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妊産婦の死因の最多が自殺という事実。 初産後に産後鬱を経験した2児の母が思うこと by kikka303

4月27日(水) 0:24

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妊産婦の死因の最多が自殺という事実。 初産後に産後鬱を経験した2児の母が思うこと by kikka303
東京23区における“自殺により亡くなった妊産婦”の数が、2005~2014年の10年間で63人にのぼることが、日本産科婦人科学会で発表された。なお、妊産婦の自殺数についての調査結果が明らかになるのははじめてだ。
これは、出産数に占める割合では10万人あたり8.5人。
実に、出産時の出血などによる妊産婦死亡率の2倍になる計算だ。
妊産婦の死因として最多が“自殺”という結果に、ショックを受けた人も少なくないだろう。

その傾向がなくてもやってくる「産後うつ」
調査では、出産後に自殺した人の約3分の1が「産後うつ」だったと報じられている。
元から通院していた人が、妊娠により薬の服用を中断し悪化するケースも含まれるが、メンタルに自信があったとしてもやってくるのが産後うつである。
これまでは自分の都合で決めることができた時間の使い方がまったくできなくなる。睡眠時間もとれず、トイレに行くことさえも自分のタイミングでは困難になる。
なにもかもが自由だった日々から一転、奴隷の日々に落とされた感覚を味わうのだ。

5年前、長男を出産後の1ヶ月を、夫と離れて実家で過ごした私は、実母のフォローはあったものの、病気がちな母にそこまでは頼れず、父は新生児育児においてまったくあてにならず、無知なまま放り出されてほぼワンオペ、という状況下に置かれた。
夫が泊まりに来る週末だけが心休まる時間であり、それ以外は外出も許されず(産後1ヶ月は外に出てはいけない……という思い込みが母にはあったのだろう)、帝王切開ではじめて体にメスを入れたショックと痛み、思ったように戻らない体型、そして、どう扱ったらいいのかわからない小さい人間を真ん前に置かれて、次第に鬱々としていくのを感じていた。
「これ、危ないな」と自覚していたので、保健師による新生児訪問を早々に頼んでいたが、来宅した保健師と話しているうちにぼろぼろと泣いてしまった。
家族以外の大人と話すのが数週間ぶりだったからである。
おそらく「危険人物リスト」入りされたのだろう、自宅に戻った後も保健師の訪問は数回にわたり続いた。(産後鬱についてのエピソード:「赤ちゃん泣いてますよ」「もう、行けません!」 初めての育児。産後鬱は他人ごとではなかった

そんな日々の中、もっとも頼りになったのは、深夜のTwitterや、mixiでつながる友人たち。
「もう赤ちゃんつらい、放り投げたくなるときがある(やらないけどね)」
という投稿に
「私やったことあるよ、布団で柔らかくしてその上にポーンって」
「あるある」
など、経産婦たちから続々とコメントが寄せられたのだ。
赤ちゃんがつらい」というのは、みんな一度は通る道。
でも、そのことすら知らないのが最初の出産なのである。
妊娠・出産=幸せの絶頂、というイメージがあるからだろうか、つらい、逃げたいなどいうことが許されないという、謎のプレッシャーをきっと背負っていたのだろう。
「みんな同じなんだ」という事実に救われた。

テキトーでいこう
初産のときに、私はよく先輩経産婦たちから「細かすぎる」「気にしすぎ」という指摘を受けていたが、そのときは正直聞き入れることができずにいた。
今の自分で精一杯というのもあるが、他人のアドバイスに従った結果失敗したら怖いというのが一番大きかったのだろう。
誰だって初めてのことは怖い。無防備な人の命を24時間預かっているのだからさらに怖い。
しかし、ふにゃふにゃの赤ちゃんから小生意気な5歳児まで一通り育つ課程を見てきて
「こいつら、結構雑に扱っても死なない!」
ということを知った今、次男の育児が大変にテキトーなのである。

絵本破った?まあいいよ!
ティッシュのはじっこ食べた?死なないしいいよ!
お風呂入る前に履いてたオムツが汚れてない?そのまま履かせちゃえ!
今日床掃除してないのに子どもがハイハイしてる?気にしない気にしない!

二人目出産のときにも産後うつを警戒したのだが、びっくりするほど朗らかな産褥期を過ごして今に至る。
人間、“見通しが立つこと”と“慣れ”は大事なのかもしれない。
「大丈夫」の加減を見極められるかどうかで怖さはだいぶ減るのだと思う。

四六時中「なにか起きてはいけない」と気を張って見張る仕事のことを考えたことがあるだろうか。たとえば要人のボディガードとか。
睡眠時間もまともにとれず、命を守り続ける要職についているのに世間的な待遇が低い我々について、あまり取り上げられる機会はない。
ボディガードだって交代要員がいるに決まっているのに「お母さん」がワンオペってやっぱりおかしいとは誰も思わないのだろうか。

もう一つ、二人目に産後鬱にならなかったのは、初産と違い、自宅で夫、義母、実母、ヘルパーさんと複数の大人にいてもらっての1ヶ月だったことが大きい。
「私一人で赤ちゃんを四六時中見守っていなくていい」
精神的負担の軽減がその後、赤ちゃんと心穏やかに過ごすことができるベースになっている気もする。

家庭内で「お母さん」と同じだけの働きをする大人を確保すること、出産で思った以上に心身ともに傷ついている産褥婦のケアをしっかり行うことで、産後うつは減らせるのではないかと個人的には思うのだ。
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著者:kikka303
年齢:39歳
子どもの年齢:5歳・1歳
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。東京モード学園に進学するもインディーズブランドブームにのって学校を中退、以降フリーランスのデザイナーとして活動。その傍ら、複数のテレビ局にてデジタルコンテンツを担当。2010年に結婚&出産。現在は都内某所にてWEBディレクター職についている。超イクメン夫、チャラい長男、食いしん坊な次男との4人暮らし。
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。


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