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イタリア・ナポリで広がる善意の波、「次に来るお客のために先払い」とは?

1月10日(土) 12:58

イタリア人のソウルドリンク、コーヒー。ナポリでは、そんな生活の一部でもあるコーヒーを貧しい人など他の人と分かち合う、という精神から、他の見知らぬ人のためのコーヒー代を払うという文化が存在しています。

「caff sospeso」というこのシステムは、お金に余裕のある人が自分の分のほかにもう一杯のコーヒー代金を支払い、1杯分を自分で飲み、もう1杯分はお店にレシートを預けるというもの。

このレシートを他のお金に苦しい人たちに使ってもらい、カフェでコーヒーを楽しめるようにするのだそう。

とあるカフェでレシートを置いて来た37歳の女性Laura Cozzolinoさんは、ナポリ人だから自分はコーヒーをたくさん飲む、と話し「コーヒーはとても大事なものだと思うし、この小さな楽しみは誰もが楽しめるものであるべき」だとしています。

2010年には、イタリア全土を通した「caff sospeso」のネットワークが誕生。政府の緊縮財政が文化面にも及ぶ中、家計に困窮している人にもコーヒーを、というイタリア人の団結力を見せるものとなっています。

このシステムでは、全国の加盟店がお店のウィンドウに黒と茶色地に白のエスプレッソカップのマークをあしらったステッカーを貼ってネットワークへの加盟を表示し、お客はカウンターの上にあるコーヒーポットなどの入れ物にレシートを入れていく仕組みに。

お金が無いもののコーヒーを飲みたい、という人は、ポットからレシートを取り出し、カウンターに居るサーバーに提出します。創業154年という老舗カフェ「Gran Caff Gambrinus」では、一日に1500杯以上のエスプレッソを販売。

そのうち10杯程が「おごり」のレシートとして置いて行かれ、5人位がこうしたコーヒーの恩恵に与っているといいます。

この助け合いの動きはコーヒーのみに留まらず、南部の一部のコーヒーショップでは、サンドイッチのおごりも推進しているとのこと。他の業態へも波及していて、ピザ屋でのピザのおごりや、はたまた本屋で自分の本のほかにもう一冊本を買い、他の人のために置いていく、という活動があるのだそう。

助け合いの精神による「caff sospeso」の習慣は第二次世界大戦中に広がりましたが、ユーロ圏が不況にあえぐ中で再びブームになり、インターネット時代の今、海外にも知られるようになりました。ブラジルやスウェーデンでもこうした見知らぬ人へおごるという活動が出てきているのだそう。

自分の大好きな飲み物を他の人にも楽しんでもらうために活動する、という心豊かな文化が、美味しいコーヒーを生み出す背景の一つにあるのでしょうね...!

参考:
In Naples, Gift of Coffee to Strangers Never Seen
http://www.nytimes.com/2014/12/25/world/europe/naples-suspended-coffee.html

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