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大学デビューの落とし穴 (2) 4月:「大学のシステムがわからない病」と「まわりがみんなスゴイ人に見える病」

4月22日(水) 11:00

大学デビューの落とし穴 (2) 4月:「大学のシステムがわからない病」と「まわりがみんなスゴイ人に見える病」
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大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。

使えるノウハウを蓄積しまくって「勝ち組学生になれ!」なんてことは言いません。地味で普通で、でも密かに充実した毎日を過ごせたら……という小さな願いを叶える秘訣をお伝えしたいと思います(そういうことって案外誰も教えてくれないですからね)。
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○人は不安になると、つい極端な思考に走ってしまう

みなさん、初めまして。恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表の清田と申します。人から恋バナを聞き、それを書いたりしゃべったりして収入を得るという人生を送っております。のっけからワケのわからない自己紹介ですみません。

今日からここで、ライター・研究者のトミヤマユキコさんと一緒にみなさんの大学デビューを応援する連載を始めることになりました。「何で?」という声も聞こえてきそうですが、そこは追々ご説明させていただくとして……取り急ぎ、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、初回のコラムでトミヤマさんは「大学デビューに半分成功・半分失敗したわたしたちの知恵」と書きました。これが当連載の肝となる部分です。でも、中には疑問に思う人もいるかもしれません。「半分って何だよ!」と……。

ここで我々が主張したいのは、簡単に言えば「極端な思考に走らないで!」ということです。ものすごく当たり前の話ですが、人生には良いこともあれば悪いこともあります。何も定食屋の湯飲みに書いてあるようなご教訓を述べたいわけではありません。人は不安にかられると、つい極端な思考に走ってしまう。これは誰しも陥りがちなワナだと思うわけです。

○後の留年につながる「欲張り×情報不足」という失敗

大学1年の4月というのは、期待よりも不安が勝ってしまう時期だと思います。友達ができなかったらどうしよう、居場所が見つからなかったらどうしよう、おもしろい授業はどれなのか、楽しいサークルに出会えるだろうか……。いやあ、不安ですね。書いてて当時の気持ちがよみがえってきました。私の入学は2000年の春。もう15年も前の話か!

当時の私は、そんな不安を「何かをがんばる」ことで埋めようとしていました。せっかく受験で英語をがんばったんだし、英会話サークルに入って英語力を伸ばそう。サッカーと草野球と卓球のサークルに入って、マルチな運動能力を磨こう。さらに、当時ハマっていた『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)という小説に影響され、「幕末研究会に入って日本を洗濯するぜよ!」なんて大志も抱いておりました。

このように、とにかく入学前から「あれもこれもがんばるぞ!」と意気込んでいたわけですが、入学式の日に声をかけられたアメフト部の人から連日めっちゃ勧誘の電話がかかってきて、私の心は早々と折れることになります。

私は身長164cm、体重60kg前後という、男子ではかなり小柄な部類の体躯です。小学校の"前へならえ"で腰に手を当てていた俺を、よりによってなぜ屈強なアメフト部が欲しがるのか……。「戦力」として求められてるわけじゃないのは明白です。だったら何なの!? 怖いよ! 頼むから毎日電話してこないで!

この体験は私に大きな恐怖を植えつけました。サークルとは、一度入部したら卒業するまで辞められない「終身雇用システム」の場所である……。そんな極端な考えに取り憑かれてしまい、「気軽にお試しで~♪」なんて気持ちには到底なれなかった。こうして私は、一度も新歓コンパに参加することなく1年の4月を終えました。

また、授業選びも困難を極めました。トミヤマさんも書いていたように、大学というのは中学や高校に比べて圧倒的に放任主義の場所です。大学は何も決めてくれません。どんな授業を、どんな時間割りで組むのか。情報は自分で仕入れなきゃいけないし、手続きも自分でやらなければなりません。当時の私はもう、「全然わかんねえよ!」「大学側で決めてくれよ!」と逃げたい気持ちでいっぱいでした。

ところが、まわりを見るとどうでしょう。どういうわけだか、みんなやたらと詳しそうです。なぜか「あの授業がおもしろいらしい」「あの先生は単位楽勝らしい」などとワイワイやっている。えっ、何でそんなに詳しいの? てか、何でもう友達になってるの? もしや、俺だけが欠席した説明会でもあったのではないか……。

そうこうする内に授業選びが終了。大学から配布されたぶ厚いシラバスだけを頼りに、仏文学に江戸文学、心理学、哲学、社会学、しまいには文学部なのになぜか設置されていた大脳生理学の授業までいろいろ取りまくり、「全部がんばればめっちゃ頭良くなるから!」という気持ちで不安を押さえ込もうとしました。

しかし、「欲張り×情報不足」のコンボがいけなかった。私が取ったものの中には、後に学内情報誌で"地雷"だと知ることになる授業が数多く含まれており、その結果、私は約半分の単位を落とし、大学を5年通うハメになりました。

○一度失敗したら人生終了なんてことはあり得ない!

こうやって振り返ると、私の大学デビューは散々なものだったように思えてきます。言うなれば「大学のシステムがわからない病」と「まわりがみんなスゴイ人に見える病」に冒されていた感じ。これが映画や小説なんかであれば、ここから一気に負のスパイラルへと突き進んで行くところでしょう。

しかし、現実はそんなに残酷なものでもありません。マニュアルに頼らなかったおかげで、楽しそうな授業を選ぶ"勘"のようなものが養われたし、まわりを見渡せば同じようにスタートでつまずいた人が結構いて、不安や痛みを媒介に親睦を深められたような気もします。さらに、幕末研究会が怪しい宗教が主催するサークルだったことが後にわかり、「入んなくてよかった……」と胸をなで下ろしたりもしました。日本を洗濯する前に己の脳ミソを洗濯されるとこだった!

トミヤマさんは自意識をこじらせてサークル勧誘の波に乗り損ねましたが、最終的に気の合う人たちが多く集う音楽サークルと出会いました。また私も、この時期に運良く(?)失敗できたおかげで、卒業後にメンバーで起業することになるサークルに出会うことができました。

不安な気持ちは痛いほどわかるし、いろいろ気合いが空回りしちゃうこともあるでしょう。でも、一度つまずいたらそれで人生終了なんてことはあり得ないし、それを避けるべく、無理をしてまで過剰に予防線を張る必要もないと思うわけです。

何が成功で何が失敗かなんて、案外よくわからないものだし、人生に勝ちも負けもない! そう考えると、ちょっと気持ちが楽になりませんか?

……的な感じで、大学1年生という嵐の時代を"失敗なのか成功なのかよくわからない状態"で乗り切ってきた私とトミヤマさんで、失敗と成功の狭間にある豊かな大学生活の可能性について考えていきたいと思います。

不安なときはこの連載を読もう\(^o^)/

清田隆之/桃山商事
1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』
(原書房)がある。
Twitter @momoyama_radio

トミヤマユキコ
ライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。
Twitter @tomicatomica

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