業までやらされたこと」によるものです。
■自分の意思と反する演技も
香西:それでも独立した後、4ヶ月ほど仕事を干されることになりました。この業界は、急に連絡が取れなくなってしまう子もいたりして、そもそも女性への信頼が薄いんですが、私は社長もマネジメントも出演も、全部ひとりでやっていたので。
でも、大手メーカーさんがふたたび起用してくれたことから、また出演の依頼が入ってくるようになりました。
それまで演技の内容は、私が「嫌だ!」と言っても事務所に決められていました。いわゆる「NG項目」と呼ばれるものですが、まったく聞いていない演技やシーンを現場で知って、泣いたこともあります。今は、演技内容を直接自分で交渉できるようになったことで、以前とはだいぶ状況が違います。
■女性が主体的に性を楽しむための「駆け込み寺」を
香西咲3(『LOVE TOYS SHOP MAX』のソファスペース)
香西:今、頑張っているAV女優さんたちが、今を必死に生きている姿はとても素晴らしく輝いていると思います。一方で漠然とした不安を抱えながら頑張っている節々も目にします。
でも、AV女優として輝ける期間よりもその後の時間のほうが長いのです。AV女優を辞めた後の人生設計まで考えていけたら、漠然とした不安も和らぐのではないでしょうか。自分の生きる意味をしっかりと見出してほしいと思います。
私は今月、大阪・梅田に『LOVE TOYS SHOP MAX』という「女性向けのオトナのおもちゃ店」をオープンすることができました。スタッフは全員女性で、私も月に数回、お店に立っています。
このお店には1対1で相談できるソファスペースを設けているのですが、一般の女の子たちが会いに来てくれます。彼氏との性の話、不倫の悩み、ムダ毛処理などさまざまな相談があって、何でも打ち明けられる「女性のための駆け込み寺」です。
性のプロとして、私が知っていることを伝えたい。女性が、もっと主体的に自分の性を楽しめるようになってほしいと願っています。
■将来は「性教育」に関わりたい
香西咲2
香西:将来的には、性教育に関わりたいと考えています。今、AVという文化はあるものの、性教育が不十分な青少年がいきなり出会う性的コンテンツがAVになっている。そこでのプレイは映像作品における演技・演出であるにもかかわらず、彼氏にAVのような行為を強いられて悩んでいる女性も多くいます。
女性が主体的に自らの性について知って快楽を追求するのは、美容や健康の一部だと伝えたいんです。この駆け込み寺は、いずれ東京にもつくりたい。
これからAVの世界で活躍したいと思う女の子もいるでしょう。彼女たちには、本当に信頼できるプロダクションやマネージャーを見極める力を持ってほしい。私は教えてもらえませんでしたが、プロダクションによっては「メーカーから支払われる総ギャラ」を女優に開示するところもあります。
女優には、同じ目標に向かって二人三脚ができるパートナーが必要です。私の駆け込み寺は、そうした女性たちの手助けにもなれば、と思っています。
■自分の心に決着をつけるために
香西:もし、強要や洗脳がなかったら...それでも、このおもちゃショップや駆け込み寺の仕事はしていただろうと思います。ずっと夢だったので。
でも、自分がAVに出る仕事はしていなかったと思う。
AVをやるつもりはなかったけど、この世界に入ってしまって、とてもお世話になりました。そこで頑張っている女の子たちがいるのも知っています。今の仕事は充実していますが、強要されたときのフラッシュバックなどもあり、正直、結婚や家庭をつくることは諦めつつあります。
でも、今回の裁判を通して自分の気持ちに決着をつけることができたら、ようやく新しい人生に進めるのかな...という期待はあるのですが。
香西さんが訴える被害は「デビュー前からの強要と洗脳」「枕営業(性接待)」「演技内容(NG項目)の強要」 など多岐にわたる。
しかし、彼女が女優として現役を続け、「女性のための駆け込み寺」活動をしていることからも、今回の実名告発はAV業界と対決する意図ではなく、「業界を中からより良くして、女の子たちを守りたい」という決意が見えた。
業界の中から生まれつつある「変える力」を将来に活かせるか、関係者たちの判断が試される。
・合わせて読みたい→川奈まり子氏、AV女優・男優の人権を守る団体を設立へ
(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
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