Amebaニュース

薬剤師に聞く。「脂肪吸収を抑える」という食品、信用できる?

10月13日(火) 12:46

このごろスーパーやコンビニで、「体脂肪の増加を抑える」、「便通を改善」などと堂々と明記されているサプリメントを見かけることがあります。「機能性表示食品」と呼ぶそうですが、これらの表示をうのみにしていいのでしょうか。大阪府薬剤師会理事で薬剤師の近藤直緒美さんに、詳しい話を聞きました。

■体のどの部分に、どう影響があるのか、をはっきり表示

―「トクホ(特定保健用食品)」、「栄養機能食品」に続いて、今年(2015年)の4月に「機能性表示食品制度」がスタートしたと聞きます。どういう制度でしょうか。

近藤さん 医薬品と違って一般食品の場合は、メーカーが自由に「風邪に効く」とか「ダイエットができる」などの効果や効能を表示してはいけないという法律があります。

ここ数年で、欧米の影響もあって日本でも健康食品の販売が急増しました。でも、健康食品は食品であって医薬品ではありませんから、効果や効能をうたうことはできません。買いたい人にすれば、パッケージや広告に、「体のどこにどういいのか」、「いつ飲めばいいのか」などが書かれていないので、判断に迷うことがあるという声をよく耳にしていました。

そこでまず、登場したのが「保健機能食品」という分類で、これには個別に国の審査・認可を受けている「トクホ」と、国の規格基準に適合した「栄養機能食品」の2種類があります。両方とも、いつどう飲めばいいのか、何に効くのかを表示することができます。

続いて先ごろ登場した「機能性表示食品」は、国の審査や認可、国が定めている規格に適合させる必要はありません。販売するメーカー側が、食品の安全性と機能性について科学的根拠を、販売日の60日前までに消費者庁に届けて受理されると、商品にその機能を表示することができるようになりました。魚や果物、野菜などの生鮮食品も対象になります。

―具体的には、どのように表示されているのでしょうか。

近藤さん 製品のパッケージや説明書に、体のどの部位にどういい影響があるのか、例えば、「脂肪吸収を抑える」、「肌の水分保持に」と大きく、また、囲みなどで「本品には○○○が含まれており、△△△の機能があります。□□□な人に適しています」と記してあります。

消費者庁に届けられた企業からの情報は、消費者庁のウエブサイトで公開されます。

■あくまで食品であって、医薬品ではない

―機能が明記されているけれど、それはメーカーが独自に研究した結果であり、医薬品やトクホのように客観的に認定された食品ではない、ということですね。その表示は、信用できるのでしょうか。

近藤さん 開発したメーカーにしか分からないことになるので、うのみにはできません。医薬品やトクホと同様で、例えば、「便秘に効くからといって、用量以上に大量に飲む」、「同じものを長い期間飲み続ける」などすると、健康に悪い影響を与えることがあります。

また、飲む人の体調や病気によって、「血圧が下がると書いてあるのに、下がらない」などということはあると思います。「効果がない食品に費用を払い続けた」というような問題も出てくるでしょう。

「あくまでメーカーの責任において機能を表示している」ということと、「あくまで食品であって、医薬品ではない」ことは覚えておきましょう。

医薬品でないということは、有効成分の含有量が定められていないため、メーカーが独自で考案した分量が配合されているということです。また、医薬品と同じ有効成分が同じ分量含まれている健康食品があったとしても、添加物や加工方法によって体内での効き方は変わってきます。これに関しては明確な基準がないのが現状です。

さらに、消費者からは「メーカーが消費者庁のウエブサイトで公開している情報の専門用語がさっぱり分からない」、専門家からは「この程度の研究が科学的根拠と言えるのか」といった意見が出ているという報告があります。

今後は、情報の根拠が良質であるかどうか、企業の責任が問われるでしょう。買う側も、成分の知識を増やして自分の目で選び取っていくという姿勢が必要になると思います。医薬品だけではなく健康食品を購入するときも、不明点があれば薬剤師に尋ねてください。またネットショップを利用するときも、気軽に最寄りの調剤薬局の薬剤師に相談してみてください。

―ありがとうございました。
機能性表示食品とは、メーカーの届け出によって効能の表示が認められた食品であり、国の審査を受けたものではないことが分りました。広告のキャッチコピーをうのみにせずに、自ら情報を確認する必要がありそうです。同時に、食品に機能表示するからには、メーカーの適切な情報開示に期待したいところです。

※2015年8月20日時点の情報をもとにしています。

(海野愛子/ユンブル)

取材協力・監修 近藤直緒美氏。薬剤師。大阪府薬剤師会理事。なのはな薬局本店、真上(まかみ)店(ともに大阪府高槻市)を運営する有限会社スターシップ代表取締役。【関連リンク】
なぜ男性は女性より早く体重を落とすことができるの?
腹筋トレーニングをしている割には、お腹ポッコリが解消されないのは?
太る運動、太らない運動とは?
料理番組は太る原因になる
マイナビ学生の窓口

コラム新着ニュース

編集部のイチオシ記事

この記事もおすすめ

コラムアクセスランキング

注目トピックス

アクセスランキング

写真ランキング

注目の芸能人ブログ