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「モバゲー」CMでよく見るあの人、古舘寛治の数奇な人生!「ガンダムは好き?」と聞かれてしまう

11月18日(日) 12:00

 [気になる映画人インタビュー]テレビCMほど、多くの人が目にする映像作品はない。企業・商品PRを目的としながらも、中にはショートフィルムと呼びたくなるような個性的な作品もある。そこから注目され、劇映画に進出する監督もいるほどだ。そして俳優も同じく。映画「マイ・バック・ページ」「ミツコ感覚」「キツツキと雨」などに出演し、存在感を増している俳優・古舘寛治もその一人かもしれない。英会話スクール「NOVA」、携帯サイト「モバゲー」のガンダムコレクションなど、一風変わった作風のCMに出演。誰もが一度は顔を見たことのある人物といえよう。そしてその顔は、テレビドラマやスクリーンで観る回数が年々増えている。

ハリウッドスターに怒られた!個性派俳優、古舘寛治

 2013年の台風の目になるであろう俳優・古舘とは、一体どんな人物なのか?実際のところ、その経歴はあまり知られていない。今回インタビューする中でわかってきたのは、ドラマチックすぎる経歴と俳優としての確固たる信念。さらには、演技派ハリウッド俳優にマジギレされるという稀過ぎる経験も持っている。そもそも、俳優を志したスタート地点から面白いのだ。「絵を描くのが好きだったので、漫画家やアニメーターを目指していましたが、高校時代に机に向かってコツコツやるような仕事は自分には向いていないとの直感があり、俳優をやりたいと思ったんです」と古舘はルーツを語る。子供のころから映画を観るのが好きだったそうだが、芝居の“し”の字も知らないほど俳優とは無縁の場所にいた。だが「自分が引き込まれた映画のすべてが、人のありようを描いている作品でした。ロバート・デ・ニーロ主演の『ディア・ハンター』は俳優を撮っていると思ったし、そんな人間たちの行動が僕には面白く思えて、俳優という職業に興味を持ちました」と説明する。

 「家に鏡がなかったのか、自分を見誤ったのか」。俳優として活動すべく18歳で上京。だが「ゴミゴミした都会でこれからずっと生きていくのかと考えたときに急に面白くなくなって、別の場所に身を起きたい」と思い立った。語学も不十分な中で単身ニューヨークへ渡り、有名なダンススクールに通い始めた。だが「僕は日本人の中でも手足が短いし、頭もでかい。カモシカの中で猪が踊っている状態。そんな猪がエレガントなダンスを踊れるわけがない」と苦悩した結果、英語が堪能な風を装って俳優スクールへ転入。メソッド演技を身につけた。なお滞米時には、デ・ニーロが経営する寿司バー「ノブ」のオープニングスタッフとして働いていたことから、当時のハリウッドセレブのほとんどを目撃したという。「アル・パチーノを生で見たときは興奮しましたし、ロビン・ウィリアムズなんかは映画の彼そのままで、テーブルは爆笑に包まれていた」そうだ。

 だが良いことばかりではない。曰く、“ダメダメウェイター古舘”だったそうで、映画「レザボアドッグス」「ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記」などで知られる俳優ハーヴェイ・カイテルには、注文を聞くタイミングを見誤り「俺は今喋っているだろうが!」と怒鳴られたそう。「あの瞬間は肛門がキュッとなりましたね」と古舘は今でも青ざめる。そんな日々を送る中で、ターニングポイント的ドラマに出会った。それは山口智子主演で1994年に放送されたトレンディードラマ「29歳のクリスマス」。「久しぶりに観た面白い日本のドラマで、日本でもこんなに面白いものが作れるのかと思ったし、外国に住む日本人にとって日本のドラマは郷愁を誘うもの。帰国しようかなと思い始めました」と当時の心境を明かす。ちなみに2011年10月放送の連続ドラマ「ゴーイング・マイ・ホーム」では山口と共演。「2ショット写真も撮ってもらったし、Gパンにもサインを書いてももらって、死ぬかと思った」と念願叶った様子だ。

 帰国後はフリーランスの俳優としてしばらく活躍し、劇団・青年団に所属する。劇団員の生活は大変そうだが「つい最近までアルバイト生活でしたけれど、自分は好きなことをやっているわけですから、苦労しているとは思いませんでした」と笑う。そんな古舘の認知度を上げたのは、英会話スクールに通う上司と部下が英語で丁々発止を繰り広げる「NOVA」CMだろう。古舘もCM出演の手応えを実感しており「街中で高校生から『NOVAのタケちゃんだ!』と言われることもありました」と振り返る。最近ではガンダムコレクションの影響もあり「東京国際映画祭のグリーンカーペット上で『本当はガンダムが好きなんですよね?』と聞かれるほどです」とその反響の凄まじさを物語る。ちなみに「NOVA」CMを手掛けた山内ケンジ監督とはCMのほか舞台でも手を組み、山内監督の長編監督デビュー作「ミツコ感覚」でも巧みな演技を披露している。

 CMのみならず、舞台、テレビドラマ、映画と目覚しく活躍している古舘の最新作は、2005年に静岡県で実際に起こった事件にインスパイアされた映画「タリウム少女の毒殺日記/GFPBUNNY」。絵に描いたような女子高のエロ教師という役どころだ。男性にとっては夢のような設定に思えるが、「ただでさえ教師という仕事はやってはいけないことが多いのに、目の前に若い女性がキャピキャピしているなんて気が狂う。男性にとっては地獄の職業かもしれません」と古舘。一風変わった役柄が多いこともあり「カッコ良くてモテる役とか、金八先生のような善良な教師役に憧れますね」とポツリ。ちなみにアルバイトで塾講師をした経験もあるそうで「保護者の方から『子供が授業を気に入っている』と褒められた。いい教師になれると思う(笑)」とアピールする。

 古舘寛治、現在44歳。若い頃は演出家に「君は俳優に向いてない」と言われたこともある。それでもよどみなく俳優として精力的に活動してきた結果、注目を集めるまでに至る。遅咲きかもしれないが、タレント俳優が多い日本の芸能界で、本物の芝居を見せてくれる数少ない俳優であることは、出演作品を観れば一目瞭然だ。古舘にとって、俳優の仕事とは何だろうか?「人間は秩序というラインに乗りながら生きています。日常の中でそれを踏み外すと狂ったと言われてしまうけれど、俳優はカメラや舞台でそのラインを踏み外して狂うことが許される。俳優とは誰もが隠しているもう一つの自分を解放する許可をもらえる仕事だと思いますね」と語る。今後については「可愛いお嫁さんをもらって、幸せになりたい」と笑わせる古舘だが「ハリウッド俳優がやるように、自分自身で作品をプロデュースしたり、監督をしたり、能動的な俳優でありたい」という。「能動的な俳優」とは、故・松田優作が理想とした姿でもある。このイズムを継承する古舘の時代は、間違いなく訪れそうだ。

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