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【書評】些細なエピソードを記録する価値 ――ツイッターで話題の男性保育士による園児の名言が一冊に!「てぃ先生」に直接きいてみた

10月20日(月) 10:30

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「てぃ先生」というツイッターの人気アカウントをご存じだろうか。
フォロワー数19万を超える(2014年10月現在)、関東の保育園に勤務する20代後半の男性保育士である。なぜこんなに人気なのか? それはいくつかのツイートから察することができるだろう。たとえばこちら。

男の子(4歳)が段ボールで剣を作って「せんせい!みて!」と見せてくれたので「おぉ、すごい!誰をやっつけるの?」と聞いたら「だれを やっつけるんじゃない!だれを まもるかだ!」と答えた。僕は何だか恥ずかしくなった。その気持ち大切にしてほしいな。— てぃ先生◆9/20書籍発売 (@_HappyBoy) 2012, 12月 6
https://twitter.com/_HappyBoy/status/276664513758126080

女の子(5歳)に「せんせい、どうしたら おとな になれるの?」と聞かれたので「うーん…20歳になったらかなぁ」と答えたら、そばにいた男の子(5歳)が「『こどもに なりたい』と おもったら じゃない?」と素敵な答えを言った。本当にそうかもしれない。— てぃ先生◆9/20書籍発売 (@_HappyBoy) 2013, 5月 4
https://twitter.com/_HappyBoy/status/330661452723658752

このように、日々、保育園で起きた子どもたちの愉快なエピソードをツイートしているアカウントなのだ。

そしてこのたび、そんな彼のツイートをまとめた書籍が刊行されたという。
ある男の子の発言から取られたタイトル『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)は、てぃ先生がこれまでに発したツイートの中からモデルとなった園児8人にフォーカスし、“エピソードの発信者”である彼ら単位で再編集、さらには140字で収まりきらなかった情報を追記したものである。


■園児の母、さっそく読んでみる
現役保育園児の母である筆者もこの本を読んでみることにした。
記憶に残っていたツイートもあったので、「これとこれは同じ子が言っていたのか!」という発見もあり大変楽しめた。

補足情報では“下にきょうだいができたからおねえちゃんらしくあろうとがんばっている子”や、“戦隊もののヒーロー気分で過ごしているもパパには弱い男の子”など、子どもたちの発言の背景も知ることができ、ああ、そういう気持ちからだったのね……と、胸を打たれたのだった。

親として注目すべきは、章と章の間にあるコラム部分であろう。
保育者として、プロの視点から子どもとの接し方について書かれているのだが、保育園では折に触れて先生たちにアドバイスを求めてきた筆者だが、まだまだ知らないことがたくさんあったということを、この本を読んで気づかされた。

とくにトイレトレーニングの項は「2年前に知っていたらもっとラクだっただろうに!」と、ひとり部屋で地団駄を踏んだわけであるが(次の機会はこうしよう!と心に決めた)、単なるツイートのまとめだけではない、育児実用書としても機能する1冊なのである。

■「てぃ先生」の目線でわが子を見てみた
子どものおもしろ発言というのは身近にも転がっているもので、わが子も時々ヒット作を飛ばしてくれるのだが、問題はそれをどうやって残すか、ということである。

これは、と思ったものはツイッターに書き残すこともあるのだが、あとからログを追うのもしんどいし、だいたいは日々に忙殺されてそのまま記憶から消えてしまう。

本にまとまったこれらツイートを改めて読み、日々ルーティンのように流れていく息子との生活を思った。

恐ろしいスピードで成長していく子どものこと。
今日の彼は明日もう変化しているわけで、一日たりとも同じ日はないのだよなあ……と、言われてみればごく当たり前のことを、改めて考えた。

このツイート群の元になった園児たちの親の気持ちをふと思う。
まだ息子が乳児クラスだったころ、先生たちが連絡帳に些細なエピソードでも書き残してくれたのが、帰宅後の楽しみになっていたのを思い出す。

