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フランスと三重県津市、どちらのルーブルに行くべきか

4月11日(木) 7:30

フランスでは昨年末、北部ランスにパリ・ルーブル美術館の分館がオープンし連日にぎわいを見せている。「ルーブルに分館ができた」というのはフランスの人にとっては新鮮味あふれる話題だが、コネタ読者の中には「今さらか」と思った人も多いはず。なぜなら日本には、すでに(珍スポットとして名高い)ルーブルの姉妹館「ルーブル彫刻博物館」が三重県にあるからだ! 同じ「ルーブル」美術館へ行くならば、どちらへ行くべきか。ランスと三重県のルーブルを比べてみた。

フランス分館があるランスはかつて炭坑で栄えた町。同館は日本の設計事務所SANAAと米イムレー・カルバート社の設計により、今は使われなくなった鉱山用地に建てられた。パリの本館で一般公開されないなかった作品250点がここで展示される予定で、現在205作品が大ギャラリーで鑑賞できる。同ギャラリーはギリシャ・オリエント美術など、古代から近代に渡る広範囲の地域の作品を時系列で見られるようまとめたパリ本館とは全く異なる展示手法だ。オープンに際しパリ本館からドラクロワの代表作『民衆を導く自由の女神』が移された。

一方で彫刻美術館がある三重県津市白山町は林業の町。同館は日本の建築家・黒川紀章氏の設計により大観音寺内の用地に建てられた。収蔵品はパリ本館で一般公開されている彫刻作品の実物から直接型を取ったもので、寸分たがわぬ姿で90作品を鑑賞できる。館内はギリシャ・エジプト美術など古代から現代に渡るパリ本館にある有名作品の複製品を、館内にふんだんに詰め込んだパリともランスとも異なる展示手法だ。オープンに際しパリ本館から『サモトラケのニケ』『ミロのビーナス』等が写された。

さて両館を比較した時、どのように用途分けすればベストなのか。まず(当然だけれど)ルーブルの未公開作品で「本物」を見たい人はランス分館へ。一方、模造品でも良いのでパリ本館の有名作品を見たい人は彫刻美術館へ。実際、同館は珍スポット扱いされるが(全体の雰囲気上、仕方ないのだけど……)、「寸分たがわぬ姿」で彫刻が模写されているなら、広大なパリ本館をガイドブック片手に有名彫刻作品を急ぎ足で見て回るより、作品の造形を堪能するという点では時間的効率はずっと良い……。

入場料を比較するとパリ本館が11ユーロ(約1400円)、ランス分館は無料(今年末まで)、彫刻美術館が1500円と、彫刻美術館は展示が模造品の割に一番高い(模写ゆえにその費用で高く付いたのかもしれない)! 

さらに彫刻美術館には、偶然なのか狙ったのか現在大英博物館所蔵のロゼッタストーンがある。同品は英国とフランスで所有権を争ったものだが、これをわざわざルーブル(彫刻美術館)で収蔵しているとは「本家に代わり雪辱果たしたぞ!」という意味を含んでいるのかもしれない。ただし残念なことに、ここまでフランスの思いを彫刻美術館が代弁しているにも関わらず、ルーブル美術館の公式サイトでは彫刻美術館の存在には全く触れられずリンクも無い……(もちろんランス分館はある)。彫刻美術館は本家にとっては隠し子みたいな立ち位置なのかもしれない。

ちなみに今後のルーブルの展開としては、2014年にはアラブ首長国連邦のアブダビに分館がオープンする。日本経済がバブルの時にできた彫刻美術館と、まさに今好景気のアブダビに開館する分館。彫刻美術館にとっては良きライバルになりそうだ。
(加藤亨延)

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