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肉体労働、頭脳労働に続く労働形態の「感情労働」でストレスをためない方法

8月14日(木) 13:41

肉体労働、頭脳労働に続く労働形態の「感情労働」が近年、増加しています。感情労働とは具体的に、人と直接接する業務である、「営業職」、「旅客機の客室乗務員ら接客業」、「教師」、「医師」、「看護師」、「介護士やソーシャルワーカーなど福祉関係」、「各種のカウンセラー」、「官公庁・企業の広報、苦情処理部署」などが挙げられます。

今、感情労働者のストレスが社会問題になっています。人と接する業務で生じるストレスとどのように向き合うかについて、心身医学専門医で心療内科医・野崎クリニック(大阪府豊中市)院長の野崎京子医師にお尋ねしました。

■クレームを受けたら、状況を紙に書き出して整理する

野崎医師は、感情労働の業務に求められる接遇について、こう説明します。

「感情労働とは、コントロールされた感情で業務を行う、冷静ににこやかに人に接することが求められる仕事です。

例えば、『感情とは裏腹でも常に笑顔でいる』、『反発心を見せないようセーブする』、『専門家として誰にでも分け隔てなく接する』ことが求められるでしょう。

我慢を強いられるなど精神的な負担が大きくかかるので、当然、ストレスがたまりやすくなります」

では、そのストレスとどのように向き合えばいいのでしょうか。

「ストレスとは、『自分の心の中』から生まれます。まずは、自分の性格についてよく自問自答しましょう。感情を抑えなければならない場面に直面したら、自分が置かれた状況を紙に書き出して整理してください。

例えば、顧客から怒りを受けたときは、それは自分のどの対応に対してなのか、どの業務内容に対してなのかと、何に向けられた怒りなのかを考えてみます。

すると、実は自分という個人に向けられた怒りではなく、『業務』に対しての不快感を指摘された、あるいは、たまたまそこにいた自分にぶつけられた、ということなどが見えてくるはずです」(野崎医師)

感情労働の現場では、自分の人格が攻撃されているわけではない場面で、自分自身が責められているととらえがちなのかもしれません。

「そうなると、自分を責める、また顧客を責める思いが募ってストレスが肥大化します。

『この人は、この業務のこの部分に対して怒っている』と分かれば、相手の感情を理解できることもあるでしょう。理不尽なクレームであれば、悩むより先に、上司や同僚に事実関係を伝えて具体的に対応策をとるようにします。

冷静であるほど、相手に求められる感情で接しつつ、相手の不快感と一定の距離を取ることができます。そのためには、職務上与えられた役割と自分の人格とを分けてとらえるように意識しましょう」と野崎医師。

■趣味の時間で共感する人と付き合い、ストレス耐性を養う

次に、野崎医師は、こうアドバイスを加えます。

「仕事以外に趣味やボランティアの時間を持つようにし、共感し合える人と付き合うことが大切です。オフタイムに良い刺激を与え合える相手との時間の中から、仕事で抱えたストレスや不安と向き合う力を身に付けることができます」

野崎医師の仕事も感情労働です。ご自身はどうされているのでしょうか。

「プロの医師として、感情をコントロールすることを強く意識しています。そのために、仕事が終われば残務を引きずらないようにしています。『今日はここまで!』と毎日口に出して自分に宣言し、気持ちを切り替えています。

もう一つは、いつも、本当に好きではまる趣味を見つけています。今は、裁縫に凝っています。布地を買いあさり、下手なバッグや子供服をたくさん作ります。没頭できますし、楽しみはそれから。迷惑そうなまわりの人たちにあげて使うことを強制します。

とても愉快ですよ」

野崎医師は、業務への心構えについてアドバイスを加えます。

「業務でのストレスを自宅やオフタイムに持ち帰ることが、最もストレスがつのる原因となります。

ただし、私は医師ですから、プロとして、深夜やプライベートな時間にでも緊急の連絡があれば、すぐにオンのスイッチが入るよう、心の準備はできています。心構えがあると、ストレスは大きくなりにくいと考えられます。

常に神経をすりへらしているような気分でいると、やがて体調を崩して病気になります。そうならないよう、自ら業務を理解し、プライベートでは愉快な時間を持つようにしましょう」と野崎医師。

自分の性格を見つめ、業務の状況を整理する。オンとオフを切り替えて業務を引きずらず、有事には対応する心構えをしておく。趣味の時間を持ってストレスに向き合う力を養う。すると仕事の相手を理解することにつながり、好循環が生まれるということです。

ぜひ、意識して実践したいものです。

(海野愛子/ユンブル)

取材協力・監修 野崎京子氏。心身医学・ペインクリニック・麻酔科専門医。京都大学医学部卒。国立京都病院、大阪赤十字病院、住友病院などを経て、現在、心療内科・ペインクリニックの野崎クリニック院長。著書に『心療内科女医が教える 人に言えない不安やストレスと向き合う方法』(マガジンハウス)。

野崎クリニック 大阪府豊中市新千里南町2-6-12 http://www.myclinic.ne.jp/nozaki/pc/

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