それが書籍という形で世に出て残るということ。これ以上ない思い出になるだろう。
そして、保育園の先生が子どもたち一人ひとりをしっかり見ていてくれているのだという安心感。何よりそれが一番大きいことだ。

■てぃ先生に直接きいてみた!
そこで、著者である「てぃ先生」に直接コメントをきいてみたい、と申し入れたところご快諾いただいたので、書籍発売後の現在やこれからのこと、乳幼児を抱える保護者へのメッセージなどを伺った。

──書籍発売後、周りの方々の反応はいかがでしょうか? また、身のまわりに変化などありましたか?
てぃ先生:家族にでさえ、自分が「てぃ先生」であると教えていないので、とくにリアクションはありません(笑)。
今回の書籍への掲載許可をいただけた保護者の方、園の一部の先生からは、「美味しいもの食べさせてくださいね」なんて言われています!

──4~5歳児のエピソードを中心にまとめていらっしゃいましたが、ツイートでは2~3歳児の発言にもかわいいものがたくさんありました。ズバリ、続編のご予定は?
てぃ先生:語彙力は、やはり2~3歳よりは4~5歳の方があるので、今回はそちらに焦点をあてたものになりました。オファーがあればぜひ、続編もやりたいなと思っていますが、まずは『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』が広く、皆さんのお手元へ届くことを願っております。

──書籍のコラムやブログでは、保育士視点で子どもとの接し方を書かれていらっしゃいますが、子どもの“イヤイヤ期”に悩んでいる親御さんたちにアドバイスをお願いします。
てぃ先生:とにかく受け止めること。「そっか、嫌だよね~。わかるよ、○○くん(ちゃん)の嫌な気持ち」とまずは受け止めてみてください。それから、「でもさ、早くお支度しないと楽しい時間が少なくなっちゃうよね~。あ~、これから○○したり、○○したり、楽しいこといっぱいだからお母さん(お父さん)楽しみだな~」と一芝居打つのも良いと思います。

とにかく、まずは子どもの「イヤ!」を受け止めて、認めてあげましょう。大人だって自分の気持ちを全然認めてくれないのに、一方的にこうしろ、ああしろって言われたら嫌ですよね。子どもも同じなんです。

──MAMApicks読者にメッセージをお願いします!
てぃ先生:MAMApicksをご覧の皆さん、初めまして、てぃ先生です。子育てのお悩み、たくさんあると思います。でも、家庭のご事情はそれぞれ、子どももそれぞれです。ご両親が働いているご家庭があれば、そうでないご家庭もあります。

どっちがいい、そんなのはありません。ぜひ、お母さん、お父さんはご自身がやられていることに自信を持って、かっこいいお母さん、お父さんであってください。そんな姿を見て、子どもは「お仕事頑張ってるの、かっこいい!」「お料理してるの、かっこいい!」などなど、きっとそう思ってくれますよ。

筆者宅には、1歳半から始まったイヤイヤ期が4歳になろうとしている今も絶好調の長男がいるが、頭では受け止めなくちゃ!と思うものの、自分の都合が先にたってついつい忘れてしまいがち。

てぃ先生のコメントを受けて、泣きながら登園をぐずる息子にさっそく「そうだよね~、いやだよね~」と話しかけてみると、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら「うん!……うん!……」と返事する姿が、かわいいやら面白いやら笑ってしまったが、遅刻しそうで苛立っている夫の気配を背後に感じたのであった……!

サクサク読めてためにもなるこのような本は、忙しく時間がなかなか取れない、子どもを持つ親には特に向いているといえよう。

読み終わった後に自分の子をふと見て、ああ、いつも大人の基準に当てはめてつい怒ってしまうけど、この子はこんな面白い視点で世の中見ているんだな、と少し優しい気持ちで接することができれば、そして、その気持ちを日々忘れないようにできればと思うのだった。

ワシノ ミカワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。
MAMApicks 10月20日10時30分

「【書評】些細なエピソードを記録する価値 ――ツイッターで話題の男性保育士による園児の名言が一冊に!「てぃ先生」に直接きいてみた」記事詳細はコチラ


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