4月27日にリリースとなるGACKTさんの最新アルバム『LAST MOON』と、そのアルバムをひっさげたLAST VISUIALIVE「最期ノ月-LAST MOON-」。
過去リリースしたアルバムや舞台、映画、コンサートにわたって展開された“MOON PROJECT”が、まもなく終幕を迎えます。
◆“MOON PROJECT”とは?
2001年に「鎮魂と再生」をテーマにした「Requiem et Reminiscence」という物語で映像を撮り始めたんだけど、その続編を作ろうと思っていたときに、「MOON SAGA」っていう物語がバーッと降りてきたんだよ。
「Requiem et Reminiscence」は、VISUALIVEといって、ミュージカルでもなく、舞台でもなく、ロックコンサートでもなく、音楽と映像と表現と演出と演者とで表現する、今まで誰もやったことのない表現方法で。
これを使って「MOON SAGA」を表現すれば、新しくて面白いものができるんじゃないかなって始めたわけさ。
「MOON SAGA」は、「月の光に導かれし者たち」というテーマで、ヴァンパイアの話が基軸になってる。
基本的にボクの物語は、人じゃないものを通して、人間の儚さ、愚かさ、存在の意味、そして優しさを表現してる。
実際に、人間を通してそれを描いちゃうとすっごく生々しくてドロドロしちゃうものになるから。
掘り下げると、西暦500年くらいから2040年くらいまで続く、すっごく壮大であまりにも長い話になっちゃったから、まずは映画から始まったらおもしろいんじゃないかなと思って、映画「MOON CHILD」を作ったんだよ。
この映画は2014年から2040年までの話で、ここから「DIABOLOS」「上弦の月」「下弦の月」とか、続くライブに持っていって、どんどん時代を遡って、物語を掘り下げていく。
だんだん時代を遡っていくうちに、ヴァンパイアの起源が、実は「日本の鬼」と呼ばれるものにあるという驚くべき展開に行き着く。
ちょうど義経の時代=平安時代から鎌倉時代の話で、まだ人間と物ノ怪(モノノケ)が共存していた時代。
その時代に居た、人間と物ノ怪の両方の血を持った者ノ不(モノノフ)というハイブリッドな存在、人間よりも特殊な能力を持ち、物ノ怪よりも集団能力が高い。
いわゆる平安時代版「HEROES/ヒーローズ」みたいな感じ。
それに焦点を当てたのが、舞台「義経秘伝」。
「RR」「DIABOLOS」「上弦の月」「下弦の月」「義経秘伝」、そして「最期ノ月-LAST MOON-」でもずっと一貫してるのが、「なぜ人は同じ過ちを繰り返すのか」っていうのがテーマ。
それが、MOON PROJECT。
◆「誰にもできないことをボクはやってる」
MOON PROJECTの話では、非常に興味深くディープな話を聞かせてくれたGACKTさん。
その話に聞き入っていると、少し可笑しそうに、自分が周りからどう見られているかについての冷静な分析を教えてくれました。
こういう話をすると、周りに「マニアックですね」って言われる。
でもさ、「ボクは、そもそもがマニアックなんだよ」って思うわけ(笑)。
ボクの名前はパブリックなものになってしまったし、みんなボクのことをメディアで知ってるかもしれないけど、それはたまたまそうなっただけであって、ボクがずっとやってる音楽もアートワークも表現も、全部マニアックなわけで。
たまたまこうやって多くの人に知られるようになっちゃったから「理解しづらい」とかって言われるけどさ、ボクの世界観は、本来コアな人たちだけに伝われば良いと思ってる。
でも、だからこそ「誰にもできないことをボクはやってる」って言える。
一般的に、音楽をやってる人たちがこんなことをやる必要は全然ない。
なぜかって、お金がかかるうえに、商業ベースに乗らないからさ。
こんなのはアートワークなだけであって、作品が作りたいからやってるだけなんだよ、ボクは。
実際映像を撮り始めたときは、あまりの予算の掛かり方にびっくりしたけど(笑)。
事務所で話し合いになったけど、自分のなかではどうしてもこれを作りたいっていう意志や、だれもやったことないことを確立させたいっていう欲もあった。これはボクのライフワークだなって思ったから、身銭を切ってでもやろうと思って、制作を続けた。
お金は他のところで稼げばいいと思ってるし。
それを押し通してでもやりとげたいという、創作意欲がボクを動かすんだ。
ボクは20歳くらいまで全然ダメな人間だったんだわけさ。
ネガティヴだったし、なんのために生きてるんだろうってずっと思ってたし、すごく排他的だったし。
だけどある人と出会ったことによってすごく人生観が変わったんだよ。
ボクは、自分が生まれてきた証を残そうってそのとき決めた。
そのとき、自分の手の中にあったのは音楽だけでさ。
そして今に至るわけさ。
◆いよいよアメーバブログがスタート
先日、ついにアメブロでのブログもスタートしたGACKTさん。
以前からGACKTさんの発言は数多くのネットニュースになるなど注目度も高いですが、GACKTさん自身はブログについてどう思っているのでしょう?
アメブロ読者にはあらかじめ言っておくけど、「ボクのブログは大衆向きではない」って(笑)。
がんばってみんなにわかりやすい言葉を選んでるけど、非常にマニアックな人間だから、言ってることわかんないときがあると思う。
そこは勘弁してくれ、多めに見て(笑)。
さっきも話したけど、本来ボクみたいなタイプは、世の中に広がっちゃいけないと思ってるから(笑)。
「なんでこんなことすんの?」「なんでこんな考え方なの?」ってよく言われるし、これからブログを読むみんなもそう思うかもしれないけど、ボクは自分の決めた生き方があってそれに従ってるだけ。
自分が死ぬときに後悔したくないだけなんだよ。
後悔しないで生きていくために、何かをやるかやらないかっていう選択肢があったら、ボクにはやるっていう答えしかないんだ。
そして、やり方についてのA、B、C、どのやり方にしますかっていう選択肢にも、ボクは即決で一番難しくてしんどいものを選ぶ。
それが決まってるから、悩まないわけで。
人って、みんな同じ24時間で動いてる。
みんな同じ枠の中で動いてるんだよ。
同じ限られた時間の中で、その使い方が過密になる方はどっち?得られるものが多いのはどっち?って考えたとき、それはしんどい選択肢の方さ。
だからボクは、時間の概念が人と違う。
人と同じように1年を生きてても、内面の進み方はもっと早い。
だからね、きっと精神年齢はもう180歳くらいなんだよ。ボクはもういいおじいちゃんなわけさ(笑)。
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■プロフィール
GACKT(ガクト)
バンド活動を経て、99年にソロ活動始動。これまでにCDシングル46枚とアルバム18枚をリリース。男性ソロアーティスト シングルTOP10獲得数は、歴代1位を保持している。英語、中国語、韓国語、フランス語を取得したマルチリンガルで、アクション(日本刀、テコンドー、空手、アクロバット等)を得意とする。自らを「表現者」と称し、ミュージシャンという枠にとらわれない多才ぶりを発揮する個性派アーティスト。
■文・構成/Ameba
■衣装提供/VARTIX
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