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夏フェス会場で「痴漢・盗難」が多発。被害者たちの怒りの声

6月10日(金) 9:03

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 音楽フェスティバルの季節だ。本格的な夏が近づき、お祭り気分を味わえる場として若者を中心に人気を集める一方、日本各地の「夏フェス」では痴漢や盗難などの犯罪行為が多発し、参加者に怒りや不安の声が広がっている。

「フジロック」や「サマーソニック」の成功により、地方自治体やボランティア主催の音楽フェスが全国各地へと広がっている。それを裏づけるように、近年では国内のライブや音楽フェス需要は右肩上がりに。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会の調査によると、2006年に13,837本だったコンサートの総公演数は2015年には29,546本と約2.1倍。動員数も2006年の1,987万人から2015年の4,753万人へと約2.4倍でいずれも10年間で倍増以上の伸び率を記録している。

 そんななか、ニュースとして日本で報道されることはほとんどないが、SNS等では毎週末のように「夏フェス」やコンサート会場で痴漢や盗難に遭ったという被害報告が散見される。こうした被害は日本だけでなく、海外ではニュースとして報道され、移民問題に揺れるドイツでは問題視されるようになっている。

◆「夏フェス」や「ハロウィーン」は痴漢や盗難の被害に遭いやすい

 フランスのAFP通信によると、ドイツ西部ダルムシュタットで5月26日から29日にかけて開催された野外音楽フェスティバルで、痴漢行為や性的暴行を受けた女性被害者が26人に上っていることがわかった。被害者の多くは若い女性たちで、男たちの集団に取り囲まれ、痴漢行為を受けたと述べているという。

 また、昨年末の独ケルンで、女性たちが主にアラブ系と北アフリカ系の男たちの集団に襲われた事件はドイツ国内に衝撃を与え、昨年1年間で主に中東から100万人を超える移民・難民が入国した状況について社会的懸念が強まっている。

 社会的背景は異なるものの、密集した空間で気分が昂揚してしまう野外音楽フェスティバルは痴漢や盗難など犯罪の温床となりやすく、同様の被害は日本でもたびたび報告されている。お祭り気分に浮かれやすい「夏フェス」特有の空気もあって、こうした被害を防ぐのはなかなか難しい。

 痴漢の被害に遭ったという20代の女性は「後ろにいた20代前半くらいの男性にお尻を触られ、そのままパンツの中に手を入れられそうになりました。痴漢に遭ったことを叫んでも、周りはライブに夢中でまったく気づいてくれません。こういった一部の悪質な参加者のせいで、アーティストやフェスの印象まで悪くなってしまうし、泣きながら最悪な気分で帰りました」と涙ながらに振り返る。

 また、音楽フェスに参加し財布の盗難被害に遭ったという30代の男性は「身内でも痴漢やスリに遭ったという声はよく耳にします。確かに、できるだけ前でアーティストのライブを観たいと考えるファンは多く、前方エリアは息をするのも苦しいほどに密集しています。そこで痴漢やスリに遭ったとしても捕まえるのはなかなか難しい。だって、まずはお目当てのアーティストが観たいじゃないですか。せめて貴重品は気をつけて管理するべきでしたね…」と語る。

 人気アーティストの場合、単独コンサートでステージに近い前方エリアのチケットを入手することは困難であり、長時間待っていれば最前列で人気アーティストのライブを観ることも夢ではない音楽フェスでは、こうした前列争いが過熱してしまい、どうしても前方エリアは極端に密集してしまう状況にある。

 また、痴漢や盗難などの犯罪被害は「夏フェス」だけにとどまらない。近年、渋谷や六本木など日本各地で盛り上がりを見せているハロウィーンでもこうした被害は相次いでいる。警視庁は「ハロウィーン当日の渋谷では痴漢での逮捕者が出るようになっています。女性は被害に遭わないように、周囲に注意して行動してください」と呼びかけている。犯罪や混乱を防ぐ目的から、警視庁では昨年のハロウィーンで渋谷の警備態勢を数百人規模に強化するようになった。

 現在の音楽シーンを支える季節の風物詩として定着しつつある日本の音楽フェス。参加者の誰もが楽しめるシーンの起爆剤として、今後も末永く続けていけるような具体策が練られることを願うばかりだ。 <取材・文/北村篤裕>



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