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出産は全治8カ月の重傷 女性の体は多大な損傷を受けている

1月16日(土) 18:00

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 「出産は病気ではない」と言われる。確かに、病原菌やウイルスがいるわけではない。しかし、本当に「病気」ではないのだろうか。

 筆者には子どもが2人いる。その経験から、「赤ちゃんを産む」という行為は「世界一、体を張った仕事」だと思っている。出産後は、赤ちゃんが産まれた幸せや世話のことで頭がいっぱいになり、自分の体のことは後回しにしがちだ。

 しかし、出産後の女性の体は、とんでもないことになっているようだ。

■出産後の女性の体はトラブルだらけ


 まず、赤ちゃんが入っている子宮。妊娠していない時は、長さがたったの7センチしかない小さな器官だ。これが妊娠後期では、なんと40センチ近くにも達している。容積は妊娠前の2000倍にもなる。風船がパンパンに膨らんでいるイメージだ。

 子宮の筋肉は、人間の体の中でもっとも伸縮自在と言われる(※1)。長時間の陣痛に耐える、タフな筋肉でもある。そんな頑丈な子宮でも、出産後は疲れ果てている。元通りになるには6~8週間もかかる。

 痔(じ)もできる人が多い。妊娠後期に赤ちゃんの重みで下腹部が圧迫されたり、お産の時にいきんだりすることが原因で起こる。

 尿漏れにも悩む。くしゃみをしただけで尿が出るほどだ。これも、子宮や産道を支えている骨盤の筋肉が、お産の時に最大限、引き伸ばされ緩んだ状態になるのが原因だ。おまけに骨盤の筋肉は、膀胱(ぼうこう)も支えている。お産で緩んだ骨盤の筋肉は、尿道をきゅっと締めておくには力不足なのだ(※2)。

 骨盤の筋肉だけではない。お産で骨盤そのものも開ききっている。元に戻すために骨盤ベルトを締めている人も多い。そして、これらのトラブルは、「時間とともに自然に治るもの」とアドバイスを受けることがほとんどだ。

■出産で骨盤筋肉が断裂? 骨盤が疲労骨折?


 アメリカのミシガン大学の産科医や助産師らの研究チームは、骨盤の筋肉の損傷のリスクが高い妊婦を対象にMRI検査を行った(※3)。3500グラム以上の赤ちゃんを産んだ人や、子宮口が開いてから産まれるまで5時間以上かかった人、お母さん本人の体重が重い人は、骨盤の筋肉損傷のリスクが高い傾向がある(※2)。

 その結果、25%の人が恥骨の骨髄に水がたまっていたり、スポーツの疲労骨折に似た症状があったりした。66%の人の骨盤の筋肉内で、重度の肉離れに似た損傷が見られた。そして、恐ろしいことに、なんと41%の人は骨盤の筋肉が断裂していた。筋肉が恥骨から部分的または完全に切り離されている状態だったのだ。

■出産は“持久力のスポーツ” 大けがを負っていることも


 とはいえ、ほとんどの妊婦は出産後6週間もあれば元通りの体に戻っている。「時間とともに自然に治る」は、多くの場合、本当だ。

 しかし、骨盤筋肉の断裂や骨盤の骨折などがある場合、完治するには6週間では無理だ。全治8カ月、いやそれ以上の場合もある(※3)。

 研究チームは、産後治療の考え方を検討し直す必要性を感じている。「出産は持久力のスポーツに似ている」と考えているからだ。マラソンなど、持久力のスポーツでけがをしたら、すぐMRI検査を受けるのが普通だ。

 出産後にMRI検査を受けた女性はいるだろうか。よっぽどの理由がない限り、いないはずだ。通常なら完治しているはずの産後のトラブルにいまだ悩まされている人は、ぜひ、専門医を受診していただきたい。大けがをしているかもしれない。

※1:「妊娠~出産~産後 子宮と膣のダイナミックな変化」の巻 http://www.premama.jp/tokushu/body/005/index.html ※2:産後の尿もれ対策 http://www.babytown.jp/life_money/beauty/002/index.html ※3:Should childbirth injuries be taken more seriously? http://www.medicalnewstoday.com/articles/303537.php
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