Amebaニュース

イラッとすると血圧が上がるというのは本当?

1月26日(土) 14:30

カッと腹が立ったりイライラすると血圧が上がる、脳の血管が切れる、と言いますが、実のところ、血圧は日常のどんなときに変化するのでしょうか。大阪府内科医会副会長で泉岡医院院長・内科医の泉岡利於(いずおか・としお)先生にお話を伺いました。



■緊張度が高いときに血圧が上がる

そもそも血圧とは何を示すのか、また、「血圧が高い・低い」とはどういう状態なのかについて、泉岡先生は次のように説明します。

「血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押し広げる圧力のことで、『心臓が収縮する力×血液の流れに対して血管が抵抗する力=血圧』です。心臓の収縮力は、個人によってある程度決まっていて、血管の抵抗力の大きさで血圧が上下します。ですから、血圧が高いというのは、血管の抵抗力が大きい状態です。

血圧は常に一定というわけではありません。活動中は高く、睡眠中のように静かにしているときは低いのですが、食事や入浴といった日常的な動作をしているときにも血圧は上がったり下がったりしています。

血圧には、全身の機能を調節する自律神経が大きくかかわってきます。自律神経には、活動中や緊張度が高いときに働く交感神経と、リラックスモードの働きを担う副交感神経があります。交感神経が優位であるときに血圧は上昇し、副交感神経が優位なときには下降します」(泉岡先生)

では、日常生活のシーンに当てはめながら、検証を進めます。

(1)イラッと腹が立ったときの血圧は?
「腹が立つという行為は興奮している状態で、交感神経が優位に働きます。すると、心拍数が増え、心臓が1回の鼓動で送り出す血液の量(心拍出量)も増えるので、血圧は上がります」(泉岡先生)

(2)入浴中は?
  「服を脱ぎ湯船に飛び込むと、活動中と似た状態になり、交感神経が優位に働くので血圧が上がります。その後、入浴して約30分は、体が温まっている状態なので、血管が広がって血圧は低下します。

反対に、寒いところでは、体は熱を逃がさないよう血管を収縮させます。血管が収縮すると、血管の抵抗力が高まるので血圧が上昇します。

特に、急激な温度の変化は血圧に強く影響します。42度を超える熱い湯やサウナ、冷水に入る、冬場の寒い脱衣所からドボンと一気に湯船につかる、さらにはサウナと水風呂に交互に入る行為は血圧を大きく変動させ、心臓にかなりの負担をかけます」(泉岡先生)

(3)寝ているときは?
「睡眠中は体がリラックスし、副交感神経が優位になるので血圧は下がります。ですが、緊張していたり、体調の具合などで十分な睡眠がえられないときは交感神経が優位となって、血圧が下がりません。
また、まだ詳しいメカニズムは解明されていませんが、もともと低血圧の人が睡眠不足の場合、より血圧が低くなる傾向にあります。

睡眠時にリラックスできているかどうかは、翌朝の排便の状態が一つの目安になります。副交感神経が優位に働いているときは腸管の動きがよくなるので、快便をもたらします。朝に快便であれば、『昨夜はしっかり眠れたな』と思ってよいでしょう」(泉岡先生)

(4)車を運転しているときは?
「運転中は、想像以上に緊張や集中をしていますから、交感神経が高まり、血圧を上昇させます。歩行者が飛び出してきてヒヤッとしたときなどはさらに上昇します」(泉岡先生)

(5)風邪で熱があるときは?
「発熱時は、体がウイルスと闘っている、つまり活動している状態なので、血圧は上がります。また発熱に限らず、疲労、せきなどの風邪の症状でも血圧は高くなりがちです」(泉岡先生)

(6)ランニング中など、スポーツ時は?
「運動中は戦闘モードの緊張状態ですから、交感神経が優位に働いて血圧は高くなります。加えて、手足の隅々まで全身に酸素を運ぶために血液が必要となるので、心拍数を上げることから血圧の上昇を招きます。

また、ランニング中や水泳時に急に立ち止まったり座り込むと、脈拍数の低下とともに副交感神経が優位になって血圧が急に下がります。筋肉などの組織にたまっていた血液が一気に心臓に戻るので、心臓に大きな負担がかかることにもなります。意識を失うケースもあるほどです。

ですから、ランニングの終わりには徐々にスピードダウンし、ウォーキングに切り替えて心身を落ち着かせるクールダウンが必要です。ランニングに限らず、すべての運動に当てはまります」(泉岡先生)

どんなシーンでも、急激な動きの変化は、体に負担をかけているのだと分かりました。生活のさまざまな場面で、今、心身は活動中なのかリラックスをしているか、血圧はどういう状態なのかを意識すると疲労や体調不良を防げるかもしれません。

監修:泉岡利於氏。医学博士。内科医、大阪府内科医会副会長。医療法人宏久会泉岡医院院長。
泉岡医院 大阪市都島区東野田町5-5-8 JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分TEL:06-6922-0890 http://www.izuoka.com/

(岩田なつき/ユンブル)

【関連リンク】
【コラム】仕事のプレッシャーに打ち勝つサプリがあった!

【コラム】内科医に聞く。トクホ(特定保健用食品)って何?

【コラム】内科医が教える。高血圧&低血圧の若者が増加中

マイナビニュース

コラム新着ニュース

編集部のイチオシ記事

この記事もおすすめ

コラムアクセスランキング

注目トピックス

アクセスランキング

写真ランキング

注目の芸能人ブログ