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あなたの知らないアリの世界「劣勢になると自爆する『ジバクアリ』」

6月2日(日) 16:46

侵略的外来種ワースト100に選ばれたアルゼンチンアリ。毒はないものの、攻撃的な性格と繁殖力が駆除を難しくしている。

もしアリの世界で暮らしたらどうなるのか?強力なアゴと統制のとれた行動で知られるグンタイアリもいれば、農園を営んで自給自足するアリもいる。

自爆して群れを守るアリもいるほどだから、命令には絶対服従の厳しい生活になりそうだ。

■ドカンと一発、毒攻撃

自爆するアリはマレーシアに住むCamponotus saundersiで、1974年に発見されたものの和名はまだ無いため「ジバクアリ」などの通称で呼ばれている。

ジバクアリの攻撃は実にユニークで切なく、敵に襲われ劣勢になると自爆して相手を道連れにする。全身に及ぶ特大サイズの大顎(おおあご)腺を持ち、ここに満たされた毒をぶちまけるのだ。

多くのアリは蟻(ぎ)酸という毒を持つ。酸の強さを示す酸解離定数(pKa)で比較すると、酢の原料となる酢酸が4.76なのに対し、蟻酸は3.77と10倍ほど強い。小さな身体からは想像できない強力さだ。

ジバクアリの毒の成分は脂肪族炭化水素とアルコールで、腐食性と刺激を与える。

しかも「のり状」で粘着質なためぬぐい去ることができず、同時に相手の動きを封じ込める。確実に仕留めるための用意周到な自爆作戦だ。

自爆は、腹部の筋肉を収縮させて大顎腺を破裂させる。人間に例えるなら、腹筋で内臓をパンクさせるような離れ業だから、自らの命も当然絶たれる。

もしアリが感じるなら想像を絶する痛さだろうが、群れを守るために死をも厭(いと)わない姿には、サムライ精神すら感じられる。

■ハキリアリは敏腕経営者

ジバクアリとは対照的に、平和な生活を送るのはハキリアリだ。熱帯アメリカに広く生息し、葉を切って巣に持ち帰る姿から葉切りアリの名前が付けられている。

葉を集める目的は、なんとキノコの栽培で、持ち帰った葉は巣で細かくちぎられ、菌を植え付けてキノコ農園を営んでいるのだ。

一つの巣には500万匹ほどのアリが暮らし、細分化された部屋を合わせると自動車並の容積を誇る広大な空間となる。巣のなかのキノコ農園では、冬虫夏草の名で知られるアリタケを育て、菌糸を食料にしている。

大所帯だけに混乱しても不思議ではないが、統制の行き届いたシステマチックな群れをなし、体長別に役割分担がなされている。

 ・大型 … 兵隊アリ … 体長15~16mm程度・巣の護衛

 ・中型 … 葉切りアリ … 体長8~13mm程度・葉の調達と運搬

 ・小型 … 世話アリ … 体長3mm程度・キノコの手入れと栽培

身体の大きさで決まるなら、異動を願い出ても却下されるのは確実だ。

自分で選べない職種ながらも、倦(う)まず弛(たゆ)まず働く姿は、世のお父さんたちに引けをとらない。

さらに驚くべきは、巣の外にはゴミ集積場まで用意し、世話アリは栽培後の菌床(きんしょう)を運び出す。誰に習うはずもないのに、人間顔負けの社会が形成されているのだ。

驚くべきことに、キノコ栽培には農薬が使用されている。自分の分泌物を使って殺菌や成長促進をおこなっているのだ。

分泌物に含まれるインドール酢酸は植物の茎を成長させる植物ホルモンで、これを使って成長促進させ、強い殺菌効果のあるmyrmicacinを使って不要な菌の繁殖を抑えていると考えられている。

規律正しく生産性も高い。人間顔負けの農業事業体だ。

■まとめ

勤勉なイメージが強いアリも、全体の20%はサボっていると言われる。いわゆるパレートの法則で、この20%を除外しても、新たに2割の怠け者が発生するからキリがない。

ジバクアリにも怠け者がいるのだろうか?自爆を拒否した末に、追放されて難民アリにならないことを祈る。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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