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難病がなくなる未来が来る? 手術成功 3Dプリンターで脊椎骨

3月28日(月) 8:00

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 「コルドーマ」という悪性腫瘍をご存じだろうか。脊索腫(せきさくしゅ)とも言われ、頭蓋骨の下の方や脊椎骨にできる病気であり、放っておけば大きく成長した腫瘍が脊髄を圧迫して手足のまひも引き起こす恐ろしい病気だ。

“治すことのできない病気”の患者を3Dプリンターが救った!
 神経がたくさん通る場所での手術になる上、骨の内部にまで腫瘍細胞が広がって存在しているため、“治すことのできない病気”として諦められていた(※1,2)。

 しかし、3Dプリントされた脊椎骨を使って、コルドーマの患者を救った例があるという。

□チタン製の3Dプリント脊椎骨を使って
 オーストラリア・シドニーのプリンス・オブ・ウェールズ病院。コルドーマと診断された60代の男性患者は頸椎(けいつい)に2つも腫瘍が見付かっていた。

 コルドーマの手術は、そもそも頚椎ごと取り除く必要があったり、移植をしても切除した場所にぴったりと合う骨を見つけなければならず、外科的根治は事実上困難とされてきた。日本でも、コルドーマの最新鋭の手術法は、神経内視鏡を使った手術や、必要な場所だけに放射線を照射するガンマナイフなどを使っての治療だ(※1,3,4)。

そこで、主治医のラルフ・モブス医師が考えたのが、患者にぴったりの形の脊椎骨を3Dプリンターで作成し移植しようという方法だ。移植する脊椎骨の材料はチタン。チタンは人工関節などにも使われており移植に最適な素材だ(※5)。

□3Dプリント脊椎骨で 世界初の手術が大成功!
 オーストラリアの医療機器メーカーが協力して、この患者専用の3Dプリント脊椎骨を作り上げた。そして、モブス医師は、腫瘍に取り囲まれた脊椎骨を腫瘍ごと取り除き、チタン製の骨へと置き換えるという15時間に及ぶ大手術を見事成功させた。これは世界で初めての例だという。患者は快方に向かっているということだ(※3,4)。

 また、オーストラリアのこのメーカーは、チタン製の3Dプリントされた肋骨(ろっこつ)も作成している。胸壁腫瘍(きょうへきしゅよう)という肋骨や胸骨に発生した腫瘍の手術で複雑な形で骨の一部を失った患者に対して、その形にぴったりと合うチタン製の肋骨が作られた。こちらも手術は成功したという(※6)。

□将来は患者の細胞を使って3Dプリント
 モブス医師は、将来は、適切な技術開発と倫理的な議論を踏んだ上で、チタンではなく、患者の細胞を材料として3Dプリントで作った移植用パーツができるようになると話している。「少なくとも私たちが生きているうちに実現できるだろう」ということだ(※3,4)。

 3Dプリントを使った医療技術で将来は、「難病」という言葉さえ消えているかもしれない。そうあって欲しいと願うばかりである。


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