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【大学と就職】保護者が気にする就職実績、大学・学部の影響度

10月3日(金) 9:15

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 ここ数年、内定取り消し、新卒3割3年問題、ブラック企業など、就職活動にまつわるさまざまな問題がテレビや新聞などで多く取り上げられてきた。そのためか、最近は、我が子の就職活動に対する保護者の関心も高まっているように思う。

 とはいえ、そうした話題性や噂に振り回されてばかりではいけない。たとえば、新卒3割3年問題は、ここ数年に限った話ではない。厚生労働省の発表した「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」によれば、平成6年卒以降は、ずっと3割を超えている(平成21年卒を除く)。しっかり、自身で情報の真偽や必要な情報の見極めを行うことが必要だ。それでこそ我が子のためになるアドバイスもできる。

◆保護者が見ている就職実績の見極めポイントは間違っている

 就職情報サイトを運営するマイナビの行った「就職活動に対する保護者の意識調査」(2014年5月)によれば、我が子の大学選びの際、大学の就職実績を重視している保護者は3割ほどいるようだ(※同調査の「6)子供の大学入学時の選択基準」Q2の「かなり重視した」「ある程度重視した」の回答者割合)。そのうち、重視しているポイント上位5つは、以下のように並ぶ。

・学部ごとの就職率:29.5%
・就職先の企業名(全国的な企業):21.6%
・学部ごとの就職先業界:18.8%
・取得できる資格の種類や内容:9.7%
・学部ごとの就職者数:6.8%

 しかし、残念ながら、こうしたポイントは就職活動において、あまり重要ではない。ここから、保護者が重視しているポイントと、就職活動で実際に重要なポイントのズレが生じていることがわかる。

 そこでまず、ここに並んだ「大学名や学部・学科」、「資格」についての誤解を解いておきたいと思う。

◆大半の企業は、大学名や学部・学科を重視していない

 まず、特定の大学や学部・学科に所属しているから就職に有利に働く、ということはほぼない。

 リクルートキャリアの就職みらい研究所が発表した「就職白書2014」によれば、学生の所属する「学部・学科」を重視しているのは、25.8%。言わば、4社に1社だ。それほど高いパーセンテージではない。大学名に至っては、20%を割り込んでいる。確かに教授推薦や学歴フィルターといった、学歴や所属学部・学科などが採用に大きく影響するケースもある。だが、それは所詮レアケースだ。大半の学生(特に文系の学生)にとって、大学名や学部・学科といった要素は、そこまで大きなアドバンテージにはならない。

◆資格は、英語系以外の大半にメリットはない

 同じく「就職白書2014」によれば、資格を重視している企業は、13.3%。具体的な資格名は定かでないが、おそらくTOEICやTOEFLといった英語能力関連の資格が重視されていると思われる。

 グローバル化が叫ばれる昨今、秀でた英語能力に対する視線は熱い。また、TOEICの高い点数(800~900点)は、それだけ高い目標に向かって根気強く努力できる学生であることも伝わるので、海外展開などを行っていない企業にも響くものがある。

 なお、TOEICには、英語能力を正確に測定できていないとする批判もある。高得点者なのに、いざ入社してみると、英作文や対話をまともにできないといった声も多く聴く。だが現状、就職活動における英語能力を測る指標の主流がTOEICであることも、また事実であることは認識しておこう(そうあることの善し悪しは、また別の話である)。

 そして、英語能力系以外の資格だが、結論から言ってしまうと、取得したことで採用が有利になるというメリットは、ほぼない。それは前述のパーセンテージからも明らかである。企業は別に資格を求めてはいない。

 たとえば、総合職採用であれば、入社後でないと、どこに配属されるのかはわからない。資格を取得していても、それが活きる部署に行けるとは限らないのだ。

◆資格取得の背景が評価されることはある

 資格に関して付記するならば、「何を持っているのか」ではなく、「なぜ持っているのか」が企業に響くことがある。たとえば、文系の学生がITパスポートなどIT系の資格を持っていると、わざわざ文系なのにIT系の資格を取得したところに、ITに対する強い熱意が感じられる。もちろん、そう見せるために取っても意味はない。そうした「就職活動のために」取った資格に企業が魅力を感じることは、ほぼないと考えておいた方がよい。

 大切なのは、その資格取得に「目的意識」があるのかどうか、である。「目的意識」のある取得には、自分で目標を立てて、それを見据えて実直に努力できる素質を感じられるため、企業にも響くだろう。

※お詫びと訂正:初出時、「就職白書2014」の発表元の名称に誤りがありました。正しくは「リクルートキャリアの就職みらい研究所」です。お詫びして訂正いたします。

<著者紹介>高嶌悠人(キャリアコンサルタント)
 慶應義塾大学法学部政治学科卒。株式会社電通を経て、教育系ベンチャー企業の株式会社ガクーに入社。そこでは新卒学生を対象とした就職活動支援スクールの運営に携わってきた。現在は独立し、高校や大学、塾、予備校などでキャリアをテーマとしたセミナーなどを開催したり、メディアにてキャリアに関するコラムなどを書いたりしながら情報発信している。著書に、「人気NO.1「内定塾」が教える エントリーシート 履歴書の書き方(高橋書店)」や、「これだけ覚える!一般常識&最新時事(高橋書店)」、「人気NO.1「内定塾」が教える!今までなかったエントリーシート 履歴書の文章講座」などがある。

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