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歯科医が教える。「熱のはな」の正体とケア法

11月3日(土) 17:10

唇の端のほうがなんだかチクチクする……と感じると、やがて熱のはなと言われる「ただれ」のような傷ができます。疲れが原因だとか、クセになるとか、ちまたではいろいろ言われますが、かなりうっとうしいものです。正しいケア方法を知りたく、歯学博士で歯科・口腔(こうくう)衛生外科の江上歯科(大阪市北区)院長・江上一郎先生に詳しいお話を伺いました。



■口唇ヘルペスは20代で症状が出やすい

――熱のはなの正体とは何なのでしょうか。

江上先生 口の端にできる「口唇ヘルペス(単純ヘルペス1型)」のことを、通称、熱のはなと呼びます。発熱したときに出やすいことからそう呼ばれているようですが、一概に熱が出たからできるものではありません。

ヘルペスはウイルスによって発症します。口唇ヘルペスは、顔面に走る神経のひとつ、三叉(さんさ)神経の節に潜んでいたウイルスが活発になり、三叉神経の末端である唇の端にできもののような炎症となって現れた状態です。

活発になるのは、体に熱がこもったとき、強い日差し、ストレス、胃腸の調子が悪い、疲労時などで免疫力が低下しているときと言われています。

――ウイルスはどこから来るのでしょうか。

江上先生 主に乳幼児のころに感染したウィルスが神経節に潜んでいて、おとなになってから活発に働くと考えられています。発症時期は、20歳~30歳ぐらいが多いと言われています。

ウイルスを持っている親などおとなから口移しをされた、キスをされた、幼稚園や学校の日常行為でも感染すると言われますが、誰がウイルスを保持しているか分からないわけですし、それらの行為に神経質になる必要はありません。

「熱のはなができやすい」と言う人が多いのは、一度感染すると、ウイルスが神経節に住みついて再発を繰り返すことが原因です。毎月のようにできる人もいます。

――口内炎が口の外側にできたということでしょうか。

江上先生 それは違います。口内炎は、皮膚の表面にできた「傷・ケガ」ですが、口唇ヘルペスはウイルスが原因ですから、原因も対処も違うものになります。

■熱のはなの上から化粧をしてはいけない

――熱のはなはどういう経過をたどるのでしょうか。おとな同士は感染しますか。

江上先生 口の端が腫れぼったく感じ、ぴりぴりしてきます。半日~数日後には水泡ができて赤く腫れます。

この時期に、水泡がやぶれた部分に他人が接触すると感染しやすくなります。タオルやスプーン、箸、化粧品などから家族に感染することがあるので注意してください。

女性の患者さんは、「できてしまうと化粧でも隠せない」とも言われます。しかし、水泡が化粧パフについてそれが目に触れれば目に感染してしまうことがありますので、化粧は厳禁と思ってください。

その後、時間とともにかさぶたができて約1週間~10日で治ります。熱のはなの跡はほとんど残りませんが、かさぶたを無理にはがすと、体のほかの部位同様、跡が消えにくいことがあります。

――早く治す方法はありますか。

江上先生 放っておいても10日ほどすれば完治しますが、ピーク時はけっこう痛みがあり、食事や大きく口を開けて話しにくいなど、日常生活に差し支えることがあります。

熱のはなは再発しやすいため、次にできそうなときに予想がつくはずです。ですから、「あ、チクチクしてきた。できそうだな」と思ったときに早めに歯科か皮膚科、内科を訪れて薬を処方してもらうとよいでしょう。

当院では、エタノールで患部の殺菌・消毒をしてから、クリームタイプの軟膏(なんこう)である抗ウィルス薬を塗ります。症状がひどい方、長く続いている方には、抗ウイルスの内服薬を処方します。いずれにしても、早めに塗る、服用することが早く治す最善の方法です。

――予防する方法はあるのでしょうか。

江上先生 免疫力が低下しているときに発症しやすいため、繰り返しできる人は、睡眠不足にならないように、また、風邪、ストレスも気を付けましょう。

――ありがとうございました。

唇の端がチクチクしてきたら、「あ、疲れているサインだ」と察知し、早めに寝る、休養する、食事に気を配るなど注意するようにしたいものです。

監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔(こうくう)衛生。歯科・歯科口腔外科の江上歯科院長。
江上歯科 大阪市北区中津3-6-6 阪急中津駅から徒歩1分、御堂筋線中津駅から徒歩4分 TEL:06-6371-8902 http://www.egami.ne.jp/

(藤井空/ユンブル)

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