7月30日、厚生労働省の発表によると2014年の日本人の平均寿命は、男性は80.50歳、女性は86.83歳で、いずれも過去最高を更新した。また65歳以上の高齢者の総人口あたりに占める割合は25.9％で、4人に1人が高齢者となることがわかっている。

このように高齢化社会が進むにあたって、一人暮らし高齢者の割合も増加。2030年には717万世帯に増えるとみられている。一人暮らし高齢者が増えることで、生活保護受給者の増加や孤独死など深刻な問題が頻繁に取りざたされている。

　しかし、実際に暗く深刻な問題ばかりなのだろうか。夫を40代で亡くし、30年近く田舎で一人暮らしをしている女性Aさん（74）は「夫の死後、趣味の絵画の道を究め現在は週に2回は絵画教室を開催しています。カラオケやダンスの習い事もしています。夜は、近所の居酒屋に飲みに行きます。そうするとだいたい友達がいてみんなでワイワイ盛り上がりますね」と話す。

もともとお酒を飲むことが好きだったAさんだが「夫がすごく酒豪で、彼が生きているときには私は介抱する役目だった。今はすべての時間が自由だし、好きに飲めるし、とても幸せ」という。

　また10年前に老老介護の末、夫を亡くしたBさん（80）は「夫が亡くなったときに、やっと自分の好きなことがたくさんできると思ったの」という。夫の死後は、80代にして英会話教室に通い、趣味の裁縫にいそしんだ。「夫の生前には遠慮して付き合いのなかった近所の奥様達が、家に遊びに来てときどき女子会を開いているんです。さみしいなんて感じたことないわ」と80代にして、第二の人生を満喫している。

　問題視される高齢化社会だが、実際に話を聞いてみると想像よりもずっとパワフルで充実した生活を送っている人は多いのかもしれない。

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